今年のアメリカの大統領選挙はバイデン対トランプのリターンマッチというみんなウンザリなことになりそうだが、各党の候補を決める予備選が始まった。
 通常はまずアイオワ州、次にニューハンプシャー州で行われる。ところが今年、民主党全国委員会(党執行部)は、アイオワでもニューハンプシャーでも予備選をしないと決めた。どちらも人口の大半が白人だから、もっと人種的な多様性のあるサウス・カロライナから予備選を始めるというのだ。
 本当の理由は違う。バイデンは2020年の予備選ではアイオワで4位、ニューハンプシャーで5位と惨敗し、初めて1位を取れたのがサウス・カロライナだったからだ。
 しかしニューハンプシャー州は民主党に逆らって1月23日に予備選を行った。バイデンの名前を投票用紙に載せないまま。あわてた民主党はバイデンの名前を手書きで書き込むよう指示した。
 これは面白そうだ。筆者は予備選2日前のニューハンプシャーを訪れた。 
週刊文春デジタル