カッコをつけることほどカッコ悪いことはない。わたしはどんなことがあっても、カッコをつけていることを悟られないよう長年、細心の注意を払ってきた。
 わたしから見ると最近の若者は理解を超えている。男が臆面もなくファッション誌を読み、脱毛し、パックし、メイクし、エステに行き、整形し、その上、散髪し、爪を切り、風呂にまで入って、テンとして恥じることがないのだ。
 若者がこんなに軟弱でいいのか。わたしの中には、「男たるもの、見た目には無関心であれ」という確固たる信念がある。
 立ち居振る舞いも例外ではない。女性タレントは脚を斜めに揃えて座り、コンテストに出た犬は見栄えのいい立ち方をさせられるが、もし男に「美しい座り方」があっても、そんなカッコをつけた座り方は心理的にできないだろう。 
週刊文春デジタル