昨日の朝日新聞の社説を褒めておきたい。
「退位の論点」として「結論への誘導が過ぎる」という
見出しで載っていた。 

天皇退位をめぐる政府の有識者会議の論点発表が
あまりに無茶苦茶で、「結論ありき」だということは誰もが
知る事実になった。

「一代限り」は退位の要件や基準を示さないので、国会の
多数を占める与党の意向で、強制退位させることもできる。 

例えば、保守論壇の中で一時「廃太子論」が出たことがある。
皇太子殿下を追い払って秋篠宮殿下を次の天皇にしよう
という主張だ。
この主張はまた復活することはあり得る。
皇位を秋篠宮に譲れば、悠仁さまを皇太子にすることが
できるからだ。
これは男系原理主義者にとっては魅力的な策謀だろう。 

「一代限りの特例法」は、将来の政権与党が恣意的な判断で、
天皇を退位させることを可能にする。
実に危険な前例を作ることになる。 

ところが根本的に無知な有識者会議では、「一般的な要件を
定めると、時の政権の恣意的な判断が、その要件に基づく
ものであると正当化する根拠に使われる」と真逆な見解を
出している。 

これに対して朝日新聞はこう言う。
「ルールがあると権力の勝手を許すという主張で、理解に
苦しむ。
この論法に従えば、世の中に法律や規則は
ないほうがいいという
話にもなりかねない」
笑ってしまうが、その通りである。 

天皇の自由意思で退位が行われるのを防ぐ策として
「皇室会議」の議決を要件の一つとするのは全く有効なのに、
無知な有識者会議の論点整理では、「三権分立の原則に
かんがみ不適当」
と一蹴しているのだ。

これに対して朝日新聞は「皇室会議は皇位継承順位や皇族の
結婚、
身分の離脱、摂政の設置などを審議する機関だ。」
「退位に関する手続きににかかわることが、なぜ三権分立を
侵す
のか。皇室会議の議によって決める事項と天皇の退位とは、
本質において、どこが、どう違うのか、詳しい説明はない」
と書いている。
全くその通りだ。 

「一代限りの特例法」という結論に導くためには、このような
ペテンだらけの論理を用いるしかあるまい。
朝日新聞に論破される「保守」って一体何なのだ?
安倍政権も、自称保守論壇も、ネトウヨも、オール似非!
保守とは似て非なるものだったということだ。

 

 

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