ハックルベリーに会いに行く
ぼくには生まれたときから「視覚の優位性」があった。しかもこのことに自分自身、幼児の頃から気づいていた。
なぜなら、他の子供には見えない光景も見えるのだ。保育園でのお絵かきの授業で、ぼくの絵と他の全ての自動の絵を比較したとき、その違いのあまりの大きさに自分自身、逆に驚かされたくらいだ。
これは後年、藝大を受験するときにとても役だった。絵を書く上で、いい目を持っていることは非常に有利なのである。
ただ逆に、ぼくは耳がちっとも良くない。子供の頃から音程を聞き分けることが苦手だったし、そもそも遺伝的に鼓膜が厚いので、微細な物音を聞き取れないのだ。これは目の能力に比べると各段に違っていることが子供の目にも――ぼく自身にも明らかだった。
さらにぼくはリズム感が悪かった。学校で太鼓の授業があったときに、一定のリズムでバチを叩き続けられないことにはすぐに気づいた。全てのクラスメイトができているわけ