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「未来は過去にある」
コメ0 草の根広告社 5ヶ月前
「猿の惑星」を最初に観たのは小学生のときだ。厚木基地の米軍機が昼夜問わず団地の上を爆音で飛んでいた。米ソの冷戦も続いていた。「ノストラダムスの大予言」では世紀末に核戦争が起きて世界は破滅すると書かれていた。そういう時代背景で観た「猿の惑星」は単なるノンフィクションとは思えない衝撃をぼくに与えた...
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「時間が馴染ませてくれること」
コメ0 草の根広告社 6ヶ月前
14年振りに神戸に来ることができた。新長田の駅を降りる。被害が大きかった町のひとつだ。震災後に建てられたビルの向こうに再建された商店街が伸びている。学校帰りの高校生たちが屯している広場では復興の象徴として建てられた等身大の鉄人28号が夕陽を背に受けて輝いていた。
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「サイドゴアブーツ」
コメ0 草の根広告社 7ヶ月前
伊集院静氏の偲ぶ会に参列した大友康平さんが「平服っていうからジーンズに革ジャンで行ったら浮いてしまった」という話をされていた。 この話を聞いて「そうそう」と思った日本人はどのくらいいるだろう。ぼくもそのひとりだ。
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「2024年3月12日」
コメ0 草の根広告社 8ヶ月前
渋谷に降り立ったのは、夜だった。 春の嵐に傘やコートの裾を巻き上げられながら夜の街を歩いていく大勢の人々。前日に東日本大震災から13年を迎えた中で胸に去来したのは「それでも東京の夜は明るいんだな」ということだった。
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「部品の保有期間が過ぎているので」
コメ0 草の根広告社 12ヶ月前
家電製品が経年劣化で故障した。生活していく上で一日も欠くことのできない道具だ。相談窓口に出張修理依頼の電話を掛けたら型番を聞くなり「部品の保有期間が過ぎているのでおそらく修理はできないと思います」と言われてしまった。「お買い換えを検討して頂いた方がよろしいかと思います」。
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「独裁が生まれる原因はどこにあるのか」
コメ0 草の根広告社 19ヶ月前
134号線沿いでも選挙ポスターを貼る為の掲示板を見掛けるようになった。投票率はどのくらいなんだろう。焦臭い世界情勢や物価高騰などSNSのタイムラインでは日々政治に対するたくさんの意見が溢れているのに、選挙が始まると投票率は思ったほどでもないというのがここ数十年の現実でもある。
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「同じ不安を抱えている」
コメ0 草の根広告社 22ヶ月前
国内の大手企業が「日本人だけを優遇する採用」をやめるという発表があった。市場を広く世界に求める時代だ。人材の登用も必然的にそうなっていっているのだろう。受験戦争も就職戦線も日本人とだけ競い合っていればよかった時代は既に終わっている。日本人ではなく国際人を育てないと世界経済から取り残される。それ...
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「歴史を繰り返さないために」
コメ0 草の根広告社 23ヶ月前
「最近さ、戦争のドキュメンタリーばっかり見てるんだよ」 配信動画でそう漏らしていたのは、エンタメ企業の創業者の方だ。戦争とはおよそかけ離れた明るい話題の最中に何の前置きもなくそう呟いたので妙に気になった。ぼく自身まるで同じことをしていたからでもあったのだろう。このところハードディスクに溜め込んだ...
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「当たり前のことで、やらなかったら馬鹿だ」
コメ0 草の根広告社 26ヶ月前
糞に集る蠅みたいだ。死体を貪るハイエナみたいだ。作為的なネットの切り取り記事に書き連ねられていく攻撃的なコメントを見ながらいつも思う。その行為自体が悪いと言っているわけじゃない。ぼくだって思わず書いてしまいそうになることもある。が、そのたびに糞に群がる蠅とか死体を貪るハイエナのビジュアルイメー...
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「どうやら土作りからやり直す時のようだ」
コメ0 草の根広告社 27ヶ月前
地力の落ちた酸性の畑には雑草が蔓延る。硬くなった土でも根を伸ばし、岩盤を突き破るほどの勢いで茎を伸ばす生命力の強い雑草だ。痩せ細った土の少ない栄養を彼らが独占してしまう為、作物は育ちにくい。トマトやジャガイモは収量が落ちるし、もっとわかりやすいのは葉物だ。土が痩せているかどうかは小松菜の葉脈の...
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「国家財政倍増プラン」
コメ0 草の根広告社 30ヶ月前
固定資産税って何のために納めるんだっけ。大好きな5月に大嫌いな振込用紙が届くたびに思う。総務省のサイトで固定資産税について読む。「固定資産税は1950年にシャウブ勧告、すなわち占領軍の要請によって創設されました。納められた税金は皆さんの日々の生活を支えるために利用されています」。去年も読んだのにすっ...
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「1969年の東京でぼくは生まれた」
コメ0 草の根広告社 31ヶ月前
憂鬱なブースター接種の後、ネット配信で映画を見続けた。理不尽な発熱にやり場のない憤りを感じながら、一方でこの機会を有意義なものにしようという思いだった。接種日を含めて3日間の休暇(と言っても子育ては通常営業なのだけれど)を久し振りに自分の時間に費やそうと思ったのだ。時間の使い方がうまくないのだろう...
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「2022年4月11日」
コメ0 草の根広告社 31ヶ月前
海沿いの国道を右折して長いトンネルを抜けると里山に出る。雲の流れがシフトチェンジする。感覚が研ぎ澄まされ、鳥の囀りだけが聞こえてくるようになる。子安の里―――ぼくらの菜園もこの一画にある。
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「無力な私に出来るのは、ただ祈ることだけだった」
コメ0 草の根広告社 31ヶ月前
悪い夢だった。 核攻撃で滅びるか、原発のメルトダウンで滅びるか。二者択一だったらどちらを選ぶという究極の選択を迫られていた。ぼくは薄暗い投票所で白紙の投票用紙を前にどちらを選ぶか苦悩していた。
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「本当に何もしない日にどこで何をするのかについて」
コメ0 草の根広告社 34ヶ月前
何もしないことを実践するにおいて海ほど適した場所はあるだろうか。あるいは山もそうなのかもしれないけれどそれを語れるほど僕は山を知らない。だから海についてだけ語りたいと思う。何もしないことを実践する場としての海を。 ここで言う「何もしない」というのは「社会との接続を断つこと」だ。二〇二〇年代に生...
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「正義の味方が大嫌いな理由」
コメ0 草の根広告社 36ヶ月前
ウルトラマンが町を踏み潰しながら、怪獣と戦う姿に納得が行かなかった。怪獣に押し倒されたウルトラマンの巨体がビルを薙ぎ倒す。その下を逃げ惑う人々の姿を複雑な気持ちで見つめていた。セットを派手に壊すことで戦闘の壮絶さを描こうとしていたのだろうか。あるいは「絶対的な正義など存在しないんだよ」という真...