弱いなら弱いままで。
『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』はテレビより泣ける秀作。
テレビ版の映像に新作部分を加えて一本の映画に仕立てあげた作品で、世評は知りませんが、ぼくはわりと満足。
特に傑作というほどのものでもないかもしれないけれど、本編の補完エピソードとしてはこんなものかな、と。
ある意味で本編から一歩も先へ進んでいないのですが、いまさら何を付け足しても蛇足になりそうなわけで、それは賢明な判断だったかと。
途中まで新作だけで一本作ってしまえばいいのにと思っていましたが、制作陣が特に登場人物に変化をもたらすつもりがない以上、こういう描きで良かったのかもしれません。
ちなみにぼくのまわりではあまり見に行くひとがいない様子。たしかに昔良くあった総集編映画以上のものではないんだけれど、これはこれでいいんじゃないかな。
ぼくとしては劇場の大画面でめんまやゆきあつやあなるを見れただけで十分。
劇場の大音量でかかる「secret base」の泣けること泣けること。正直、いまひとつかなーと思わないこともない演出と脚本なんだけれど、あの音楽だけで何だか泣ける(笑)。
劇場ではちょっと苦笑いしながらうるうるしているという奇妙な状態になっていました。
ちなみに劇場に来ていたのは半分以上女性。まあそうだろうなあ、と思うわけですが、こんなに女性層が多いアニメ映画を見るのひさしぶりかも。
平日の昼間だったにもかかわらずお客の入りも上々でした。
一応、『あの花』を知らないひとのために説明しておくと、これは5年前に仲間の少女「めんま」を亡くした少年少女たちの物語で、幽霊になっためんまが仲間内のリーダーである「じんたん」のところに表れるところから始まります。
そして、めんまの死をきっかけにバラバラになっていたかれら「超平和バスターズ」はふたたび集うことになるのですが――というお話。
過去の一点で時間を止めてしまった少年少女たちがふたたび歩き出すまでの物語といってもよく、テレビシリーズの時点でプロットは綺麗に完結しています。
だからまあ、劇場版でやるべきことは特にのこされていないのですね。
そういうわけなので劇場版が総集編映画になることは、これはもう仕方ないことというしかありません。
映画でいままでの展開をひっくり返されてもそれはそれで問題だからなあ。
『魔法少女まどか☆マギカ』だったらそういう展開もありかもしれないけれど、『あの花』にそんなサプライズは似合わない。だからまあ、これで良かったのだと思います。うん。たぶんね。
しかしこういう
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