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【今週の映画】
ライアン・ジョンソン監督 『LOOPER/ルーパー』
「BRICK ブリック」のライアン・ジョンソン監督とジョセフ・ゴードン=レビットが再タッグを組んだSFアクション。ブルース・ウィリスとゴードン=レビットの主演で、30年後からやってきた未来の自分と対じする暗殺者の姿を描く。タイムマシンの開発が実現するも、法律で使用が禁じられている近未来。法を恐れぬ犯罪組織が、消したい標的をタイムマシンで30年前に送り込み、そこにいる「ルーパー」と呼ばれる暗殺者に標的を殺させていた。凄腕ルーパーのジョーはある日、いつものようにターゲットの抹殺指令を受けるが、未来から送られてきた標的は30年後の自分自身だった。
監督/ライアン・ジョンソン 製作/ラム・バーグマン、ジェームズ・D・スターン
製作総指揮/ダグラス・E・ハンセン/ジュリー・ゴールドスタイン
出演/ブルース・ウィリス、ジョセフ・ゴードン=レビット、エミリー・ブラント、ポール・ダノ、ノア・セガン
☆☆☆☆☆ ミニマムな「物語の快楽」に集中したSF
☆☆
【森直人:7点】
映像的には地味かもしれないが、「物語の快楽」に集中したハリウッドSFとしてなかなかの秀作。ブルース・ウィリスの召喚は、メビウスの輪状の作劇を持つタイムトラベル・サスペンスとして『12モンキーズ』のアップデートを目指したからか。ジョセフ・ゴードン=レヴィッドつながりだと『インセプション』のファンも手堅く楽しめるだろう。監督のライアン・ジョンソンは学園スリラーの知られざる佳作『BRICK ブリック』でデビューした俊英だが、自分のミニマムな資質を見失わず巧く大仕事をこなしたのではないか。
☆☆☆☆☆ 初期C・ノーラン級!
☆☆☆
【松谷創一郎:8点】
派手さはあまりないが、練りこんだプロットで圧勝しているSF映画。全体的にバランスの悪さは感じるが、オリジナルでここまでやれれば素晴らしい。荒削りな点もチャームポイントとなっている。過去2作を経て、SFとしては低予算のこの作品を全米で大ヒットに結びつけたライアン・ジョンソンの手腕は、『メメント』の頃のクリストファー・ノーランを思い出させる。次作、おそらくメジャーでどのような勝負をするか、非常に楽しみだ。
☆☆☆☆☆ B級SFの傑作では?
☆
【那須千里:6点】
シャマラン級のトンデモSFとして楽しんだ。シリアス風に見せているがツッコミどころは満載。ブルース・ウィリスと似せるために特殊メイクを施したジョゼフ・ゴードン=レヴィットは眉毛が不自然すぎる形になっていて逆に意識してしまう。ドラマ的にも現在と未来の自分はほとんど別人であり、一瞬でも二人が心を通わせることはない。そこまでして似せる必要があったのか最後まで疑問が残ったが、それも含めてB級の傑作だと思う。
▼公開中!『LOOPER/ルーパー』公式サイト
http://looper.gaga.ne.jp/
▼執筆者プロフィール
森直人
1971年生まれ。映画評論家、ライター。
著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)など。
http://morinao.blog.so-net.ne.jp
松谷創一郎
1974年生まれ。ライター、リサーチャー。
著書に『ギャルと不思議ちゃん論 女の子たちの三十年戦争』(原書房)など。
http://d.hatena.ne.jp/TRiCKFiSH
https://twitter.com/TRiCKPuSH
那須千里
映画文筆業。
「クイック・ジャパン」(太田出版)、「キネマ旬報」等の雑誌にて執筆。
ライアン・ジョンソン監督 『LOOPER/ルーパー』
「BRICK ブリック」のライアン・ジョンソン監督とジョセフ・ゴードン=レビットが再タッグを組んだSFアクション。ブルース・ウィリスとゴードン=レビットの主演で、30年後からやってきた未来の自分と対じする暗殺者の姿を描く。タイムマシンの開発が実現するも、法律で使用が禁じられている近未来。法を恐れぬ犯罪組織が、消したい標的をタイムマシンで30年前に送り込み、そこにいる「ルーパー」と呼ばれる暗殺者に標的を殺させていた。凄腕ルーパーのジョーはある日、いつものようにターゲットの抹殺指令を受けるが、未来から送られてきた標的は30年後の自分自身だった。
監督/ライアン・ジョンソン 製作/ラム・バーグマン、ジェームズ・D・スターン
製作総指揮/ダグラス・E・ハンセン/ジュリー・ゴールドスタイン
出演/ブルース・ウィリス、ジョセフ・ゴードン=レビット、エミリー・ブラント、ポール・ダノ、ノア・セガン
☆☆☆☆☆ ミニマムな「物語の快楽」に集中したSF
☆☆
【森直人:7点】
映像的には地味かもしれないが、「物語の快楽」に集中したハリウッドSFとしてなかなかの秀作。ブルース・ウィリスの召喚は、メビウスの輪状の作劇を持つタイムトラベル・サスペンスとして『12モンキーズ』のアップデートを目指したからか。ジョセフ・ゴードン=レヴィッドつながりだと『インセプション』のファンも手堅く楽しめるだろう。監督のライアン・ジョンソンは学園スリラーの知られざる佳作『BRICK ブリック』でデビューした俊英だが、自分のミニマムな資質を見失わず巧く大仕事をこなしたのではないか。
☆☆☆☆☆ 初期C・ノーラン級!
☆☆☆
【松谷創一郎:8点】
派手さはあまりないが、練りこんだプロットで圧勝しているSF映画。全体的にバランスの悪さは感じるが、オリジナルでここまでやれれば素晴らしい。荒削りな点もチャームポイントとなっている。過去2作を経て、SFとしては低予算のこの作品を全米で大ヒットに結びつけたライアン・ジョンソンの手腕は、『メメント』の頃のクリストファー・ノーランを思い出させる。次作、おそらくメジャーでどのような勝負をするか、非常に楽しみだ。
☆☆☆☆☆ B級SFの傑作では?
☆
【那須千里:6点】
シャマラン級のトンデモSFとして楽しんだ。シリアス風に見せているがツッコミどころは満載。ブルース・ウィリスと似せるために特殊メイクを施したジョゼフ・ゴードン=レヴィットは眉毛が不自然すぎる形になっていて逆に意識してしまう。ドラマ的にも現在と未来の自分はほとんど別人であり、一瞬でも二人が心を通わせることはない。そこまでして似せる必要があったのか最後まで疑問が残ったが、それも含めてB級の傑作だと思う。
▼公開中!『LOOPER/ルーパー』公式サイト
http://looper.gaga.ne.jp/
▼執筆者プロフィール
森直人
1971年生まれ。映画評論家、ライター。
著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)など。
http://morinao.blog.so-net.ne.jp
松谷創一郎
1974年生まれ。ライター、リサーチャー。
著書に『ギャルと不思議ちゃん論 女の子たちの三十年戦争』(原書房)など。
http://d.hatena.ne.jp/TRiCKFiSH
https://twitter.com/TRiCKPuSH
那須千里
映画文筆業。
「クイック・ジャパン」(太田出版)、「キネマ旬報」等の雑誌にて執筆。
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