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敵のエースと1対1で対峙しても安心して見ていられる。槙野は苦い経験を糧に、金城鉄壁のディフェンダーに変貌を遂げた声を枯らして味方を鼓舞し、気迫溢れるプレーで観衆を熱狂させる。背番号5は圧倒的な存在感を放ち、ゴール前に仁王立つ。

[浦和レッズマガジン8月号掲載]

■冷静と情熱のあいだでただひとつの目標に邁進

 激闘を終えた後、槙野の声は大抵枯れている。ピッチ上で大声を発した代償である。また、身振り手振りで味方に想いを伝えることもある。試合中の槙野はどこまでも感情的で、主体的に振る舞う。

 しかし、その内面の熱さとは裏腹に、今季の槙野は結果を追い求め、勝ち点を積み上げる努力を怠らず、終始冷静さを保ってもいる。

 2ndステージ開幕のアウェー・松本山雅戦。相手のパワープレーに晒されて失点を許し1点差に迫られた試合終盤に、浦和は相手陣内でFKのチャンスを得た。それでも同点を目指す松本は前線に4人もの選手を残