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『Innocent Eyes』 21〜「 レコーディング」という幸福な時間について (3)
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『Innocent Eyes』 21〜「 レコーディング」という幸福な時間について (3)

2018-04-30 14:30

    前回 書いたように、1984年頃、新人ミュージシャンだった21才の僕の『入魂のレコーディング作業』(=ピアノやエレキピアノのレコーディング)は、レコーディングディレクターの「ん?ああ、今のテイク、最高よ。充分、充分。オーケーよ。次、行こう!」という、軽い一言で、すぐに終了になることばかりだった。

    何しろ、そんな会話の時ですら、ディレクターの目はさりげなく時計を見ていたのだ。

    そんな風に、とにかく時間がすべて・・・という方針で、例え僕自身がアレンジを手がけた曲でさえ、「あと一回だけレコーディングしたい・・・! 」という僕の希望は、簡単に打ち砕かれた。

    そういったレコーディング現場を踏んでいるうちに僕は、いつか自分がレコーディングの現場を仕切る機会が来たら、時間を気にせず音楽的なクオリティだけを追求するレコーディングを実現してやろう!!という強い想いを、心に刻みつけるようになった。




    それから5年後の1989年。

    新人ディレクターながら、アーティストプロデュースを責任持って遂行する立場となっていた僕は、いよいよレコーディングディレクターとして初めてのレコーディング現場をスタートしようとしていた。

    手がけるアーティストは、そのうちに間違いなく「日本一のバンド」となることを僕が確信している、Xだ。
     
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