10月27日放送全文書き起こし!
PLANETS Mail Magazine
月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」10月27日放送全文書き起こし! ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.192 ☆
月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」
10月27日放送全文書き起こし!
10月27日放送全文書き起こし!
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2014.11.3 vol.192
大好評で放送がスタートした、宇野常寛がナビゲーターをつとめる J-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。 毎週月曜日は、前週分のオンエアの全文書き起こしをお届けします!
▲前回放送はこちらでもお聴きいただけます!
■オープニングトーク
宇野 時刻は、午後11時30分を回りました。皆さんこんばんは、評論家の宇野常寛です。結論からいうと、僕は裏切っていますね。完全に裏切っていますよ、かつての自分を。もうね、高校生のころの自分を本当に裏切っているなあ、と思いました。先週末に、神戸大学で特別公開授業のようなものがあって、出張に行ってきたんですよ。地方創世がテーマで、僕なりにこの先の日本で否応なく東京中心になっていくなかで、どうやって地方で面白いことをやっていったらいいのか、とか、いま地方に住んでいる若者はどう戦っていくべきかということをね、一生懸命しゃべってきたんですよ。僕もね、27歳くらいまでずっと地方で暮らしていて、「東京のやつらこの野郎〜」って思っていた人間だったんでね、一生懸命話してきたんですよ。
なんだかんだいって、東京オリンピックは、どれだけきれいごとを並べても「これから日本は東京中心でいきます」っていう宣言なんですよね。それから、インターネットというものは本来、地理をキャンセルして何か面白いことをやるための道具だったはずなのに、今のネットサービスってわりと逆をいっちゃっているんですよね。「食べログ」とかもそうだし、「Ingress」みたいな位置情報ゲームとかもそうですけど、もうね、現代の、現実の人間関係を豊かにするためのインターネット、ソーシャルメディア以降のインターネットは、人口が集中している大都市じゃないとあんまり威力を発揮しないんですよね。例えば、食べログって、レビューの絶対数が少なくて、地方じゃあんまり役にたたないですよね。レビューが50個や100個あるからこそ、平均点の意味があるわけで、3人くらいがレビューをして星3つ、とかじゃ意味ないじゃないですか。そういう感じで、いまのインターネットってとにかく大都市に有利で、人がたくさんいるところじゃないと意味がないんですよ。人間の日常のコミュニケーションとか社交を乱数として取り入れることで、どんどん面白いものを生んでいったりとか、便利なデータを出していくっていうのがいまのインターネットなので。そういうことを考えると、いまの地方って本当に辛いんですよね。だから、そんな世の中で反撃の手がかりはどこにあるのかということを、僕なりに自分の経験をもとに話してきたんですよ。京都の普通の会社員だった僕がどうやって東京に出てきたかという話を一生懸命してきたんです。
講演はすごく手応えがあって、会場の雰囲気もけっこう熱かったんですよ。でも、どうしても自分の中で引っかかるところがあったんですよね。というのも、終わった後に僕に話しかけてきてくれる学生さんたちがみんな意識が高くて、みんなキラキラしているんですよ。「公共政策を学んでいます!」とか、「都市開発の勉強をしています!」みたいな。「宇野さんの本を読んで、感激してここに来ました」とか言ってくれるんです。物書き冥利に尽きるなって思って、すっごく嬉しいんですけど、僕自分が学生の頃に、こういうふうに何事にも前向きで未来に希望を持っていて自分が人生の主役だと信じて疑わないやつって、僕大嫌いだったんですよね。目がキラキラしているぶん、薄っぺらいやつがどうしても多くて。その意味では、当時17歳とか18歳のころの僕はこういうイベントの存在自体を許さないと思うんですよ。東京から評論家がやってきて、「今だからできる地方の未来を考えよう」とか絶対許さないと思うんですよね。だから僕は当時の自分を完全に裏切っていると思うんです。
とはいえ、こうやって僕の仕事に影響を受けて、新しいことやろうとかこれから頑張ろうと思っている学生さんが目の前にいたら、もう何が何でもこいつの味方になるしかないじゃないですか。人として。職業人として。だからね、かりに一万人こういう目がキラキラしているやつがいたら、その中でひとりでも薄っぺらくない本物を出すことができたら、かつての僕は許してくれるんじゃないかなとかね、そんなことを考えながら神戸を後にしましたね。
はい、ということで、この番組も一万分の一の可能性というか奇跡に賭けて、J-WAVE「THE HANGOUT」今夜もスタートしたいと思います。
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宇野 J-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」。改めましてこんばんは、月曜担当ナビゲーターの宇野常寛です。でも、ぶっちゃけて言っちゃうと、目がキラキラしたやつが薄っぺらいっていう世の中は間違っているんですよ。だって「意識の高いやつ」というのが悪口になっているのは、社会のほうがネジが曲がっちゃっている証拠だと思うんですよね。ちゃんと考えているやつの目が死んだ魚みたいになっている世界って、間違っているじゃないですか。だから僕は単純にこれを逆にしていきたいですね。ちゃんと考えているやつの目がキラキラしている世の中に近づけないとダメだなって、ベタに思ったりもしました。
はい、この番組はですね、夜更かし族の皆さんの溜まり場です。ツッコミや質問も大歓迎です。皆さんの積極的な番組参加の方を超絶お待ちしております。ハッシュタグは#hang813です。メールのほうはこの番組のホームページのメッセージボタンから送ってください。番組ホームページではYouTube Liveでこのスタジオの様子を同時生配信中です。そしてですね、毎週月曜日は番組終了後にニコニコ生放送PLANETSチャンネルで延長戦をやります。これは僕の事務所が開いているニコニコ生放送のチャンネルです。番組内で語りきれなかったことや読みそびれたメールなど、さらにディープに掘り下げていきます。延長戦のURLは「THE HANGOUT」の番組ホームページにリンクしてあるのでチェックよろしくお願いいたします。
というわけで、宇野常寛がナビゲートいたします、J-WAVE「THE HANGOUT」今夜の一曲目は、せっかくなので港町の神戸にちなんだ一曲にしたいと思います。神戸らしい、さわやかでおしゃれな一曲にしようかなと思うんですよ。港町・神戸っていう感じのね。それで、だいぶ悩みました僕は。こんなナンバーがいいんじゃないのかなとか、昔読んだ本をパラパラめくりながら考えたんですが、ここはですね、神戸の生んだ国民的な大作家・横山光輝さんの作品から選びました。アニメ『六神合体ゴッドマーズ』のオープニングテーマ、樋浦一帆で「宇宙の王者!ゴッドマーズ」。
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宇野 港町・神戸にぴったりのさわやかな一曲でしたね。お送りしたのはアニメ『六神合体ゴッドマーズ』のオープニングテーマ、樋浦一帆で「宇宙の王者!ゴッドマーズ」でした。Twitter反響ありましたね。これはTwitterネーム、宇宙かくれ超人Ⅱ世さん。
「ガイヤー、スフィンクス、タイタン、ウラヌス、シン、ラー」
これ、なんの固有名詞かわかります? これ六神ですよ。六つの神ですね。六体のロボットが合体して六神合体ゴッドマーズになるっていうね。僕、子どもの頃ロボット持っていましたね。主人公の超能力少年がピンチに陥ると、世界中に散らばっている六体のロボットが飛んできて合体するんですよ。それがガイヤーとかスフィンクスとかウラヌスとかタイタンなんですよね。でね、普段はエジプトの石像とか、モアイ像とか、アンコールワットの遺跡とか、世界遺産を踏みにじる感じで隠れているんですよ。で、合体すると、当時の作画技術ではあんまり動かせなかったというか、玩具メーカーのデザインしたものが線が多すぎてあんまりアニメーションに向いていなかったらしくて、合体するとすぐ必殺技を出して敵をあっさり倒すっていうことで、そのせいですっごく強いっていう印象を視聴者に与えたロボットなんですよね(笑)。けっこう有名な話なんですけどね。
これ、ぜひクリストファー・ノーランに実写化してほしいですね。同じ横山光輝ものでも、『鉄人28号』を実写化してもそこまでダイナミックな絵にはならないと思うんですよ。実際に神戸に変なオブジェありますしね。でもね、この『六神合体ゴッドマーズ』を実写化したら、もうSFXとかCGとかああいったものを駆使して、ピラミッドとかブワーっと崩れていって、そこからスフィンクスがゴォーって出てくるとか、モアイ像が崩れてそこからラーが出てくるとか。モアイ像に入っていたのってタイタンだったかラーだったか忘れましたけど。とにかくロボットが出てくるところとか、すごいダイナミックな映像になると思うんですよね。だからもしこのラジオをハリウッドのプロデューサーが聴いていたら、ぜひとも横山光輝先生のゴッドマーズを実写化してほしいですね。これってかなりアニメのオリジナル企画色が強くて、原作の『マーズ』っていう横山さんの漫画は全然違う話なんですけどね。
■フリートーク
改めましてこんばんは。J-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」月曜担当の宇野常寛です。冒頭から『六神合体ゴッドマーズ』について熱く語っちゃいましたが軽くメールいきましょう。これはですね、ラジオネーム、しょうまこさん。
「宇野さんこんばんは。もうすぐハロウィンですね。この時期は街がハロウィンの雰囲気になります。でも考えてみれば、10年くらい前のこの時期と比較すると今ほどハロウィンで盛り上がった記憶がありません。これも日本の文化が変わってきたということなんですかね。ところで宇野さんはハロウィンの思い出はありますか? 」
ないですね。
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