最近の放送では、英エコノミスト誌が掲載した
SEALDsのデモの様子をレポートした記事や、
日本で話題の(かなり下世話な)「婚活本」について紹介しました。
「シールズと婚活本?!」
といぶかしがる方もいらっしゃると思いますが(苦笑)、
私の中ではこの2つのトピックの間に、ある共通項があると感じておりまして、
だからこそ放送で取り上げたのです。
ではその共通項とは何かというと、それはずばり「戦略」です。
「いや、戦略と言われてサッパリ・・・」
という方も多いと思いますが、その答えを確信の部分を言いますと、
「戦略では相手の存在が重要」
ということです。
「なんだ、また当たり前のことを・・・」
と感じるかたもいらっしゃると思いますが、実はこの世の中で戦略を考えるときに、
真面目に自分の「相手」のことを計算に入れて考えられる人の数は少ないのです。
たとえばSEALDsですが、彼らの目的がもし
「日本が戦争をするのを阻止すること」にあるとすれば、
その「相手」は日本と戦争をする相手、つまり現在の国際環境においては、
北朝鮮か中国ということになるでしょう。
つまり彼らのデモすべき場所は、
「戦争の防止」という究極の目的を達成する意味においては、
首相官邸は国会前ではなく、
むしろ総連か中国大使館前であるということになります。
戦争というのは、いみじくもクラウゼヴィッツが
「レスリング」や「決闘」に似ていると言ったように、
相手があってはじめて成立するものです。
そういう意味では官邸前でデモするのは一理あるのかもしれませんが、
それはあくまでも半分の話。
もう半分は、日本が戦争をするであろう相手である、
北朝鮮や中国を考慮したものでなければ意味はないのです。
同じことは私が特集コーナーで紹介した
『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』にも言えます。
この本の素晴らしいところは、
婚活の目的を「男との結婚の成立」に冷酷に定めており、
その目的の実現のために、結婚相手となる「男」
についてのリサーチをせよと提唱していることです。
とかく一般的な婚活本は、
「綺麗になる」とか「資格の勉強をする」のような、
どちらかといえば自分のことだけに集中した形で
アドバイスをするものが多いようですが、この本ではあくまでも冷静に、
「男の性質を研究せよ」
とアドバイスしており、その性質に合わせた自分の対策をせよ
と提案しております。
つまり婚活も自分ではなく、戦略的に相手を研究し、
それに合わせて自分を変えていくことが大切だというのです。
ということで、シールズ問題も婚活本も、
その底は「戦略」の考え方を浮き彫りにしてくれる
という点で共通しています。
戦略には「相手」がいます。
われわれはその「相手」の研究とその対策を怠ってしまえば、
必ず失敗してしまうのです。
コメント
コメントを書く傾向と対策。
なんにでも通じる基本なんですよねぇ。