■「ラーマガ」本誌に載せきれなかったレビューを掲載する「ラーメンレビュー増刊号」です
「ラーマガ」本誌では、各号で7件の個別レビューを掲載しています。遠征や連食などで、そこに収まらない私のレビューを、随時「ら~マニア共和国」で掲載します。
今回は「おまけコラム&レビュー」と、山形市の老舗食堂系中華そば4杯のレビューを無料公開。新橋特集レビューと合わせて、12のレビューを掲載します。ラーマガ本誌と合わせてお楽しみください。
□目次
1.巻頭おまけコラム&レビュー
「西武ドームでじゃじゃ麺を食べる」
・大沼食堂@東金井
・よしのや食堂@山形
・八幡屋@山形
・いさご食堂@羽前千歳
2.新橋ラーメンレビュー特集
<本誌19号で「麺屋7.5Hz」のクロスレビューを掲載>
<本誌62号で「おらが」のレビューを掲載>
<本誌68号で「カシムラ」「光燐堂」「呑龍」のレビューを掲載>
<レビュー増刊18号で「新橋大勝軒」「愛宕」のレビューを掲載>
・くるめや@新橋<久留米ラーメンのスタイルを東京に伝える>
・dueItalian@汐留<市ヶ谷の名店がイタリア街に出店>
・ほりうち@新橋<新宿の人気店が新橋進出>
・タンメンしゃきしゃき@新橋<タンギョウが圧倒的人気>
・しお福@新橋<ワンタンメンがウリの狭い店>
・青雲の志@新橋<赤羽・御徒町を渡ってきたご主人の新店>
・いし川@新橋<豚骨魚介だけどその味わいは独特>
1.巻頭おまけコラム&レビュー
「西武ドームでじゃじゃ麺を食べる」
【竹國うどん@西武ドーム】
「雄星のじゃじゃ麺」880円
まあ、夏休みとかない状況なわけですけど、今年中学生になった弟の息子が一人でうちに来ると言ってきた。しかも、うちの両親が出かけてていないので、自分が世話しないといけない状況。そうしたら「プロ野球を見に行きたい」と言い出してきた。弟一家は大の中日ファンだけど、この時期中日の試合は関東でやってない。自分は、12球団の中では西武が好きなので、西武ドームでの試合を見に行こうと提案。外野席だと安いし(笑)
ラーメン屋に連れていく事も考えたけど、飛行機が遅れた事もあったので球場に直行する事に。17時前に球場に着いたら、外野はけっこうな混雑ぶり。本拠地の3塁側(西武ドームは一般と異なり、3塁側をホームにしている)は内野まで賑わっていたけど、1塁側内野席はややまばら。日ハムだから仕方ないかな。
試合開始前に球場内で何か食べようと思ったら、甥っこがうどんにするという。そのうどん屋で見つけたのが「雄星のじゃじゃ麺」。岩手県の花巻東高校出身の菊池雄星にちなんだ、選手プロデュースメニューの一つ。まあ、話のタネにと思って注文してみた。
冷たいうどんは太くてコシがある。調べてみたら、この店は所沢周辺にフランチャイズ店も抱える、武蔵野うどんの店。提供スピードを考えれば、茹で置いて冷たく保管していると思うが、それでもなかなかの麺。肉味噌は盛岡で食べたじゃじゃ麺の味に近い、しょっぱさも感じるもの。ただし、やや柔らかくてかき混ぜやすくなっている。紙の丼を持って客席で食べるので、当然「チータンタン」がない。その分食べやすくしているのかもしれない。
具にはキュウリ、ネギ、茹で卵、紅生姜。正直なところ、ありあわせの盛り付けにも見えるが、キュウリの量が多めになっているあたりが、じゃじゃ麺っぽくてにんまりしてしまった。なかなか悪くない。
この日の先発は菊池雄星その人だったんだけど、結局5回5失点で負け投手。このじゃじゃ麺の味噌にも、投球にも甘さが感じられました。
竹國うどん・そば 西武ドーム店
埼玉県所沢市上山口2135
西武線「西武球場前」駅から徒歩5分(西武ドーム内 3塁側自由席エリア)
2.山形市の老舗四天王レビューを無料公開
【大沼食堂@東金井】
「中華そば」550円
GW遠征3日目5軒目。誰が呼んだか、山形の「食堂ラーメン四天王」西の雄。山形中央ICに近い、静かな集落に佇む食堂。創業は1970年と45年前。食堂といっても、メニューは「中華そば」「大盛中華そば」「みそラーメン」「ビール」で全部。駐車場はもちろん満車。3人がけのテーブルが3つ置かれた店内は満席で、しばらく待ってから相席で入店。
おかみさんが麺を茹で、おとうさんが運んでくる中華そばは、鶏ガラに香味野菜を加えて静かに煮立てたあっさりスープ。醤油ダレは控えめに使われている。麺は中細縮れ麺。しっかり茹でているので、モチモチした食感が滑らかに口の中を覆う。モモチャーシュー、カマボコ、メンマ、海苔、ネギといったシンプルなスタイルだが、決して飽きる事がない王道の一杯と言える。
食堂の メニューと味が シンプルに
大沼食堂
山形県山形市西原1-11-12
JR「山形」駅西口からバス(本数少)「西原公園前」下車徒歩2分
【よしのや食堂@山形】
「ラーメン」650円
GW遠征3日目6軒目。山形の「食堂ラーメン四天王」南の雄。山形駅の南西に広がる住宅街の一角に、1963年創業。ごじんまりとした店だが、こちらも駐車場が満車でほぼ満席の人気ぶり。メニューは「ラーメン」「塩味ラーメン」「みそ味中華」「もやしラーメン」「支那竹麺」に、「ライス」「カレーライス」と、食堂にしてはこちらもシンプル。
こちらのラーメンは、讃岐うどんのように足で踏み固めた自家製麺が特徴。中太の麺を啜れば、プリプリしたその力強さに驚く。スープは鶏ガラをメインにしているそうだが、アクセントに加えているという牛骨のコクも感じられて飽きずに食べられる。豚モモ肉のチャーシューも噛みごたえが抜群。
見た目にはシンプルだが、個性と力強さを兼ね備えた一杯。半世紀を越える老舗だが、ノスタルジックでは括れない。スープの素性が更に強調される「塩味」も食べてみたい。
山形で 啜れば明日も ホームラン
よしのや食堂
山形県山形市富の中3-8-5
JR「山形」駅からバス(本数少)「富の中」下車徒歩4分
【八幡屋@山形】
「ぬるめ中華そば」550円
GW遠征3日目7軒目。山形の「食堂ラーメン四天王」東の雄。山形駅の東南、細い川に沿って細い道を進んだ所に佇む小さな店。1955年創業という老舗は、店内に昭和レトロの人形やおもちゃが並んでいる。テーブル3卓だけで厨房も狭く、「中華そば」「中華そば大盛」「ぬるめ中華そば」に、夏季限定で冷やし中華スタイルの「冷中華そば」のみのメニュー構成。「ぬるめ中華そば」を注文。
こちらのスープは牛骨だけを煮出して、すっきりした中に牛の甘さを感じて、旨みも十分。「ぬるめ中華」とは茹でた麺を一度水で締め、スープがぬるくなっている中華そばの事。こうすると牛骨スープの甘さに、創業以来継ぎ足しているという醤油ダレがじんわりと広がってきて味わい深い。チャーシューに牛モモ肉を使い、噛みごたえがある、いかにも牛肉といった味わいが嬉しい。同行者は普通の中華そばを注文。もちろんこのスープと麺の相性もしっかりしたもの。この味は「守ってきた」という表現がマッチする。オーソドックスな見た目に個性ある味、食後感の丁寧さが楽しめる一杯でした。
山形に 牛骨スープが 佇んで
八幡屋
山形県山形市平清水64-6
JR「山形」駅からバス(本数少)「平清水」下車徒歩5分
【いさご食堂@羽前千歳】
「中華そば」550円
GW遠征3日目8軒目。山形の「食堂ラーメン四天王」北の雄。馬見ヶ崎川を渡ったところの住宅街の一角にある食堂。1970年創業だが、住宅街に構えた一軒家の1階のような店舗で、テーブル席が広く取られている。こちらはメニューが豊富で、蕎麦やうどん、カレーライスや丼ものなどのメニューが並ぶ。ワンタンメンやタンメン、鳥中華などもあってチョイスに悩んだが、シンプルに中華そばを注文。
山形県産小麦「ゆきちから」を使っているという自家製麺は熟成させているそうで、細麺でも力強い啜り心地。鶏ダシを感じる、食堂ならではのスープは牛脂もアクセントに加えていて、甘さがしっかり出ているがくどくない。オーソドックスな一杯に磨きをかけて、幅広い世代に納得できる味に仕上げている。この麺を啜ると、「手打中華」の方も気になるし、ご飯物も食べてみたい。気軽に味わいたい街場の一軒です。
気取らずに 地元の味を 馴染ませて
いさご食堂
山形県山形市泉町6-3
JR「山形」駅からバス「千歳橋」下車徒歩10分
3.新橋ラーメンレビュー特集
【くるめや@内幸町】
「ラーメン並」680円