このチャンネルの「おまけ配信」では、皆さんからの質問を受けつけてるわけですが、そこでよくいただくのが、
- 「パレオさんは、普段どんなふうにAIを使ってるんですか?」
みたいなやつです。これはホントにちょくちょくいただいております。
とはいえ、このあたりは、すでにAIチャンネルでいろいろ紹介されているので、「私が書かなくてもいいかなー」と思ってたんですよ。私が使ってる方法も、AIチャンネルで紹介されている工夫と重なるところが多いもんで。
ただ、まぁAIチャンネルでは、プログラミングや画像・動画・ゲーム制作など、エンジニア&クリエイター向けの話が多めだったりしますわな。一方、私の作業ってのは、
- 論文や本を読む
- 情報を整理して文章にする
- 企画書や提案書を作る
- クライアントとやり取りする
- なんかよくわからん細々したことのスケジュール管理
といった、めっちゃ地味なものが中心なんですよ。なので、このような「調べる・コミュニケーションを取る・予定を組む!」って地味な仕事をしている人間が、果たしてAIをどう使っているのか?ってのが参考になる人もいるでしょう。
ということで、このシリーズでは、「私が何を考えつつAIを使ってるか?」みたいなとこを見ていきます。あくまで個人の使い方ではありますが、いちおうAI企業各社のガイドラインを確認しつつ、関連する研究も調べながら使ってたりしますんで、まんざらなんの根拠もない話でもなかったりはします。なので、「すごい作品を作りたいというより、日々の調べものや書類仕事をもう少し楽にしたい」と思っているような方には、役に立つんじゃないかと。
それにしても、AIで仕事は速くなるのかねぇ?それとも、遅くなるのかねぇ?
さて、具体的なAIの使い方の話に入る前に、まずは「そもそもAIで仕事は本当に速くなるのか?」って問題に関する、2026年10月時点の知見を押さえておきましょう。近ごろは「AIを使えば仕事が楽になる!」って話をよく耳にするわけですが、その前提がどこまで成り立つのかは、やっぱ確認しておきたいですからね。
で、実際の研究ではどうなのかってことですが、これがまた「ハッキリ言いづらい!」という、いつものような結論になっちゃうんですよねぇ。
どういうことかと言いますと、
- AIによって作業が速くなった研究:2023年に『Science』に出た研究(R)では、大卒の専門職453人に、職業に関連する文章作成の課題を行うように指示。参加者の一部にだけランダムでChatGPTを使ってもらい、「もともと文章が上手な人がAIを使う」みたいな偏りを減らしております。
その結果、ChatGPTを使える条件では、平均作業時間が40%短くなり、文章の品質の評価も18%上がったんだそうな(文章の品質は、評価者が文章を採点して調べている)。つまり、AIを使うことで「速く書けたけど、内容がひどくなった」みたいな話ではなく、時間と品質の両方が改善したわけっすね。
- AIによって作業が遅くなった研究:METR(AIを評価する研究組織)が2025年に公表した実験(R)では、経験豊富なソフトウェア開発者16人に、普段から関わっているプロジェクトで、246件の作業を行うように指示(不具合の修正や機能の追加みたいな作業をやってもらった)。
で、この際に、それぞれの作業を「AIを使える条件」と「AIを使えない条件」にランダムに振り分けたところ、AIを使える条件では、完了までの時間が19%長くなったんだそうな。しかも、参加者は実験後も、「AIを使うことで約20%速くなった」と考えてたというから面白いもんすね。要するに、本人は「AIのおかげでパフォーマンスが上がった!」と感じていたのに、実際に測ってみたらパフォーマンスは下がってたんですな。
って感じで、相反する結果が普通に出てたりして、いまの段階ではどっちが正しいとも言いづらいんですよ。こいつは“実験あるある”ですなぁ。
ちなみに、METRはその後も似たような調査をしてますが、2026年2月の報告(R)では、
- 現時点では、「AIを使わずに働きたくない!」って人が増えすぎたせいで、そもそも実験の参加者を集めるのが難しくなった
- AIをよく使う人ほど実験に参加しなくなると、AIのメリットを小さく見積もっちゃう可能性が出てくる
みたいになっていて、「ちょっと現段階では、AIの効果は言いづらいっすねー」ってスタンスになってたりします。難しいっすねぇ。
ということで、いまの段階で冷静に言えるのは、
