日本における国際経営論の研究テーマとして「アジア企業との競争」あるいは「なぜアジア企業に後れをとったのか」というものがある。負けるはずもない、圧倒的優位と思われていた日本企業が、わずかに数年であっという間に逆転されていく。
ほんの少し前までは、これを従来型の競争戦略論を用いて「コスト」や「差別化」などの観点で説明をしていた。中国企業よりコストでどうとか、日本企業は技術での差別化の方向性が間違っていたのだ、とか。
だが、近年は論調がちょっと変わったらしい。従来理論で読み解こうとすることが、誤りであったのだ、と。
コスト競争力や技術・ブランド等での差別化は、比較的穏やかな競争環境下で、事業環境が激変するということなど想定せずに、じっくり時間をかけて行っていく能力構築の競争である。
だが、現代の競争は、激変する環境下で、優位の源泉すら変わっていく中での、スピードある意思決定と対応力、仕掛けによる揺さぶりなどを特徴とするものになっている。
まさに、ゲームチェンジである。
この変化に対応できなかったのではないか、というのが、最近の論調なのだ。
この現実社会の動きに呼応するように、アカデミアの世界での競争戦略論の論点も、静態的な「持続可能優位性のための、能力構築の理論」から、動態的な「一時的優位を連続的に作り続ける、スピードと柔軟性の理論」へと変化しようとしている。
大変に、重要な転換だと思う。
実務家の皆さんにおいては、変転する競争環境を念頭に、朝令暮改を辞さず、状況に即応して、その場その場で優位を築けるような意思決定を連続的に行っていく必要があるし(恐るべきことにそれが経営業績につながることは、データアナリティクス系の研究成果で実証されている)、
アカデミアにおいては、そうした変転の早い競争環境を「イノベーションの実現」だのといった言葉でぼかさないで、状況を克明にとらえ、必要なことを論じるための理論整備が急がれるはずである。
ほんの少し前までは、これを従来型の競争戦略論を用いて「コスト」や「差別化」などの観点で説明をしていた。中国企業よりコストでどうとか、日本企業は技術での差別化の方向性が間違っていたのだ、とか。
だが、近年は論調がちょっと変わったらしい。従来理論で読み解こうとすることが、誤りであったのだ、と。
コスト競争力や技術・ブランド等での差別化は、比較的穏やかな競争環境下で、事業環境が激変するということなど想定せずに、じっくり時間をかけて行っていく能力構築の競争である。
だが、現代の競争は、激変する環境下で、優位の源泉すら変わっていく中での、スピードある意思決定と対応力、仕掛けによる揺さぶりなどを特徴とするものになっている。
まさに、ゲームチェンジである。
この変化に対応できなかったのではないか、というのが、最近の論調なのだ。
この現実社会の動きに呼応するように、アカデミアの世界での競争戦略論の論点も、静態的な「持続可能優位性のための、能力構築の理論」から、動態的な「一時的優位を連続的に作り続ける、スピードと柔軟性の理論」へと変化しようとしている。
大変に、重要な転換だと思う。
実務家の皆さんにおいては、変転する競争環境を念頭に、朝令暮改を辞さず、状況に即応して、その場その場で優位を築けるような意思決定を連続的に行っていく必要があるし(恐るべきことにそれが経営業績につながることは、データアナリティクス系の研究成果で実証されている)、
アカデミアにおいては、そうした変転の早い競争環境を「イノベーションの実現」だのといった言葉でぼかさないで、状況を克明にとらえ、必要なことを論じるための理論整備が急がれるはずである。