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■久瀬太一/8月23日/19時36分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
何通かのメールが届いた。 オレはそれにしたがって、「青の鍵」を回収し、「赤と薄紅の世界」に移動する。 その部屋の入口は、恰幅のよい男が塞いでいた。 ――ファーブル? 似ているけれど、違う。偽物みたいな男だ。「おや、あなたが今回の新人さんですか?」 と、偽ファーブルは言う。 ソルからのメールで、すで...
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■久瀬太一/8月23日/18時50分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
扉が、開いた。 オレとサクラはその先にある階段を、オレはくだる。 奥には宝箱があった。 中には、ふたのように石版が詰まっていた。 ――100番目のナゾの答は? つい先ほど、答えた問題だ。 答えは、「ほっきょくせい」。 すると宝箱を覆っていた石版が砕けて、その下に、黄色をした鍵がみえた。えのきはソルに...
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■久瀬太一/8月23日/18時40分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
とりあえず謎解きっぽいものは、ソルたちに任せることにする。 ――久瀬くんやることなかったら入り口から中央の扉に入ってクリスタルのある部屋で扉に開けって念じてくれる? そのメールを受け取っていた。 オレは、サクラと共に、入り口付近にあった扉を目指す。 その石作りの扉も、触れたらひらく。その奥にみえ...
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■久瀬太一/8月23日/18時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
例題の書かれていた石版の前を駆け抜けて、右手に進む。 いくつかの生き物の骨がある。でかい。生きていなくてよかった。 そのあいだを駆け抜けると、また石版がみつかった。 ※ その先には、巨大な蜂と、巨大なコウモリが並んで、宙に浮かんでいる。 ――どちらにも近づきたくはないな。 と、正直思う。...
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■久瀬太一/8月23日/18時15分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
青と紫の世界にスイッチを踏まずに入って、進むと現れるコウモリの魔物をつついて。攫われた先で、水の中に入って、流された先で宝箱からロープを取って、その先の光の中を通るとワープする。千切れそうな吊り橋の下に小さな足場が見えるから、狙って落ちて。 落ちた先に宝箱があるから、中の氷の鍵を溶けないように...
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■久瀬太一/8月23日/17時05分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
どうしたものかな、と考えていた。 そのときだった。 ポケットの中で、スマートフォンが震えた。 ソルのスマートフォンだ。 オレはあわてて、それをひっぱりだす。 ※ 塔に入ってまっすぐ進んだ先にある部屋の扉は我々ソルが頑張って開ける。その扉はあくまでひとまず置いておいてくれ。 ...
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■久瀬太一/8月23日/16時55分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
大きなフロアだ。 オレとサクラは、左手にフロアを回る。 先に、氷に囲まれた、石製の硬く重そうな扉があった。 中心に青いガラス球のようなものが埋め込まれている。あるいは宝石の一種なのかもしれないが、だとすればずいぶん大きい。拳ほどのサイズがあった。 不思議なのは、その扉の奥に部屋があるようにはみ...
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■久瀬太一/8月23日/16時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
たしかに、30分ほどだったように思う。 オレたちの視界に、はっきりと「賢者ナナミの塔」が入っていた。 高いといえば、高い。でも東京のビル群ほどではない。あまり手入れはされていないらしく、外壁を植物がはっている。 塔自体よりも、オレは周囲の景色に驚いていた。 せまい島のはずなのに、海がみえなかった...
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■いい大人達とお前らの『シロクロサーガ』攻略 その1
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
http://live.nicovideo.jp/watch/lv189350026マナ◆無事プリパラデビュー @manakxg 2014-08-23 16:19:48中継始まりました きつね@bell用 @39lw 2014-08-23 16:23:06ニコ生のゆるさ半端ない テディぽん! @teddyTOnora 2014-08-23 16:20:04面白すぎwww amor000@bell情報ディーラー @nagaeryuuiti 2014-08-23 16:21:07...
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■久瀬太一/8月23日/16時15分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
サクラはずいぶん遅い時間まで、魔法陣を読解しようと、ノートと本を睨みつけていた。今朝になって、彼女はようやく首を振った。「この本だけでは、完全には魔法陣を読み解けないみたいですね」「別の本があるのか?」 とオレは尋ねる。「これは『悪魔と魔法陣』の上巻ですから。下巻もあります」 なるほど、とオレ...
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■謎まとめ/8月22日/『悪魔と魔法陣』上巻
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
※ここには読者が解き明かした謎の内容が記されています。自らの手で謎を解き明かしたいという方は、この記事を読み飛ばして次ヘ進んでください。《読み飛ばす》 ナンジュリツカ@(有)ギルベルト・警備員 @nandina_citrusVIOLAさんのニコ生から。魔法陣のQRコードのテキスト暗号(1/2) T94SE45SQSWSESRS#SP6SP11SPLP2SPLPS...
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■久瀬太一/8月22日/22時15分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
宿は木造の、小さなアパートのような建物だった。 ロビーのような空間はとくにない。受付から廊下が伸び、いくつか部屋が並んでいる。 客室のひとつに通されるとオレは、すぐにベッドに寝転がった。 疲れ果てていた。 サクラは丸いテーブルに向かって、ノートと本を開いている。 どうやら城で集めた魔法陣を読解...
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■久瀬太一/8月22日/22時00分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
当然ではあるけれど、生まれてはじめて、転移装置というものを使った。 一体どういう構造だろう? 空間が歪んでいるのだろうか。一度、肉体がデータに置き換わっているのだろうか。 そう考えたけれど、思えば元々、ここはゲームの中だ。初めからオレはデータなのだろう。なら光のスピードで移動できても不思議はな...
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■久瀬太一/8月22日/21時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
サクラは後ろに残している。 一歩、もう一歩。 オレはゆっくりと王座に近づく。 地雷原を歩くような気分だ。でも確率の問題じゃない。オレは確実にそれを踏み抜く。攻略本をみたから知っている。 想像よりも、王座に近づいたと感じた。 駆けだせばすぐにそこに到達できそうだった。 オレが普段よりも狭い歩幅で...
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■八千代雄吾/8月22日/21時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
「貴方の身柄は、私が預かることになりました」 うすら寒い笑顔を浮かべて、ファーブルが言った。 オレはなにも答えなかった。どうにでもなれ、という気持ちだった。「貴方に起こることを観察しろ、というのがメリーからの指示です。とはいえ」 ファーブルが下から、こちらの顔を覗き込む。「まるで抜け殻だな。面白...
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■久瀬太一/8月22日/20時00分
コメ2 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
窓からみえたオレが、サクラに対してどことなくそっけなかった理由がわかった。 彼女には常に、言葉にし難い違和感があった。みさきに似ているから、それが際立った。言動のひとつひとつに、どこか作り物めいた嘘っぽさがあった。 オレはソルからのメッセージを読みながら、城の中を進む。 ※ ――自分の...
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■久瀬太一/8月22日/19時00分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
オレはやがて、萎れた植物の生い茂る部屋に到達した。 攻略本では「地下菜園」となっている部屋だ。 ここに、「サクラ」と名乗る少女がいることを、オレは知っている。 佐倉みさきのようでも、佐倉ちえりのようでもある少女。 実物をみても、その呼吸を間近で感じても、そうだ。 やっぱり彼女が「どちら」なのか...
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■久瀬太一/8月22日/18時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
そのウェブページ――「攻略本」には、ソルからのメッセージが、順序よく並んでいた。 オレは合間で、それを読んで心を落ち着かせた。 ――ノイマンからソルについて知ってることを聞いて!いざとなったらこっちのこと少しは伝えてもいいから。 とりあえず戻ったら訊いてみよう。思えばソルについて、多少なりとも理解...
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■久瀬太一/8月22日/18時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
それはなんの変哲もない、ただのノートPCにみえた。 以前、この部屋を八千代と捜索したときにも置かれていたものだ。 オレはその前に腰をおろし、モニターを眺めていた。ノイマンが横から身を乗り出すようにして、PCを操作する。「このアイコンをダブルクリックしなさい」 とノイマンは言う。「そうしたら、ど...
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■攻略本、〆切
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
伊藤允彦 @gatuhiko 2014-08-22 01:30:56シロクロサーガの攻略本の編集期限って前からあったっけ? 21日の27時まで? Digital Beefsteak @D_Beefsteak 2014-08-22 01:36:37@sol_3d シロクロ攻略本表紙。あと84分 pic.twitter.com/IIQVMuqEEC渋井トトロール @soukuusibui 2014-08-22 01:38:23あわわ、編集できなくなる...
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■久瀬太一/8月21日/22時00分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
ベル、とオレは、口には出さずに呟く。「アレクサンダー・グラハム・ベル?」「おそらく、彼からとった名前なんでしょうね。はっきりとはわからない。それは、ベルの物語と呼ばれている」「それも、プレゼントなんですか?」 ニールの足跡や、ドイルの書き置きに似た名前だ。「ええ。まだ確認されていない、最後のプ...
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■久瀬太一/8月21日/21時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
足音が聞えて、部屋に誰か入ってきたのがわかった。 照明がついて、姿がはっきりとみえた。黒髪が綺麗な女性だ。年齢はよくわからない。おそらく30代だ。でも20代でも、40代でも不思議ではない。ミステリアスな雰囲気の女性だった。 女性が口を開く。「貴方、だれ?」 とその女性は言った。「久瀬太一、でわかりま...
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■久瀬太一/8月21日/21時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
明かりをつけていないマンションの一室で、オレは5回、電話をかけた。 まずは八千代雄吾に。 だけど、彼は出なかった。 ※ 次にオレは、父親に電話をかける。 しつこくコールしていると、やがて父の、どこか間が抜けた声がきこえた。「どうした?」「訊きたいことがあるんだ」 ソルから尋ねるよう言...
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■久瀬太一/8月20日/24時05分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
消毒液の匂いがした。 ――きぐるみの、中身。 オレは、それをみたのか? みなかったのか? どうしても思い出せなかった。長い夢がどこで終わったのか、わからなかった。 オレは目を開く。白いシーツの上に横たわっている。 激痛を感じて、左頬を押さえた。顔の半分が、ずきん、ずきんと痛んだ。 ――ふざけんなよ...
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■久瀬太一/8月20日/24時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
久瀬くんはバスに乗ってるそいつのことをきぐるみって呼んでるけど、ぬいぐるみではないの?人がそれを身につけている感じなの? ※ そういえば、と思い当る。 人間くらいに大きくて、動いて喋るからきぐるみだと思い込んでいたけれど、ぬいぐるみがしゃべっていたとしても、今さら驚かない。「お前、中...
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■久瀬太一/8月20日/23時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
君はどうしたい? いつも、私たちから質問するばかりだ。久瀬くん、君のほうで何か気になること、私たちソルの力を借りたいことはないのかな? ※ ――というメールを読んで、それが思考するきっかけになった。 ソルたちに対して、気になることは無数にあった。 一体、どんな集団なんだ? どうしてオレ...
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■久瀬太一/8月20日/23時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
ちえりさんに電話をすることがあったら、聞いてください。去年のクリスマスは誰と過ごしていましたか? ※ というメールを読んで、思わず眉を寄せた。 ――ずいぶん久しぶりに再会したってのに、急にクリスマスの相手を尋ねるのは、ちょっと失礼じゃないか? いや、急ににしなればいいのか。 上手いこと...
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■久瀬太一/8月20日/23時15分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
次のメールは、こうだ。 ――きぐるみに、いつ生み出されたのか聞いてください。 生み出された? なんだか、少し違和感のある表現だ。でも今、目の前にきぐるみがいるのだから、いつか生まれたのは間違いないだろう。 念のためにオレは、メールの通りの言葉を使って尋ねる。「おい、お前が生み出されたのは、いつだ...
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■久瀬太一/8月20日/23時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
それからしばらくは、「プレゼント」に関する情報が続いた。 八千代はやはり「ドイルの書き置き」というプレゼントを貰っていた。 それは、彼の幼馴染みから受け取ったもののようだ。 メールの内容をまとめると、こうだ。 プレゼントは、センセイから直接、手渡されるわけじゃない。 センセイは、「良い子」を選...
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■久瀬太一/8月20日/22時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
はやいペースで、次々にメールが届く。 オレはそれに、必死に返答していく。 メールの中で気になったのは、「アカテ」と呼ばれる人物に関することだった。 アカテ――八千代の友人? どうやらその人物が、越智や、白石や、山本に、あのタイムカプセルを埋めさせたようだった。 一方で、ホールへの書き置きを残した...
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■久瀬太一/8月20日/22時35分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
こんなところにいる暇はないんだ、とわかっていたけれど、オレはまだあの停留所にいた。 周囲を歩き回っても出口はない。道路はどこまでも続いているけれど、どれだけ歩いても、どこにも辿りつけない。振り返るとすぐ近くに停留所がみえる。バスもモノレールもやってこない。観覧車さえ動かない。 オレはベンチで何...
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■久瀬太一/8月19日/24時10分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
電波が切れた。 オレは最後に、滑り込むように届いたメールを確認する。 またきぐるみに対する質問だ。「なあ、お前が傷ついているのは、バッヂの状態と関係があるのか?」「どうかな?」 と、きぐるみが首を傾げる。「別に、バッヂがどうなったかで、オレがどうこうなるわけじゃねぇよ。でもまあ、まったく関係が...
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■久瀬太一/8月19日/23時50分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
そのメールを目にしたとたん、また。 顔の左半分が、ずきんと痛んだ。 ※ ヒーローバッヂを自分で持っておきたい? ※ さすがに、なんとなくわかっていた。 ヒーローバッヂに関する情報に近づいたとき、オレの身体は異変をきたすようだった。 ――いや。 ふと、思い出す。 ひとつ、例...
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■久瀬太一/8月19日/23時35分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
ソルからのメールの中にきぐるみへの質問に関するものが混じっていた。 オレはそれを、そのまま尋ねる。「おいきぐるみ。お前の傷って、いつからあるんだ?」「傷?」 きぐるみはなんだかむかつく笑顔で首を傾げる。「傷ってなんだよ?」「お前についてる傷だよ。わかるだろ」「え、傷とかついてるの?」「一目瞭然...