若さはすばらしい。青春真っ盛りの時期は人生の頂点だ。生物学的にも、最も充実した活動期だ。
 昔、そういう若者を具現していたのは加山雄三氏扮する「若大将」だった。健康的に日焼けして、悩まず苦しまず、一点の曇りもなく明るく爽やかな青年が、のびのびとして夏の太陽のように輝き、眩しい存在だった。「幸せだなぁ」というセリフをこれほど自然に吐ける人物は他に考えられなかった。
 正反対の生活をしている若者もいた。わたしである。 
週刊文春デジタル