小学生の頃、毎年831日にだけ母が海水浴に釣れて行ってくれた。海の家も店じまいした浜辺には閉店間際のスーパーで半額になったお惣菜のような賞味期限ぎりぎりの夏があった。お金がなくても楽しめる場所だった。海が好きなのは、殺伐とした世界の中でそこが数少ないすべての人に平等な場所だからだ。