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積んでいる本が崩し切れませぬ。というのも読む端から買ってくるからで、いまとなっては漫画ですら読み切れずにいる始末。てれびんに薦められて買った『機工魔術師』全19巻とか、未だに封もひらいていません。赦せ、てれびん。
で、いま読んでいるのは押井守の『仕事に必要なことはすべて映画で学べる』。ずいぶん前に買ったものの、読みさしで放置していた本ですね。
ところがこれが面白い。タイトルが端的に示しているように、映画監督の著者が色々な映画を枕に仕事を語った一冊で、さまざまな局面での「勝利条件」の話が延々と続きます。
勝利条件。それはつまり「自分がその勝負に勝利したと考えられる条件」のこと。押井守は人生において(仕事においても)大切なのは各局面での勝利条件を明確にすることだ、と主張しているように思えます。
まだ読み終わっていないので本としての評価は何とも云えませんが、いまのぼくにとっては実に示唆に富む本です。というのも、ぼくもまた「人生における成功とは何か?」と考えているところだからです。
お金か? 地位か? 名声か? 美女か? 家族か? そのすべてか?
世の中にはじっさい、ありとあらゆる意味で成功しているのにちっともハッピーには見えないひとがいます。たとえば、マイケル・ジャクソン。
かれの資産が何百億円あったのかわかりませんし、ファンは何千万人もいたでしょうが、だからといってかれが幸せで仕方なかったとは思えません。
押井守はジョージ・ルーカスとハリウッドの「ある秘密の部屋」でに出逢ったとき、かれもまた少しも幸せそうには見えなかったと云っています。
つまり、一般的な意味での成功は、必ずしも人生そのものの成功に結びつかない。それならば、ほんとうに幸せになるためにはどのようにすれば良いのか? そういう話であるわけです。
押井守には、何と云っても、30年間に渡って映画を撮りつづけてきた実績があります。だから、その言葉にはそれなりの重みがある。かれは万人に通用するその答えはない、と云い切っていますが、しかしそれでもなお、かれの考え方は参考になるのです。
本書のなかではいろいろな映画が取り上げられていますが、それらの作品のなかには昔観ただけであいまいな記憶で語っているものもあるので、厳密な映画批評とは云えません。
しかし、クラシックな傑作から最近の映画に至るまで、さすがにその洞察は深いものがあります。成功とは何か? 幸福とはどういう状態か? そのことについて考えるためには非常に役に立つオススメの一冊です。
ただ何となく給料を上げてそのうち結婚して、というオリジナリティに欠けた人生ではイヤだ、というひとにとっては必読の名著と云えるかもしれません。
それでは、
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「際限なくループしつづける思考の檻」を輪廻として捉えると、そこから脱して幸せになる=悟りを得て解脱するというこじつけが成立するような、しないような。
【初音ミク】般若心経ポップ【PVつき】http://www.nicovideo.jp/watch/sm11982230
これ見てると悟れるような気がします。気がするだけですが。