本稿は中園宏幸・長谷部弘道「歴史を資源として使う工夫:パナソニックの歴代奢侈に見る公共性の獲得過程」『組織科学』の中川なりのまとめと解釈です。

パナソニックという会社は初代社長の松下幸之助が偉大であったが故に、会社の発展方向性は良い意味でも、悪い意味でも、松下幸之助の言説に縛られる部分がある。それを時代に合わせた戦略的資産にしていくうえでは、時代の要請に合わせた解釈変更が行われていたことを論じている。

2000年代に入り、中村邦夫が登場してからの組織改革の中では、大胆な再解釈の中で変わらなければならない理由として創業者の残した言葉が使われ、
2010年代以降、この会社がより社会性・公共性を帯びた存在として存続していくために、創業者の言説や過去の歴史のうちから、とりわけ公共的側面が強調されるように再構築が行われいる。

これは、文脈は違えども、ドンゼ(阪大教授・時計産業の歴史家)が明らかにした、ラグジ