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いまのところ、トップページには「全世界の女性に癒しを! 幸せを! 潤いを! オトナ乙女のためのポルノTLコミック誕生!!」「ティーンズラブより大人で過激 ♂×♀コミック」と書かれていて、どんなものが飛び出してくるのか楽しみだ。
興味深いのは「ポルノ」という言葉を堂々と使用していること。女性向けでも臆面もなくこの言葉を使えるのは、読者がひとの目を気にする必要がない電子配信だからからかもしれない。
記憶しているひとは少ないと思うが、一時期、女性向けのエロティック・ストーリーを「ポルノ」ではなく「エロティカ」と呼ぼう、という動きがあった。しかし、結果的には定着することなく潰えてしまった。
考えてみればより気恥ずかしい名称に変えようとしていたのだからあたりまえだ。「きのうポルノ漫画読んじゃった」というより、「きのうエロティカを読み耽っちゃった」というほうがもっと恥ずかしいものね。
まあ、ぼくは乙女ではないので、このサイトの対象読者ではないだろうが、「ティーンズラブより大人で過激」な作風には興味津々だ。楽しめるポルノが出てきたらいいなあ、と思う。
それにしても、ネットではいまだにティーンズラブやボーイズラブといった、女性向けのポルノ(と、いい切ってしまうと激烈な反論が来そうだが、ここは便宜的にポルノとしておく)に対する男性の反感は根強い。
どうも世の男性たちは女性がエロスを消費することをいやらしいことだと思っているようである。自分たちのほうが、はるかに過激なシロモノを大量消費しているにもかかわらず。
ネットでは女性たちのセンスを一段低く見ている男性は少なくない。それが端的に表れているのが「腐女子向け」という言葉である。この言葉は、ボーイズラブ作品などに使われるものではない。そうではなく、「腐女子が喜びそうとかってに判断された一般作品」に対して使われる。
つまり、キャラクターデザインがスマートで、美形男性がたくさん登場するような作品は、その内容を問わず「腐女子向け」というレッテルを張られる。そして、「最近はこんな腐女子向けの作品があふれて、漫画やアニメがダメになった」「もっと男らしい作品を作るべきだ」というお決まりの文句が語られる。
ほんとうにその作品が「腐女子向け」なのか、どうか、精密に語られることはめったにない。「腐女子向け」とは、あくまで印象の問題にすぎない。
そして、仮にそれが「腐女子向け」だとして、そのことが「一般男性向け」より劣っていることなのかどうか、真剣に検討されることはさらに少ない。「萌えオタや腐女子のせいでダメになった」「昔のような硬派な作品が少なくなった」と嘆く人々は、「一般的な趣味を持った成人男性」をセンスヒエラルキーの最上位に置くことを疑っていないようだ。
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>余談だが、フェミニストはポルノに反対しているものだという思い込みは間違いである
というのはどうでしょう。
事実、ポルノに反対しているフェミニストが大勢いることは事実です。
(「検閲への反対などの理由で」「ポルノを肯定的に見ている」というのがそもそも変でしょう。「やむを得ず、法的規制まで求めることは留保している」ということであればともかく)。
いえ、問題はそこではありません。
ぼくたちの前では「ポルノを肯定的に見ている」と自称するフェミニストも裏に回ればポルノを否定していることが大変に多いという事実です。
それはよく「オタクの味方」として担ぎ出され、本人も積極的にそのように自称している上野千鶴子師匠も同様です。
オタク系フェミニストの藤本由香里師匠もドウォーキンの「すべての性交が強姦でしかない」といったセックス観をあどけなく肯定しています。
ネットでよく言われる、「ラディカルフェミニストはポルノを否定するが、リベラルフェミニストはそうでなく、我々の味方である」と言った言説も、「100%ウソ」とまでは言えないものの、かなりいい加減なものです。
上の二者を含め、日本のフェミニストはほとんどラディカルフェミニストなのですから。
「偏見がけしからぬ」というのであれば、そうした言説こそが、何よりの偏見なのではないでしょうか。