ヒデちゃん、僕、最近はね、I.N.A.ちゃんとよく会うよ。
I.N.A.ちゃんがやっている電脳音楽塾でね。
この前も二人でお酒をたくさん飲んで、懐かしい話をたくさんした。
お酒といえば、僕はヒデちゃんと初めて二人だけで飲んだ時のことを思い出すよ。
あれは確か「BLUE BLOOD」レコーディングの前、冬の始まりだったよね。
ヒデちゃんからの電話を受けて、すぐにヒデちゃんの家へ向かうためにSony Musicのビルを出たら、外はだいぶ寒かったんだ。
あの日ヒデちゃんが、音楽のことでもバンドのことでもなくてね、一人の人間として・・・
悲しいことがあって、どうして良いのかわからなくなったから話を聞いて欲しい、って、僕を呼んでくれた。本当に嬉しかったよ。
僕は、一人の男として、全力でヒデちゃんの話を聞いて、理解して、僕にできる限りのことをしてあげよう、と心に決めて向かったんだ。
だからね、ドアを開けて泣きじゃくっているヒデちゃんのそばに駆け寄って、横に座った時にね、なぜだか僕はとても安心したんだ。
いくらでも話を聞いてあげよう。
何から何まで聞いて、ヒデちゃんの気持ちが落ち着くまで、ずっとそばにいてあげよう、
そうすれば、絶対大丈夫だから。
そう思ったからね。
不思議だな。
僕は、ヒデちゃんが悲しくなってしまった出来事を、ただただ聞くだけ。
でも、僕が全く知らなかった出来事の断片を、ヒデちゃんが泣きながらひとつひとつ話してくれるたびに、ヒデちゃん少しずつ落ち着いていくのがわかったんだ。
確かに悲しいけれど、その話は誰かが誰かを傷つけた話ではなかったもんね。
でも、確実にヒデちゃんは悲しかった。
孤独になってしまったから。
でも、悲しみの元が孤独だからね。
ヒデちゃんが何もかも話してくれることで、
その悲しみを生み出した原因を、
同じように理解して共有していくことで、
ヒデちゃんは話しているうちに、孤独ではなくなっていったんだよね、きっと。
僕がいるから。
絶対ヒデちゃんの味方である僕がいるから。
僕がすっかりヒデちゃんの悲しみを生んでしまった出来事を理解して共有すると、ごく自然に外へ出てお酒を飲みに行くことになったよね。
近くの居酒屋に行って二人で乾杯をしたら、悲しいことは『過去』になっていたね。
その後も、たくさん飲みながら、話したね。
そしてたくさん笑ったね。
音楽の話やバンドの話をして、いつの間にか二人は『未来』に向かっていたね。
『未来』を信じていたから・・・
あれからすぐ後、
ヒデちゃんはヒーローへの階段を歩き始めたんだ。
ヒデちゃん、僕、この前のお台場のイベント、観に行った。
大型ビジョンに映る「MISERY」を歌うヒデちゃんの顔が、どこまでも広がる青い空のように、本当に広くて大きい愛に溢れていてね、僕は涙が止まらなかったよ。
僕、真由子ちゃんとは何度も一緒に遊んで、最期まで一緒だったから、ヒデちゃんの笑顔はとても心に沁みた。
でも、本当に嬉しいんだ。
会場のあれだけたくさんのファンが心からヒデちゃんを愛して、ヒデちゃんに愛されているのが、よくわかるから。
ね。
孤独じゃないもんね。
素敵なことだね。
ヒデちゃんにいつもありがとう、って言うけどね、僕。
それはたくさんの人たちの心を救っているからなんだよね。
今も。
きっと今の今だって、救っているよ。
ヒデちゃんの記憶と、ヒデちゃんの音楽が『永遠』だから。
ヒデちゃんが『永遠』になったから、
孤独はなくなっていくんだ。
そして『未来』が見えてくるんだ。
あの日の居酒屋のようにね。
だから、またいつものように心を込めて、伝えるね。
ヒデちゃん、ありがとう。
たくさんの人たちの心に、光をありがとう。
たくさんの人たちの孤独を救ってくれて、ありがとう。
『未来』をありがとう。
そして『永遠』をありがとう。
ヒデちゃん、本当にありがとう。
2018年5月2日
津田直士
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【 津田直士プロフィール 】音楽プロデューサー/作曲家
Sony Music在籍時に「BLUE BLOOD」「Jealousy」「ART OF LIFE」
のCo ProducerとしてX JAPAN(当時はX)をプロデュース
インディーズ時代から東京ドーム公演までをメンバーと共に駆け抜けた記憶
の一部は、映画『WE ARE X』の中、インタビューという形で語られている。
また、自署「すべての始まり」にはその記憶のすべてが描かれている。
「すべての始まり」特設サイト
https://www.innocenteyes.tokyo/
コメント
コメントを書く津田さん、こんにちは!
こんな事を言って笑われてしまうかもしれないけど、僕らが知らない日常のhideを守ってくれてありがとう。
例えが適切では無いかもしれませんが、、、質量を持つ物質同士の間には引力が生じ、その物質の不変である質量が大きいほど引力つまり重力は大きくなる。
津田さんとhideは音楽という媒体で引力が生じて、お二人の人間性つまり不変の大きな個性がとてつもなく大きな重力となって更に大きな愛や個性、音楽へと繋がっていたのかなぁと思いました。
本来なら相反する「奇跡」と「必然」が出会い融合すると「愛」になる。
津田さんとhideお二人が持つ優しさが《MISERY》へとなっていったのだと思います。
勿論、僕はお二人の全ては判りませんが、hideの音楽とZeppでの津田さんの笑顔と強く温かい掌の感触は僕の心にも奇跡として確実に存在しています。
音楽は素晴らしい!
津田さん、ありがとう!