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“被災地の原発も再稼働” 高木復興相
第3次安倍改造内閣で閣僚入りした高木毅復興相は7日夜の就任会見で、被災地の原発について問われ、原子力規制委員会の基準を満たせば再稼働する方針を示しました。会見で、高木氏は「残念な福島の事故は重く受け止めなければならない」と述べながらも、福島第2原発や宮城・女川原発の再稼働について「政府の再稼働の考え方は、原子力規制委員会によって世界で最も厳しい基準に認められたもののみ再稼働を進めていくのが政府の一貫した方針。私も同じだ」としました。
高木氏は、原発が集中立地する福井県出身。自民党の原発推進派議員でつくる電力安定供給推進議員連盟(細田博之会長)の事務局長です。「再稼働」に躍起の安倍政権の方針に沿うものですが、規制基準に合格しても「絶対安全」でないことは規制委の田中俊一委員長がたびたび発言しています。
原発再稼働は「方向同じ」 河野行革相
河野太郎国家公安委員長・行革担当相は7日の就任会見で、原発再稼働を進める安倍政権の方針について、「首相は長期的には原子力への依存度を下げると言っている。ベクトルとしては(自分と)同じ方向を向いている」と同調しました。河野氏は民主党、社民党、日本共産党の議員らでつくる「原発ゼロの会」に所属しています。自著『原発と日本はこうなる』では、「新たな原子炉の設置はすべきではない」とのべ、「原発ゼロ」を主張しています。
会見での発言は、こうした主張とは正反対のもの。原発を「ベースロード電源」と位置づける安倍内閣の一員となったことで閣内不一致を避け、自らの主張を事実上「封印」したものです。自身のブログなどを閲覧できないように閉鎖していることが8日わかりました。
河野氏は、「政府内の議論で、しっかりと言うべきことは言っていく」としつつ、「政府の一員である以上、決まったことは誠実に実行する」とも語りました。
公約裏切り「辺野古が唯一」 島尻沖縄相
島尻安伊子沖縄担当相は8日、内閣府で記者会見し、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古「移設」に関し、「一番重要に感じているのは普天間の危険性除去だ。辺野古移設が唯一の選択肢で、進めていかなければならない」と強調し、新基地推進の立場を鮮明にしました。島尻氏は2010年の参院選の際は普天間基地の「県外移設」を訴えていましたが、その後、他の沖縄選出自民党国会議員に先駆けて公約を裏切り、新基地推進に転じました。会見で島尻氏は「普天間の固定化、これは避けなければならないという中で、今の立場に立っている」と述べました。
島尻氏は来年7月の参院選沖縄選挙区(改選数1)での立候補を表明しています。
1億総活躍「中身これから」 加藤担当相
安倍改造内閣の「目玉」と報じられる加藤勝信「1億総活躍」担当相。7日の就任会見では、記者から「何をやるのか」との質問が相次ぎました。しかし、「何をやるべきかを詰める」「議論すべき点を詰めた上で、国民会議で議論していきたい」と歯切れが悪く、すべてこれから考えるという答弁に終始しました。「1億総活躍」で安倍政権の掲げる経済から子育て・社会保障についてはすでに担当大臣がおり、新たに担当相といっても、独自に計画をつくるなどの権限も体制もありません。
加藤氏は「1億総活躍」に向けて「政府全体で、さまざまな省庁が今でも動いているので、横串を通してみていく」と答えたものの、最後はすべて「何をやるべきか議論していきたい」。あげくには「1年でどうにかなるものではない」といいだすありさまでした。
マスコミも、「どんな政策の領域を対象とし、何に取り組むかはっきりしていない」「限界を来したアベノミクスの点検抜きで、あいまいなスローガンを走らせてはなるまい」(「毎日」8日付)「批判を浴びた安全保障から、経済再生へと国民の目先を変えようとしているのではないか」(「朝日」同)と指摘しています。