弱いなら弱いままで。
ども、海燕です。先日、LDさんにお呼ばれして少年漫画についてかるく語ったのだけれど、その際、『ONE PIECE』の話題が出ました。いまの『ONE PIECE』は膨大になった背景情報を処理するのに四苦八苦しているという話でした。
どういうことでしょうか。つまり、『ONE PIECE』には主人公であるルフィの冒険以外にも、色々と描くべき事柄がある。本来ならそれら物語の背景となる事情を描くために紙幅を割く必要があるはず。しかし、『ONE PIECE』はあくまでルフィの視点から描かれるため、それらの情報を直接的に描くことができない。「ルフィが旅の途中で偶然に見聞きした出来事」として描くよりほかにないのです。
これは「情報の蛇口」がきわめて小さいということを意味していて、おかげでいまの『ONE PIECE』は至るところに物語全体を揺るがしかねない重要情報がさりげなく載っているという前代未聞の作品になっています。
当然、真剣なファンは目を皿のようにして読まなければならない。途中で出てくる新聞にちらっと載っているニュースから、「いったい何が起こったのか?」「どうしてこういうことになったのか?」と推理を重ねていかなければならないのが『ONE PIECE』という漫画なのです。
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