ゴーマニズム宣言「不都合な真実『慰安婦問題』真の敵はどこか?」
朝日新聞は8月5日・6日の2日にわたり、「慰安婦問題を考える」と題して見開き2面全面を使った大特集記事を掲載した。
特に5日の記事では『慰安婦問題どう伝えたか 読者の疑問に答えます』と題して、朝日新聞が今まで報じてきた慰安婦問題記事を検証している。
慰安婦を「奴隷狩り」のように強制連行したという吉田清治の証言を少なくとも16回記事にしたことについては「虚偽だと判断し、記事を取り消します。当時、虚偽の証言を見抜けませんでした」と全面撤回。
慰安婦が「女子挺身隊」の名で戦場に動員されたという表現については、女子挺身隊は「慰安婦とはまったく別」であり「誤用」だったと認めた。
最初に吉田証言を記事にしてから32年も経過した今になって、ようやく訂正記事を出したわけだが、その理由については同日1面の「慰安婦問題の本質 直視を」と題した記事で編集担当記者が「一部の論壇やネット上には、『慰安婦問題は朝日新聞の捏造だ』といういわれなき批判が起き」「読者の皆様からは『本当か』『なぜ反論しない』と問い合わせが寄せられるようになり」「読者への説明責任を果たすことが、未来に向けた新たな議論を始める一歩となると考えるから」と説明している。
要するに、自称保守論壇やネット右翼が騒いでいるだけならまだしも、朝日の読者からまで疑問の声が上るようになってしまったために、ついに放置しておくことができなくなったというわけだ。
検証記事は「当時は研究が進んでいなかったからやむを得なかった」「当時は他紙も似たような報道をしていた」という弁解を繰り返しており、往生際の悪い態度が目立つものの、相当の手間暇をかけて紙面を割いて自己検証したことについては、よくやったなあと感心したので、一応評価しておく。
ただし朝日は「慰安婦問題の本質 直視を」と言っておきながら、最も重要な本質から目をそむけている。
そもそも日韓間の戦前・戦中に関する補償問題は昭和40年(1965)の「日韓基本条約」において「完全かつ最終的に」解決していたのだ。
ところが朝日新聞が「完全かつ最終的に」解決していた外交問題を蒸し返し、火をつけ、未だ消火のできない大火事にしてしまった。それが慰安婦問題の本質であり、その罪は極めて重いという以外にないのだ。
しかも日韓基本条約の交渉は14年間にも及び、その間ありとあらゆる問題が検討されたにもかかわらず、慰安婦に関しては韓国側からも一切議題にすら上らなかったという事実は重要である。
慰安婦はいた。だがそれは「問題」ではなかったのだ。
朝日新聞が大々的に記事にするまでは、日韓間に「慰安婦問題」などというものは存在しなかった。「問題」でも何でもなかったものを「問題」に仕立て上げたのだから、「慰安婦問題は朝日新聞の捏造だ」というのは決して「いわれなき批判」ではないのである。
自称保守やネット右翼は、朝日新聞が自らの慰安婦問題記事の誤報を認めたことに大喜びしながらも、「明確な謝罪をしていない」だの「問題のすり替えと開き直りだ」だのと、さらに嵩にかかって朝日バッシングを強めている。
産経新聞は社説やら、朝日の検証記事を検証するとした記事やらで、さらに非難を強めている。
だが、他紙の誤報をそこまで責めるのなら、産経はイラク戦争開戦前後に「大量破壊兵器の危機」を煽り続け、誤報に次ぐ誤報を流し続けたことについて、いつ検証するのだろうか?
新聞が特定の主張をプロパガンダするばかりで、読者の客観的な視点を封じ、検証や謝罪をしないのは普通のことであり、自己検証をやった朝日の一片の誠実を産経に責める資格などない。
自民党の石破茂幹事長は朝日新聞の報道を国会審議でも検証する必要があるのではないかと発言、与野党からは関係者の国会招致を検討すべきという声も上っている。
また、安倍晋三首相も朝日の報道が日韓関係に悪影響を与えたと非難しているが、そんなことを言うのなら、さっさと河野談話を破棄すればいいではないか。
自称保守の者らは河野談話を「見直すべし」と言うが、見直したって意味はない。わしなら完全破棄するべしと言う。
ところが安倍首相は「河野談話を継承する」と言い続けているのだから、朝日新聞の現在の慰安婦問題に対する見解と一緒ではないか。
米国政府は7月に元慰安婦2名をホワイトハウスと国務省にそれぞれ招いて証言を聞き、9月には外交・安全保障担当者も同席した上で再び元慰安婦と面会する予定だという。
安倍首相が本気で慰安婦問題に疑問を持っていて、「性奴隷」ではないと信じているのなら、米国政府の元慰安婦との面会に厳重な抗議をするべきである。キャロライン・ケネディ駐日大使を官邸に呼びつけて、抗議するのが筋ではないか。
一方、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のピレイ人権高等弁務官も、慰安婦問題の解決を要求し、日本政府の態度を真っ向から批判している。
これにも安倍首相はまったく抗議しない。
コメント
コメントを書く呆れたね…。
「政治の世界は一寸先は闇というけど、実際は一寸先を見通せないだけ」と西部遭氏が言ってましたが、まさにそれですね!物事の本質を見通す目は本来、政治家にこそ必要なはずですが。
結局、政治家は自分の地位の安泰にしか興味はなくて、敵をつくることで「コアな支持層」固めに動く、しかも、その「敵」は叩いても安全(だと思ってる)。卑怯過ぎますね。
確かに慰安婦問題を捏造したのは朝日新聞だけど、「慰安婦が性奴隷」であることが国際的に認識されてしまったのは、安倍ちゃんのせいです。自民党も朝日新聞を見習って、「検証」をしてもらいたいものですね。
お盆にも関わらず、号外の配信ありがとうございました。
朝日新聞の検証記事は『朝日新聞デジタル』で読みました。内容は小林先生の仰るように今更通用しない苦しい言い訳でしたが、それでも原発推進や対米奴隷を一顧だにしない読売や産経に比べれば、はるかにマシですね。
近年の日本の奴隷っぷりは度が過ぎていて、ちっとも美しくありません。醜いだけならまだしも、将来世代に禍根を残すに違いない奴隷っぷりです。国際問題を国内問題に誤魔化して矮小化し、小さな自己満足のために根源的な問題を見て見ぬ振りをする、そんな政権や国会やテレビ・新聞・ネットなどの卑怯者は軽蔑されて当然ですよね。何だか、慰安婦問題も靖国問題も、むしろ海外の方がよく研究・理解している気がしてきました。
アメリカ人とて、負けると分かっていても命を惜しまず真剣に向かってくる勇敢な戦士には敬意を表するし、そうでない臆病者は軽蔑するのは当たり前ですよね。拙者も一人の戦士として、厳しい現実に対峙し生きていこうと身の引き締まる思いです。
堀部先生との対談『靖国神社と武士の魂』が、とにかく凄すぎて圧倒されています。小林先生の『保守も知らない靖国神社』の基礎知識に、堀部先生の刃物のように鋭い一言一言が相まって、靖国神社に祀られている神々への尊敬心が高まるとともに、自分の中の武士の魂が呼び起こされ、血が沸き立つようです!!
号外の配信お疲れ様です。
慰安婦問題は現在は韓国や中国だけではなく、米国やかつての旧連合国にとっても格好の対日の材料となっているのですね。そもそも、「南京大虐殺」を広めたアイリス・チャンの「ザ・レイプ・オブ・南京」も北米では高校の社会の授業において推薦図書に上がっていた時期があり、歴史の浅い北米にとって高校の歴史の授業で重要な位置を占める日本の支那大陸での戦争も日本の残虐な侵略行為として教えられています。さらには昭和天皇もヒトラーやムッソリーニと同じ、日本の独裁者として教えられます。
近年ではテレビを始めとする報道機関もネットの嫌韓活動に続く形で韓国や中国の反日教科書について取り上げていますが、米国を含む中韓以外の国が大東亜戦争をどのように教えているか一度でもいいから調べて取り上げてほしいと思います。恐らくは大東亜戦争を肯定している歴史教育はミャンマーなどごく一部の国を除いて親日的な国と考えられる国を含めてどこにも存在せず、大東亜戦争を含む、自国の歴史からなる國柄を護れるのは自国だけであることが歴史教育を調べればすぐにわかると思いますし、米国が慰安婦問題を対日外交として使っても冷静に対処できると思います。
結局、米国に対してなにも言えずに弱みを見せたとされる朝日新聞だけを叩く行為は自國を護るという気概もなければ諸外国に対してまったく自信が持てず、弱者を挫き、強者に媚び諂いことした頭にない人々が閣僚を含む日本の多数派なのだと思うと、心底、靖国神社の英霊や慰安婦を含む、日本と日本の国柄を守るために戦ってくださった御先祖様に対して本当に申し訳なく思います。
以前に八木秀次氏が「戦争論2」を本題にした「新しい歴史教科書をつくる会」のシンポジウムで「米国に追随する行為は国内問題で米国に文句を言うのは筋違い」というような発言をして小林師範に「ならば、従軍慰安婦問題も歴史教科書問題も全て国内問題だ」と一括されたのを今回のライジングを読んで思い出しました。現在の政府が米国の慰安婦問題についてまったく取り上げようとしないのも八木氏と同じく米国に追随する行為は国内問題であり、慰安婦問題も国内問題だから米国に抗議をする意志もないからなのだと思います。
自分の弱さを認識して見つめる勇気を持たない人が自分自身を強く見せかけ、相手の行為を嘲笑する傾向が極めて強く、私の周囲にも自分自身の弱さを認めたくないばかりに他人の行為や結果に対して嘲笑ばかりしている人を多く見られますが、いまの日本政府の慰安婦問題に対する取り組みを見ていると自国の弱さを認める勇気すらない、自信が持てない国であるからこそ、米国に対して何も言えない一方で朝日新聞を叩いているようにしか見られません。いざ、戦争における戦闘状態となると、この自分の弱さを認められずに他人の行為や結果に対して嘲笑ばかりしている人こそが戦闘状態になると自分の力を過信し、真っ先に敵弾などにあたって死んでしまうのだそうです。逆に自分の弱さをしっかり認識して行動できる人は戦い続けることが出来るのだと言われています。日本政府が朝日新聞を叩く行為は自分の弱さを認め切れずに強さに餓えているようにしか見えず、いざ、有事となった時に自国の力を過信して国を危機に追いやりかねるのではと今回のライジングを読んで思いました。
ライジング配信、お疲れさまです☆
お盆はやっぱり忙しいですね。。来客もあるし、お墓参りもしなきゃいけないし。今日からやっと少し時間ができました。。
慰安婦問題、私は朝日新聞及び吉田清治さんの責任は非常に重いと思いますが、もはやそんなことを問題にしている場合ではないのですよね。
欧米などでも「単なる慰安婦問題」を「性奴隷」と認識されてしまっている今日、自称保守派やお下品なネト○ヨの皆さまがキーキーわめいても、欧米などは一層不信感を募らせるだけです。しかも、「性奴隷」を定着させたのは、他ならぬ安倍ちゃん総理なのですから、実にバカバカしく腹立たしいです。
慰安婦問題を解決するには、日本政府が欧米(特にアメリカ)と戦う気概をもち、「慰安婦は戦時中は多くの国にいたこと」「日本が慰安婦を性奴隷化していないこと」をハッキリ主張し、彼らを納得させるしかありません。
が、日本は「河野談話」なんかを出してしまい、しかもそれを代々の政権が継承しているので、日本の英霊たちの名誉回復は現時点では難しいでしょう。
それにしても、安倍総理の〝恥知らず度〟には感心する。。英霊の皆さまに「慰安婦を性奴隷化した」という汚名を着せ、その上に彼らを犠牲者扱いし、「不戦の誓い」までするのですから。
この人のKYぶりには、周囲も「目がテン」でしょう。
とりあえず、安倍ちゃんには「日本は性奴隷国家」と諸外国に宣伝した責任をとってもらわないといけませんね。
まず、河野談話を「見直し」なんかではなく、「破棄撤回」してもらいましょう♪
「口だけマッチョ」でないのなら、できるはずだよね☆
ライジング号外配信ありがとうございます。
ようやく朝日新聞が自分たちの過ちを認めたことに感心しつつも
往生際悪く抗う姿勢ににプラスマイナス0かなと思いました。
でも、産経新聞や自称保守、ネット右翼の叩きぶりを見ると、
自分たちの自尊心を守りたいことも加わって、往生際が悪くなる
のも致し方ないようにも思えます。
それにしても朝日新聞が過ちを認めた途端に一斉に叩きだした
人達の言動は目に余ります。いい歳した大人たちが寄ってたかって
弱い者いじめをする様を子供たちが見たらどう思うでしょう。
こんなことではいくら弱い者いじめは良くないと訴えても
絶対になくなりません。
寧ろ、相手が強くても立ち向かう姿勢を見せないと日本は
いつまでたっても不名誉を着せられ続けたまま米国の奴隷で
いるしかないです。
号外ありがとうございます。
わかっていたことですが、こうやってわかりやすくまとめていただくと日本という国がますます中韓に近付いているなと感じます。
真実から目を背け、叩きやすいところを叩いてガス抜きを行う。
これにネトウヨ、ヘイトスピーチなどが加わればまさしく中韓そのものになりそうです。
そうなると最悪ですね。
朝日新聞の慰安婦問題訂正について聞いたときに「これって危なくないか?」と思いました。
今の世の中、右傾化というか偏狭な愛国と排外主義が蔓延っている中で、朝日や毎日には偏狭でもいいので左でいてもらったほうがいいと思っていました。
朝日新聞まで偏狭なナショナリズムに加担することになれば全体的なバランスが崩れてしまうのではないか?日本がより偏狭に右傾化してしまうのではないか?という心配があります。
どちらにしろ今のマスコミはまともな役割は担っていないと思うのでせめてバランスぐらいはとって欲しいと感じます。
号外発行ありがとうございます。
この記事を読んで私は猛烈に感動いたしました。なのにお盆休みでダラダラと過ごすうちにコメントが書き込めず、今さら再読して改めて感動しております。毎年夏になると戦争についての様々な番組・記事を目にしますが、相変わらずステレオタイプなものが多かった中、あるテレビ番組中の20代のコメンテーターの発言に、「おっ!」と思わせるようなコメントがありました。少しずつですがよしりん先生の影響を受けた世代が世の中で発言力をつけて来ているのだなと実感いたしました。しかし、パール判決文の言葉が実現する日はまだまだ遠いか。
号外配信をありがとうございます。
思ったことは・・・、昔、宋美麗。今、慰安婦。
米国で同情と共感を得た女性の行動が、日本を追い詰めていく有様に
隔靴掻痒の思いです。
如何に反撃をしていくか。粘り強く説明していくしかないのでしょうか。
その取組みはひたむきに続けていくとして。
政治が腰砕けにならないように監視していかないといけません。
その一方で朝日新聞の責任の追及をしていくのは、大切です。
慰安婦騒動拡散の一端を担い、日本国の尊厳を傷つけたのだから。
この落とし前をつけなくては、国外に対しても説明ができないでしょう。
米国への対応と火付け役への沙汰は並行して行うべきと思います。
号外ありがとうございます。
以前の私なら、「誤報」じゃなくて、「捏造」だろう!!ゴラァァ!!と喚いていたかもしれません・・・^^;
もう、朝日新聞に突っ込むのは、「弱いものいじめ」でしかないのですね・・・
そもそも、ここまで国際問題化した原因の一つは、自民党や安倍本人にあるのですから、何言ってやがんだ!!と言いたいところです。
アメリカと戦う覚悟か・・・
まずは、意識することからはじめなくてはいけませんね^^;
よしりんの慰安婦問題へのコメントに飢えてました
号外ありがとうございます!
「問われているのは、アメリカと戦う覚悟があるか否かなのだ!」
の結論も大納得。結局そこに行き着く。
産経や他紙に「おまえが言うな。同じ穴の狢だ」と突っ込みを入れるのは賛成。
ここぞとばかりに叩きまくる姿が浅ましく、ハシタなく、見ていて良い気持ちもしない。
ただ、それによって今回の朝日の検証や
朝日の過去の慰安婦関連報道への糾弾の手を緩めるのは賛成しない
「マスコミが誤報をし、長きに渡りそれを放置したら国民の怒りを買い他紙から糾弾され部数を落とす」
それが健全なメディア環境だと思う
誤報はそれぐらい大きな問題だと全メディアが肝に銘じ震えながら仕事して欲しい
それは今朝日を叩いてる産経や読売にも分け隔てなく飛んでくる恐怖のブーメランだ
マスコミ同士が忖度しあい
「ウチも突っ込まれるとマズいところが色々あるしな(笑)」
みたいな感じで手心を加えてヌルい批判をし合う方が最悪だ
日本のメディア環境にもっと緊張感を