下町のおいしいイタリアン。
「カウンター八席借り切ってるから行かない」
 と親しい友人から誘われた。
 行ってわかった。四人四人のグループに分かれていたのである。
 私の友人A氏と、彼の友人のB氏とが自分の友人をそれぞれ連れてきていたのだ。B氏の方は若く綺麗な女性が三人いた。
 あちらは私のことをご存知ないようで、A氏が説明する。
「マリコさんは週刊文春に毎週エッセイを書いていて、それはギネスにも載ったんだよ」
「へえー」
 驚く三人。
「本当に毎週書いているんですか」
「まぁ……、四十年以上書いてますかね」
「すごいですねー」
 と頷いたのは、ショートカットの美しい女性。顔が異様に小さい。確か元タカラジェンヌと聞いたような。私の方も質問しないと申し訳ないか。
「えーと、何組にいらしたんですか」
「○○組にいて、それから□□組に移りました」 
週刊文春デジタル