ハックルベリーに会いに行く
大西瀧治郎は海軍の中でちょっと海軍らしくないキャラでポジションを獲得していた。海軍の最大の特徴であるスマートさがなく、泥臭くて粗野なのだ。
しかしその海軍らしくなさが海軍の中では貴重だったので、独特のポジションを獲得した。海軍も大西を遺物として排除するのではなく面白い男として重宝していた。
その重宝していたのが最もスマートな山本五十六であった。山本五十六は海軍の、スマートさにこだわるあまり堅苦しくなり、前例主義に陥りがちな組織をなんとか刷新したいと考えていた。そのために大西を大いに使った。
大西は海軍の中では過激な空戦論者だった。これからの時代の戦争の主役は飛行機である。そこにおいて最も必要となくなるのは戦艦である。戦艦は飛行機に歯が立たない。だから大西は戦艦大和の建造に反対した。
大和一隻を作る金で空母を三隻は作れる。飛行機なら千機は作れる。そちらの方がよほどいいとして頑なに反対