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手術報告
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手術報告

2022-07-02 14:01

    僕の左前歯は、1996年(アルバムでいうと、1stスパンクハッピーの「フリークスマイル」の時)から人工歯根と義歯です。
     

     当時、虫歯の根元が腐っちゃって、気がついたら(全く痛くないんで)膿の道が鼻の穴まで貫通していて、とんでもない大手術でした(最初は鼻血が止まらないんで、チョコの食い過ぎかと思って、チョコやめても止まらないんで、それで医者に行って分かったのです)。

     誰も触ったことないですけど、僕の左の鼻の穴と、唇までの間には、骨がないんで、指で押すとズブッと入ります。この手術の時に、歯根から、その周辺の骨までがダメで、削り取っちゃったんですね。

     

     しかし、先生方の技術もあって、良い義歯も入り、生活にも、というか、サックスの演奏にもなんの支障を来さずに30年間やってきました。もう還暦ですし、死ぬまで保つなコレ、と思ってました。

     

     でも、約30年目にして、再発したんですね。いわゆる<癖になっちゃってる>と言いましょうか。

     

     見つかったのは、30年後も同じく、偶然で、口の中を大火傷したんで歯医者さんに行ったのです。

     

     コンビニで冷食のキーマカレーをチンしてもらったんですが、ヌルかったんで、店員(おあつらえ向きに、インドの方だったんですが笑)さんに、「もう一回チンしてよ」と言ったら、してくれたんですが、今度は、キーマカレーの容器が熱で歪んでて笑、ものすごい、火事みたいな湯気がたって笑、コンビニの袋が、ちょっと溶けてたんで笑、怖かったんですよ笑。

     

     でも腹減ってたんで、思いっきり「アングー」って喰ったら、キーマカレーと上顎の皮がくっついちゃって笑、しかも、堪えてそのまま食っちゃったんですね(腹減りすぎてたんで笑)。顎の骨が露出する具合の大火傷になっちゃった笑。

     

     それで、火傷治して貰おうと思って歯医者さんに行ったら、歯医者さんって、初診だと「人間歯ドック」みたいな感じで、歯を全チェックするじゃないですか?あれで分かったんです。

     

     「あのコレ、菊地さん、火傷はすぐ治りますけど、それより前歯の義歯の根元が炎症起こしてます。患部が小鼻の横まで行っちゃってますね。。。。コレ治療しないと、とんでもないことに」と言われて、「おお遂に!」と思い、ここまでの話をしたのです。

     

     それで、治療プランに関して、ミーティングを繰り返した結果、インプラント打ち込みになったんですね。コレなら上手く行けば、ですけど30年は保ちますよと。30年経ったら90ですし、他のプランは問題があったので(サックス奏者として)。

     

     治療経過は

     

     ① 現在の義歯、人工歯根を全て除去して、つまり、完全な穴ボコ状態にして(元々残してあった、歯の根元の薄皮一枚分は元手として残すんですが)、患部を洗浄治療し

     

     ② 血液と組織を採取し、遠心分離機にかけると、コラーゲンの塊が取り出せます。それを洗浄治療した患部に詰め(穴ボコに、自己生体移植の形で、インプラント打ち込む土台としての歯茎と歯肉を再生 / 培養しないといけないので)、仮の義歯を埋め込む。

     

     ③  定期検診して、②の「土台の再生」の進行具合を見ながら(半年を目安としています)暮らし 

     

     ④ 土台が健康的に完成した、と判断したら、インプラントと新しい義歯を製作し、打ち込み&義歯の固定角度を検討し(これにも半年かかります。適当に打ち込めないので)、決定したら実行

     

     ⑤  打ち込み後も半年間チェックし、生活によって完全に安定するかどうかを査定。 

     

     となっており、去る7月1日に②を終え、鼻から唇にかけてピンポン球ぐらい晴れ上がっているんですが笑、⑤までの全行程に要される時間はお読みの通り、1年間です。

     

     僕、誕生日が6月中旬で、こないだ59になったばかりで、手術が7月1日なんで、要するに「還暦の誕生日に前歯が完成」と、なんか文字で書くとめでたいような感じすら漂いますけれども笑、この1年間(「59歳」の間)は、サキソフォンはおろか、堅焼きせんべいも気をつけて、と言われています。

     

     堅焼きせんべいは、砕いて口に含み、奥歯で噛めば、前歯に直接圧力かからないですよね?でも、サックスのマウスピースは、砕いて、奥歯で吹くことができないので笑、医師も、「サックスが怖くて怖くて」と言ってます。

     

     直接圧は③の「再生進行」を台無しにして(再生中の、やわやわな土台を押し潰して)、やり直しになるリスクを持っているからです。またほじくり出して、コラーゲン埋め直して、義歯入れ直さないといけない。

     

     なので、「1年はサックスの演奏を(練習、リハーサル、本番の区別なく)自粛するか、完全に止める」という選択肢を突きつけられている危機一髪のオレなんですが笑

     

     あ、いきなりですが、お医者さんに悪い思い出があって、端から信用しない方いらっしゃいますけど、僕はコレまでお医者様(精神分析医も含め)に恵まれてきたし、今回の歯医者の先生も、お若いですが、非常に良い先生でうのでご安心を。

     

     そんなことよりですね、とにかく最大の難関は、9月にプレデビュー、11月に本式デビューする最新バンド「ラディカルな意志のスタイルズ」の運営と、最古参のオルケスタ「ぺぺ・トルメント・アスカラール」が、11月の初旬に行う、久しぶりの国内ツアーなんですよね。特に「ラディカルな意志のスタイルズ」は、サックス吹きまくるんで(パーカッションも叩きまくりますが)。

     

     とはいえ、僕は苦難に育てられてここまで来ましたので(マジで)、今、腫れが顔面全体に広がって、パンパンになったまま、いくつかの凄げえアイデアを思いつきました!!! 

     

     1)僕はステージ立つけど、マイクは死んでて、控え室でモニターを見ながらメルロウに全部吹いてもらう(「歯の手術したら、サックス上手くなったな」と思わせる副産物的な効果も期待できる)。

     

     2)クラフトワークみたいに僕のロボットを作ってステージに設置し、控え室で、やっぱりメルロウに全部吹いてもらう(少なくとも同時配信のコードに引っかかって、配信では僕のロボットは映せないけれども、音は聞こえる。副産物的な効果も失わない)

     

     3)僕のソロの時、僕は楽器を持って、二人羽織みたいに松丸くんに吹いてもらい、僕はキーだけ操作する(凄いエンターティンメントだけれども、松丸くんが脱退してしまうリスクがある)

     

     4)本番だけ演奏して、ボロボロな姿を見せ、同情を買う(「練習してもしなくても結果が同じ」、という恐ろしい可能性があり、その場合はわざと下手に吹く=同情を買うため)

     

     5)ダブルリップ(上の唇も丸めて、マウスピースと歯が接触しないようにする=代表にコルトレーン)で猛練習し、生まれ変わる。生まれ変わったらもう60

     

     6)この際サックスは引退して矢野沙織さんに2代目になってもらう(プリンセス・テンコー、2代目高橋竹山、藤山寛美の例に倣い)

     

     7)どっちのライブも1年延期して、「還暦祝い」にまとめてやり、しかし実際はやっぱ(1)  


     このうちのどれかにします!!ライブをお楽しみに!!!


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