大井昌和’sスタジオひまわりch ブログ
新書刊行計画、キャラクターが世界を回す
キャラクターとは何か。
自分はこのキャラクターというものがなかなかわからず、今でもだが手探りで進んでもがいている。
しかし一筋の光明をもらったのが、ある先生の言葉だ。
その先生に藁をもつかむ思いで「キャラクターとは何か?」と訪ねた時、その先生はうなずいたのち間髪こう答えた。
「佇まい」だと。
自分がデビューの時はキャラクターを作る際に、誕生日や好きなものなど細かく書き出すようなアドヴァイスも受けた。今でいうとデータベースのようなものだろう。
萌えを中心に押し出す漫画では「アニメ」「ゲーム」というものをデータベースにキャラクターを召喚するという手法もあるだろう。これはむしろ読者との共犯意識などを呼び起こすのだろう。
自分が一度少年誌で仕事をしようとした時は(残念ながらぽしゃったが)「少年漫画らしい主人公」を望まれた。これもある種データ主義だ。
自分はこんな文章を書くくらいだから当然、理論や実証性、データを重視して書くタイプだと自分では思っている。
しかしこれまでの経験上、キャラクターは、少なくともキャラクターだけはデータ主義のように作るのは不可能だということだ。
こんなキャラクターが受けているからこんなキャラクターを作ればそこそこの成績を狙える、というのは一見正しい。
だがしかし、そんなキャラクターで作られた作品はおそらくいい成績を残すことはない。
「目は口ほどに物を言う」、というが、「手は口より正直」なのだ。
自分が産んでいないキャラクターは魅力的に描けない。いやむしろ自分が産んでいないと魅力を知らないと言っていい。
魅力を知らなければ、魅力的に描けないのは自明だ。
ここでいう魅力とは何かといえば冒頭である先生からいただいた「佇まい」という言葉だ。
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