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勝てば勝つほど人気が落ちる? 絶対王者デミトリアス・ジョンソンのこれから
Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは「勝てば勝つほど人気が落ちる? 絶対王者デミトリアス・ジョンソンのこれから」
日本時間4月16日(日)に開催されたUFCファイトナイト・カンザスシティのメインイベントでは、フライ級チャンピオン、“マイティマウス”デミトリアス・ジョンソンがウィルソン・ヘイスの挑戦を退け、これまでアンデウソン・シウバが持っていた記録に並ぶ、タイトル連続防衛記録10回のUFCレコードを達成した。
ジョンソンはヘイスを第3ラウンドの4分49秒、アームバーで下した。内容的にはほぼジョンソンの完封勝ちで、スピード、スタミナとも、挑戦者とは比べものにならなかった。ジョンソンはヘイスが繰り出した170発の打撃のうち、18発しか食らっていない(ヒット率10.6%)。逆にジョンソンは186発のうち108発をヒットさせている。チャンピオンのジャブで顔を腫らしたヘイスは、さんざん空気を殴りつけて疲れ果てたか、最後は自らの名人芸であるはずの関節技で黒星を喫したのである。ヘイスのタップアウト負けは、MMA戦歴29試合目にして初めてのことだった。
試合直後の勝利者インタビューでジョンソンは、「ジョルジュ・サンピエール、アンデウソン・シウバは偉大なチャンピオンだけど、最高のチャンピオンは僕だ。僕は試合をフィニッシュさせる。レスリングと打撃とクリンチをここまでミックスできるチャンピオンはほかにはいない。次回オクタゴンに上がる時には、記録を破るぞ!」(UFC Fight Pass中継より)と宣言した。
敗者ヘイスは大会後記者会見で、「ブラジリアン柔術で負けたことは、ノックアウト負けよりもよほどこたえた。僕がミスをして、彼がそこを逃さなかったということだ。それにしてもアームバーには驚いた。とてもうまくて、とんでもなくスピーディだった。エルボーを効かされてから、試合をコントロールできなくなったのが敗因だ」(『MMA Fighting』より)とすっかり兜(かぶと)を脱いでいる。
UFCプレシデントのデイナ・ホワイトも、「ジョンソンはこんなパフォーマンスを平気でやる。スタンドは信じられないほどすばらしい。打撃の統計もばかばかしいほどすごい。そしてグラウンドでもブラジリアン柔術の世界チャンピオンを圧倒してアームバーを極(き)めた。全く化け物だよ。彼はすでに公式ランキングでパウンド・フォー・パウンドの1位なんだが、加えて彼はもうゴートであるといえるのかもしれない」(『MMA Fighting』より)と、ジョンソンの強さにこちらも脱帽している。
ちなみにゴート(GOAT)とは、“Greatest of All Time”、史上最高という意味の略語で、モハメド・アリが使い始めた言葉だ。
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