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些細なことも気に留めて。医師が教える「卵巣がん」になりやすい条件7つ
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些細なことも気に留めて。医師が教える「卵巣がん」になりやすい条件7つ

2018-10-21 05:30
    はじめにいいことをお伝えしましょう。アメリカがん協会(ACS)によると、卵巣がんは実はそれほど多いものではありません

    年間の診断数は2万2240人で、一生の間に卵巣がんになる女性はおよそ78人に1人です(乳がんの場合は8人に1人)。日本の国立がん研究センターのデータでは、日本人の女性も生涯で卵巣がんになるのは84人に1人となっています(乳がんは11人に1人です)。

    次に、あまりよくないお知らせ。卵巣がんは、ほかのがんに比べて全体的に少ないものの、致命的になりやすいがんのひとつ。日本では10番目で、婦人科がんとしては子宮がんに続くがんとなります。

    なぜ、こうした卵巣がんの特徴はあるのかというと、卵巣がんの多くは進行するまで症状が現れないために気づかれにくいのです。

    自分では気づきにくい、卵巣がん

    がんは一般的に発見が遅くなるほど治療が難しくなります。しかも、症状があってもたいていは軽く、おなかの張りや膨らみ、頻尿などになります。ほかの原因(体重の増加、PMS、ストレス、胃痛、尿路感染、過敏性腸症候群など)のせいと思われがちなのです。

    「ですから私たちが診断するころには、患者の3分の2近くで卵巣がんが骨盤を越えて広がってしまっています」と、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアセンション・コロンビア・セント・メアリーズ病院、婦人科がん専門医のアリ・マーダビさん(産科婦人科クリニック特殊医療アセンション・メディカル・グループ医長)。

    卵巣がんの正確な原因はまだ完全にはわかっていませんから、発症リスクを高めるとされる代表的な要素を知っておくことがとても大切。

    次にご紹介する要素がひとつでも当てはまるなら、体の具合に特に注意を払います。気になる変化があったら、どれほど些細なことでも主治医か産婦人科医に相談しましょう。

    01. 遺伝子変異を受け継いでいる

    生まれたときから、卵巣がんのリスクが高くなる遺伝子変異(BRCA1、BRCA2という遺伝子のほか、大腸がんや卵巣がんになりやすい病気、リンチ症候群の遺伝子などの変異)を両親から受け継いでいるかもしれません。

    例えば、一生の間に卵巣がんになるのは、普通の人口集団なら女性のおよそ1%ですが、BRCA1変異を持つ女性では44%BRCA2変異を持つ女性では17%リンチ症候群の遺伝子変異を持つ女性では6〜8%になります。

    これらの変異があると、ほかのタイプのがんになるリスクもアップ。BRCA1遺伝子は乳がんにも関連しますし、BRCA2遺伝子はメラノーマ(皮膚がん)、乳がん、すい臓がん、前立腺がんに、リンチ症候群の遺伝子は大腸がんと子宮内膜がんに関連します。

    このようながんになった親族がいるなら(特に両親、兄弟姉妹、子どもなどの近親者や、若い頃になった親族)、遺伝カウンセリングについて主治医か産婦人科医に相談してみます。遺伝カウンセラーは、遺伝子検査が必要かどうか判断する手助けをしてくれます。

    遺伝子検査には一長一短ありますが、検査を受けて遺伝子変異があるとわかったら、将来がんになるリスクを下げるための予防措置を取れますから、特にまだ若い成人であればとても有益です。

    02. 卵巣がんになった近親者がいる

    遺伝子変異を受け継いでいなくても、2人以上の近親者が卵巣がんになっていたら、あなたのリスクも高くなります

    03. 年齢を重ねている

    年齢は多くのがんに共通したリスクアップ要素のひとつです。卵巣がんの半数は63歳以上の女性に起こるのです。

    この理由を簡単に言うと、長く生きるほど、たくさんの細胞が分裂するので、DNAコピーの“間違い”や遺伝子変異が起きる機会も増えるから。そしてそれが積み重なっていくのです。

    「若いときは、体がこのような間違いや変異を修復して、克服してくれる確率がわずかに高いのです」と、コロンビア大学アービング医療センターの婦人科がん専門医で産婦人科助教授のジューン・ホウさん。

    04.体重が多すぎる

    これがリスク要素になるのは、ホルモンのせい。

    「脂肪組織が何をするかと言うと、エストロゲンを作ります。ですから、脂肪組織が多いとエストロゲンの作りすぎにつながるのです。閉経年齢を過ぎた年配の女性では特に卵巣がんと子宮がんのリスクが高くなることになります。さらに脂肪組織は、DNAと遺伝子を破壊する“酸化性物質”と呼ばれる分子もつくってしまうのです」と、マーダビさん。

    でもこれは、自分でコントロールできるリスク要素。栄養価の高い食べ物を取り、定期的に運動すれば、健康的な体重を保てます。

    05. エストロゲンのホルモン補充療法を受けている

    閉経後にこのタイプの治療法を受けると、卵巣がんのリスクが高くなります。

    アメリカがん協会(ACS)によると、エストロゲンを単体で(プロゲステロンなしに)少なくとも5〜10年取っている人は最も高リスク

    06. 排卵が多い

    排卵が多くても、卵巣がんのリスクアップに関連

    「排卵の際は、卵巣の被膜、つまり上皮(皮)が破れて卵子が飛び出します。この破れた裂け目のようなところはその後ひとりでに治りますが、この治る過程では、細胞の分裂と再生が必要です」と、ホウさん。

    そして卵巣の細胞分裂が増えるほど、遺伝子変異が起こりやすくなり、長い間に積み重なって卵巣がんにつながるのです。

    妊娠中や母乳育児の間、また経口避妊薬を服用しているときは排卵が止まりますから、卵巣を休めることになります。

    一方で、不妊、子どもを作らない選択、生理の始まりがかなり低年齢、閉経の年齢が遅いといった条件はすべて、排卵が多くなることを意味します。

    07. 子宮内膜症がある

    本来、子宮の内張りになるはずの子宮内膜(組織)が、子宮の外で成長してしまい、生理痛が激しくなりがちな子宮内膜症。この症状があると、卵巣がんになるリスクが少し高くなります

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    訳/STELLA MEDIX Ltd.

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2018/10/177766ovarian_cancer.html
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