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いま、BS(衛星放送)で『赤ひげ』というドラマが放送されています。いうまでもなく山本周五郎の時代小説『赤ひげ診療譚』をドラマ化したものです。
この名作小説は過去にもドラマになっていますが、何といっても有名なのは黒澤明の映画『赤ひげ』。これは原作に匹敵し、あるいは上回るかもしれない傑作中の傑作で、ある意味、黒沢映画のひとつの頂点といってもいいでしょう。
三船敏郎が主演した最後の黒沢映画としても知られており、まあ、いろいろな意味で歴史的な作品ですね。しかし、今回は原作小説のほうの話をしようと思います。
まあ、ぼくが山本周五郎大好き人間ということもあるのですけれど、それにしてもこの『赤ひげ診療譚』は身震いするほどの傑作です。
だいたい、山本周五郎という人はきわめて小説がうまい。あまりにうますぎて、その洗練がかえって嫌味に感じられることがあるほどなのですが、『赤ひげ診療譚』はそこらへんが
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