
「恋人が他の異性と楽しそうに話しているだけで、急に不安になる……」
「パートナーの返信が遅いと、“もしかして冷めた?”と考えてしまう……」
みたいな嫉妬の感情は、恋愛においてはよくあることでしょう。嫉妬って感情はなかなかやっかいで、頭では「考えすぎだろ」とわかっていても、いったん火がつくと思考が暴走してしまうケースはよくあることです。このチャンネルにも、「嫉妬が強くて……」みたいな質問は定期的に届きますな。
で、この問題について、「不安な心の癒し方」で有名なロバート・L・リーヒ先生が発表した論文(R)が面白かったんで、内容をチェックしておきましょう。本論のテーマは、
- 嫉妬は「感情そのもの」よりも、「その感情をどう解釈するか」で悪化するのでは?
という話であります。嫉妬そのものはごく普通の感情でして、恋人や配偶者との関係が大事であればあるほど、「失いたくない」という反応が出るのは自然なこと。なので、嫉妬が湧いたからといって、「自分は器が小さい」「メンタルが弱い」「愛し方が歪んでいる」と決めつける必要はございません。
しかし、その嫉妬に対して、
「こんな感情を持つ自分はダメだ」
「この不安は絶対に正しいサインだ」
「嫉妬が消えないなら、この関係は終わりだ」
みたいな“解釈”をくっつけてしまうと問題が激増しちゃいまして、これが大きなメンタルの問題を引き起こすんですな。
リーヒ先生のモデルでは、こうした感情への思い込みを「感情スキーマ」として扱っております。これは嫉妬を感じた瞬間に、脳が自動で作動させる「嫉妬のストーリー」みたいなものでして、たとえば論文で紹介されている例を挙げると、
ある女性は、パートナーのちょっとした振る舞いを見て、「これは浮気の前兆だ」「関係はもうダメかもしれない」といった思考が一気に暴走。それによって、一気に不安が膨らんでしまい、相手を責めたくなったり、証拠探しをしたくなったり、関係そのものを疑い始めたりし続けた。
といったものが典型っすね。他にもいくつか例をチェックしておくと、
- 返信が少し遅れただけで、「もう自分に興味がなくなったのでは?」と考える
- パートナーが異性の話をしただけで、「比較されているのでは?」と不安になる
- 相手が一人の時間を欲しがっただけで、「距離を置かれた=別れの前兆だ」と解釈する
って感じの、解釈が暴走し続ける場面は、誰にでも身に覚えがあるんじゃないでしょうか。
が、ここで重要なのは、実際に浮気が起きたかどうかではありません。嫉妬が問題を引き起こすのは、
- 相手の行動をどう読んだか
- その感情をどう意味づけたか
- その不安をどこまで真実扱いしたか
ってポイントに左右されるんですよね。実際のところ、上記の例を見ても、どれも「実際に起きた出来事」よりも「その出来事に対する意味づけ」のほうが問題を大きくしていることがおわかりいただけるんじゃないかと。つまり、嫉妬で苦しむ人ってのは、パートナーの行動に傷ついているというより、「自分の頭の中で作った解釈」によって二重に傷ついている可能性があるんですよ。
そこでリーヒ先生は、嫉妬を悪化させる典型的な思考パターンとして、12個の認知のゆがみを挙げております。これはめっちゃ良いリストになってるんで、嫉妬に苦しんでいない人でも丸暗記しておく価値があるでしょう。
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