日本の恋愛が1980年を境にはっきりと、また劇的に「男尊女卑」から「女尊男卑」に転換したことは、いくら強調してもし足りないだろう。これによって恋愛市場に大混乱が生じ、多くの若者が戸惑った。またその戸惑いを絶好の商機として、アイドル産業が急激に拡大する。
まずターゲットとなったのは若い男性だ。なかなか恋人ができない彼らは、やがてアイドルを偶像から妄想相手へと転換していく。ただ美術品として仰ぎ見るのではなく、自分の擬似的な恋人として親しみやつながりを求めるようになるのだ。
ただし彼らは、一方では現実の恋人を求めてもいた。なぜなら、疑似恋愛では満たされないものも多いからだ。特に性欲が満たされなかった。そこで、アイドルとは疑似恋愛をくり広げる一方で、近くにいる女性にアタックをくり返してもいた。
そこで生まれた需要が「恋愛術」である。当時の若者は、とにかく女性とつき合いたかったが、どうつき合え