• このエントリーをはてなブックマークに追加
ファンという名のエゴイスト。(2382文字)
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

ファンという名のエゴイスト。(2382文字)

2013-10-11 07:00
  • 6
ミザリー [Blu-ray]



【ファンという欲望の形】

 よく有料メルマガという「場」にはブログには書けないことでも書ける良さがある、と云われる。

 たぶんそれは幻想で、ブログに書けないことは、有料メルマガでも書いてはいけないだろう。

 ただ、有料メルマガではいくらか炎上しづらいことはたしかだ。ブログという「場」は良くも悪くもなかなか書きたいことをストレートに書けるところとは云いづらくなっている。

 こういう前置きで何を語りたいかというと、人間って自分のために生きないといけないな、ということなんだけれど。

 やっぱり「だれかのために生きる」なんて欺瞞なんじゃないか。どんなに愛されたり慕われたりしていても、そのひとのために生きてはいけない。その愛はいつ憎しみや反目に変わらないとも限らないのだから。

 ぼくはそう思う。あまりポジティヴな考え方じゃないので、怒るひとは怒るかもしれないけれどね……。

 世の中には、絶対数で見れば少数ではあるが、作家とか芸能人とか、多くのファンに愛されている人がいる。

 そういう人たちは口々にファンへの感謝を述べ、かれらの期待に応えることを誓ったりする。

 でもさ、ほんとうは感謝なんかする必要はないんじゃないか。だって、そのファンの人たちは、何も純粋な善意からファンをやっているわけじゃなく、相手が自分の欲望に応えてくれるからファンを名のっているだけなんだから。

 「ファン」という言葉の語源はfanatic(狂気)にあるという話もあるくらいで、ファンの激烈な愛情を受け止めることは、楽ではない。

 だから、アーティストは、ファンなんて無視していいのだと思う。もちろんビジネスの顧客であるわけだから、相応の敬意は払う必要があるとしても、基本的には「ファンのため」に書いたり、歌ったりするべきじゃないんじゃないだろうか。



【代償を求める愛】

 大人げない考え方だろうか。そういう「ファン」の不純さを承知した上で、それでもかれらの声に応えることが、アーティストやクリエイターには要求されるのだろうか。

 でもね、ファンって 
この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
ニコニコポイントで購入

続きを読みたい方は、ニコニコポイントで記事を購入できます。

入会して購読

この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

コメント コメントを書く

ふひー
この記事を読んだうえで私はファンですと言ってしまうのだ
おもしろいからね、うん
今後ともよろしくお願いします

No.1 134ヶ月前
userPhoto 海燕(著者)

よろしくお願いします。

No.2 134ヶ月前

純粋な創作活動ならば仰る通りなのでしょうが、
経済活動としての、乱暴な言い方をすれば「売るための」創作活動にも同じことが言えるでしょうか?
その場合、ファンの期待に応えられないというのは顧客のニーズを読み間違えるのと同じではないでしょうか。
確かにその場合でも謝る義理はないですが、「商売人として」反省するべきではあるとおもいます。

No.3 134ヶ月前
userPhoto 海燕(著者)

 ほんとうにファンのニーズに応えていればビジネスとして成功するのでしょうか? 当然のことですが、クリエイターが相手にしなければならないお客は現時点でのファンだけじゃないんですよね。

 現時点でのファンの思いを裏切ってでも新規顧客を開拓しなければならない局面はあるわけで、むしろビジネス的に見た場合こそ、ファンの声に捕らわれてはならないのではないかと。まったくファンを無視するのも考えものでしょうが、そこらへんはバランスですね。

No.4 134ヶ月前

>>4
返信ありがとうございます。
コンテンツ産業に関して言えば、従来の消費者(あえて「ファン」という言葉は使いません)を切ったコンテンツは
十中八九衰退しますけどね。
そうでなくても、自分でお客を切っておいて、それについて文句を垂れるなというのは
さすがに勝手ではないでしょうか。
今どきの銀行マンでももう少し仁義は通します。
クリエイターに自由な創作の権利があるのと同様に、
消費者にもそれにお金を「出さない」という選択肢があることをお忘れなく。

No.5 134ヶ月前
userPhoto 海燕(著者)

 切らなくても十中八九衰退すると思います。創作というのはそれだけリスキーなビジネスです。「こうすればうまくいく」という確固たる方法論があるわけではありません。

 それに、文句を云うなとか、金を出せとか云っているわけではありません。消費者には文句を云う権利もあれば、カネを出さない権利もある。しかし、クリエイターはそういうことだけに左右されて道を曲げるべきではないということです。

 多くの場合、消費者の意志に一定の配慮をする必要はあるでしょうが、消費者は各々かってなことを云っているだけですから、あまりあてになるものではない。自分を貫く「芯」のようなものがなければ、いずれにしろ創作はおぼつかないと考えるしだいです。

No.6 134ヶ月前
コメントを書く
コメントをするにはログインして下さい。