牛乳石鹸のCMは男の沽券が消滅していく時代に戸惑って、もう父のようには生きることが出来ない寂しさに耐える男を描いているのだから、目くじら立てるようなCMではない。
洗い流すのは男の沽券であり、それは時代に適応しようという決意だろう。

男の沽券に同情的な女性もいれば、そんなもの要らんという女性もいるわけで、そんなもの要らんという女性の中にも、高倉健なら許せると思う人はいるはずだ。

ただし、中産階級で昭和のマッチョイズムに憧れながら、ゴミ出しする自分に幻滅を感じるような男が、個室に籠ればネット右翼として天皇の男系固執や、男尊女卑や、排外主義を煽っているのだから、わしはあのような男に同情はしない。

わしのように私生活で昭和的な生き方を貫く男に対して、彼らは嫉妬するしかないだろう。
そのわしが「保守のためのリベラル」を主張するようになって、一番ついてこれないのは、父殺しをしていない未熟な男たちだ。
時代の変化に踏ん切りがつかない中途半端な男たちが、わしを左翼化したと言いながら、自分の視界から消したがる。
勇気がない連中なのだ。

 

 

RSS情報:https://yoshinori-kobayashi.com/13864/