今回は、200年以上に渡り欧米の秘密結社の権力が隠してきた自由民主制の真の原理(密教)と、そこから目隠しするための世間向けの主流の政治経済の理論(顕教)の成立過程について記載する。
以下の図は、フリーメイソン最上層部によって自由民主制(民主主義と資本主義)がコントロールされてきた全体像である。
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(拙著『フリーメイソン最上層部により隠されてきた民主主義の真の原理』のp41、p42より転載)
図の左側が「資本主義経済の単純化モデル」で、図の右側が「議会制民主主義の単純化モデル」だ。
このフリーメイソン最上層部によって操作される政治経済の原理は、
経済学では「信用創造の影響」、
政治学では「個人の尊厳の意味」という基本原理(密教)を隠蔽する事で可能になってきた。
その役割を担ってきたのが、19世紀から作られてきた欧米の主流の政治・経済理論(世間向けの顕教)である。
これは偶然にたまたまそういう事が起きたという次元の話ではなく、極めて組織的、意識的に行われてきた一貫した営みなのだ。
それでは、真の原理から目を逸らさせるこの主流派の政治経済理論はいつ頃できたのだろうか?
基本原理の密教(経済学では信用創造、政治学では個人の尊厳)そのものは、19世紀前半にはフリーメイソン最上層部の内部では出来上がっていただろう。
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(上記図は拙著『フリーメイソン最上層部により隠されてきた民主主義の真の原理』のp108より転載)
その基本原理とは違う形で、現実の社会の法則と制度を説明する理論(顕教)を作り出したのは、
恐らく1821年に設立された「政治経済クラブ」であろう。
この組織は政治経済の専門組織としては世界最古とされる。
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構成員は、
近代経済学の始祖といわれるデヴィッド・リカード
量的功利主義の代表的な論者と言われるベンサム
質的功利主義の代表的な論者と言われるミル
人口論で有名なトーマス・マルサス
などの政治経済のスペシャリストたちである。
彼らの理論は現在の政治経済の主流理論の源流として
未だに社会科学の分野で大きな影響を与えている。
そして上記の人物たちは皆、東インド会社の関係者である。
この政治経済クラブの会合にはフリーメイソンのホールが使われた。
つまり東インド会社とフリーメイソンの関係者たちであるということだ。
この理論家たちの背後に、既に国際的なフリーメイソン・イルミナティの結社が
関わっていたと、この分野の著名な研究家であるユースタス・マリンズは述べている。
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『カナンの呪い』 成甲書房 ユースタス・マリンズ著 太田龍監訳
p394
福音主義運動を支援したのはフランス革命を指揮した英国諜報部の指導者、シェルバーン卿その人だった。
彼はフランスの急進派の一人、パリのエティエンールイス・デュモン※、すなわち「社会科学の父」サン・シモン伯爵の弟子を英国に招き入れた。
デュモンの英国における第一の弟子は「功利主義の父」と言われるジェレミー・ベンサムである。
シェルバーン卿は英国首相ウィリアム・ピットに多額の金を貸付けることで、英国政治を裏で操る権力者となった。
p395
諜報活動の大家、シェルバーン卿はその権力を利用して
ジェレミー・ベンサム、
ジョン・スチュアート・ミル、
デヴィッド・リカード
の三人を英国社会の知的支配者としての地位に就け、盟友ジョン・スチュアート卿(ミルの父親)同様、その名を継いだ息子のためにも、悪名高き東インド会社に要職を確保した。
ベンサムはロンドンの裕福な弁護士の息子で、莫大なその相続財産で暮らし、
リカードは友人ネイサン・マイヤー・ロスチャイルド同様、「公債」に関わるディラーだった。
(転載終了)
※ディモンと功利主義についてはこちら
↓
エティエンヌ・デュモンを中心とした ヨーロッパ社会経済思想史研究
25-30.pdf (osaka-sandai.ac.jp)
マリンズによると英国の諜報部のシェルバーン卿(1737年~1805年)によって、後に政治経済クラブを設立する主要メンバーたちが育成されたという。
シェルバーン卿の亡き後、1821年にフリーメイソンのホールを用いながらこのメンバーたちによって「政治経済クラブ」が作られた。
この政治経済クラブの背後には、1815年のナポレオンとのワーテルローとの戦いで空前の利益を上げ、英国一の大富豪になっていたネイサン・ロスチャイルド(フリーメイソンを乗っ取ったイルミナティの一員)の影響があった、と考えられる。
フリーメイソンと東インド会社の双方に大きな影響力を行使できるようになったロスチャイルドらイルミナティによって「政治経済クラブ」が作られ、自由民主制の密教から目を逸らさせる主流の政治経済理論(自由民主制の顕教)の世界的拡散が行われ、現在の西側のマインドコントロール体制が形成されたのだろう。
この流れを図にすると次のようになる。
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(記事終了)
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