日米両政府が沖縄県名護市辺野古で進める新基地建設をめぐって、沖縄防衛局の設置した環境監視委員会の委員が、埋め立て工事などの受注企業から寄付金・報酬計1300万円を受け取っていたことが分かりました。県内からは会議録の非公開など密室審議に加え、埋め立て受注企業からの寄付金を受け取った委員の辞任や委員会の解散を求める声が上がっています。

 受け取っていたのは委員13人のうちの4人。ジュゴンに詳しい荒井修亮京都大学教授はコンサルタント会社の「いであ」から800万円。茅根創東京大学大学院教授(サンゴ礁学)が海洋土木会社の最大手、五洋建設から200万円、建設コンサルタントのエコー(東京都)から50万円を、監視委員会委員長の中村由行横浜国立大学教授が東洋建設から50万円を受領。原武史全国水産技術者協会理事長が地球環境カレッジから200万円の役員報酬を受けとっていました。

 荒井京都大学教授は本紙の取材に「(800万円は)委員就任後にいであ側から私のテーマであるジュゴン研究への助成金として受け取っている。同社からは03年ごろから200万円、300万円単位で研究助成金として頂いている」と認めています。

 監視委員会への影響について「いであのために何か配慮すべき会議ではなく、科学者としてやるべきことはしている」とし、委員就任の条件に企業寄付金制限などのルールがあれば辞任もありうるとしました。

 五洋建設から寄付金を受け取ったとされる東大大学院の茅根教授は「体調を崩して登校していないのでわからない」(同教授の研究室)としています。

 横浜国大の中村教授は海外出張中のため大学側が対応、「東洋建設から中村教授あてに研究助成として寄付金の申し出があった」と説明、15年6月22日付で入金があった、としています。

 全国水産技術者協会の原理事長への「報酬」について地球環境カレッジは、「カレッジの理事でもあり、一定の報酬は支払っている」と認め、金額は「個人情報として差し控えたい」としています。