1. 『X JAPANとYOSHIKIの輝く未来』は・・・


 前回まで、4回にわたって『X JAPANの今』を描いてきた。


 まず最初に、TOSHIの今。

 洗脳から抜け出したTOSHIは、過去15年という長い年月が、ある意味大きな間違いであったことをメディアに公表した。

 理不尽な仕打ちにあい、人生の一部を騙されて過ごした日々は、あまりにも無惨だ。

 しかし、その苦しく、明らかに過ちであったであろう長い15年すら、ちゃんと戻ってきたTOSHI本人とX JAPANの未来にとって、決して無意味ではなかったこと。その理由がX JAPANというバンドはすべてが本気、つまり真剣勝負であり、何よりもX JAPANとはメンバーの人生そのものであるから、という真実を書いた。
 
 次にYOSHIKIの今。

 過去にも見たことのない程レベルの高いドラムプレイと、それを実現させた驚異的な身体能力。

 その結果可能となった、速いドラムプレイをライブの中心に据え、立て続けにパフォーマンスを披露する、というライブのスタイル。

 それらを実現させた精神力の強さが、YOSHIKIの深い『音楽への想い』から生まれていること。

 そしてYOSHIKIが人生を傾けてきた『音楽への想い』が花を咲かせた結果、世界レベルのコンサートを実現できたこと、その喜びが、かつて見たことのないYOSHIKIの輝く笑顔となって、見守るファンの心を打ったこと・・・ そういった真実を書いた。


 そして X JAPANの今。

 まずはそれが「生きた映画」である、という事実。 

 X JAPANというバンドが、27年という長い月日の中で、誤解や偏見をはね除けて前進し続け、見事に東京ドームとアルバム100万枚という成功を収め、しかしやがてその途中でその歩みを止め、さらに、恐ろしく悲しい出来事に遭遇し、未来をなくしてしまったこと。それから10年近くの後、再び歩み始めたバンドが、またもや辛い出来事に遭遇しながらも、ファンの力を借りながら前進を続け、新たなビジョンを世界トップレベルの理解者と共に描き、完全復活したバンドのエネルギーを世界中のファンに向けて伝え、新しいX JAPANの姿を世界の中心で見せてくれたこと。
 
 その、X JAPANというバンドの「生きた映画」を、YOSHIKIの横顔を通してずっと見つめ続けてきた僕の、心の中に大切にしまってあったシーンをいくつか。

 そしてそのシーンから見えてくる、YOSHIKIの孤独で切実な想いの果てに、MSG公演を観ていた僕を突然襲った、『YOSHIKI自身がXになっている』という驚愕の真実。

  
 こうやって書いてきた『X JAPANの今』によって、もうはっきりと『X JAPANの輝く未来』が見えてきた、と僕は思う。

 それは同時に、もはやXそのものと化した『YOSHIKIの輝く未来』でもある。
 
 
 
 では今、『X JAPANの今』を理解することで『X JAPANとYOSHIKIの輝く未来』が見えてくるのは、何故なのか・・・。

 これから、その理由をていねいにお伝えしていきたいと思う。