Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマは「UFCのアーリー・ウェイイン廃止は、相次ぐ減量失敗の解決策となるのか」です!




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UFCの計量といえば、かつては試合前日の午後4時に公開で行われるものだった。ステアダウンやインタビューも行われるため、人気選手が出場の場合、公開計量が超満員になることもあった。

しかしUFCでは2016年6月のUFC199から、アーリー・ウェイインを導入した。これは、計量を試合前日の午前9時~11時に行うもので、計量場所もホテルの会議室などに変更された。この時間帯に、選手は三々五々、計量を済ませていくというやり方だ。これまで通り夕方の公開計量も引き続き行われているが、こちらは現在では「セレモニアル・ウェイイン」(儀式的計量)と呼ばれ、ステージ上で形式的に秤(はかり)に乗って見せてはいるものの、発表されるのは午前中に計測済みの体重で、事実上ファン向けの顔見せイベント、メディア向けの写真撮影イベントに変質している。

アーリー・ウェイイン導入に先立ち、UFCバイスプレジデントのジェフ・ノビツキーは「これは100%、選手の健康と安全を考えてのこと」だと力説していた。メリットとして、計量から試合までの時間が長くなることで、これまでよりもしっかりと水分補給ができることがあげられる。十分な補水をしていないと、「本当に重大で深刻な安全性の問題が生じかねない。最悪の場合、死ぬ可能性もある」(ノビツキー)という。専門家は特に、脳が十分に補水されていない場合、パンチを受けたことによる脳損傷の可能性が高まると指摘している。

アーリー・ウェイイン導入後、しばらくの間は、計量失格者が減少、試合のクオリティも上昇したように見え、制度変更は順調であると思われた。しかしながら制度導入から2年がたち、最近では毎大会のように、計量失格者が出る状況となってきた。

UFCファイトナイト・リバプール(現地時間5月27日)では、メインイベンターのダレン・ティルが3.5パウンド超過で計量に失格した。ネット上では、自力でサウナから出てくることさえできないゾンビのようなティルの姿や、トレッドミルの上で視力を失ったと告白する衝撃的な動画が流出した。もっとも、舞台裏をよく知る人にとっては、こうしたことは日常的な光景だという。



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