2016/07/12
5:42 am
伊礼彼方・大山真志・味方良介くんの「グランドホテル」を観た、
感想を上げるのを忘れていた。
相葉くんの「グレイト・ギャツビー」の感想を書いていたら、
同じ感想を持ったミュージカル「グランドホテル」のことを思い出した。
時代の空気を舞台上に出すのって難しいですね、という話。
「グランドホテル」は日本とニューヨークで2回観た。
舞台を観た後に勉強の意味で映画も観た。
とてもココロに残った作品だった。
それが今回見たら印象が大きく違う。
大戦間のベルリン、ナチスが興る前、
第一次大戦の敗戦からドイツが復興しつつある時代、
勃興期のエネルギーを体現する人、
敗戦後の没落に身を委ねる人、
首都の高級ホテルで行きかう人々の人生、
それぞれの人生の裏表を、空間を提供しているだけなのにホテルはじっと見ている。
主役は「グランドホテル」そのもの、
という「グランドホテル」形式と呼ばれる新しい物語のスタイルを創り出した。
印象は「グランドホテル」が醸し出す人生のはかなさだった。
喜びもある、悲しみも深くある、どんな人生も淡々と過ぎてゆく、
それ等の人々の人生が提供された空間で静かに交錯する。
こうやって時は過ぎて行き、人は生きていくんだな、と知らされた作品だった。
その印象が薄れ、ホテルが主役ではなくなっていて、ただの場所になっていた。
重い敗戦を乗り越えつつある勃興と没落という時代の空気は表現されていなかった。
こちらも物語は面白いので、舞台を見ている分には楽しかったので、
昔の舞台と違っているとか言って文句をつけてはいけないのだろう。
作品って作る人が違うとフォーカスするポイントが異なるんですね、どんな名作であっても。
そんな印象をもって楽屋に行ったら、藤岡正明くんがそうなんですよ、
と初演時とまったく異なる演出になった経緯を丁寧に説明してくれた。
伊礼くんはかっこいい、百点をあげたいくらいだ。
落ち着いて見せているけど胡散臭げ、
マゴコロで口説いて見せているふりをしてそのマゴコロに捕らわれ自滅する、
いい役どころだ。ぴったり。
楽屋で久しぶりだね、子供は何人になった、と聞いたら嬉しそうに答えてくれた。
昔、テニスの名古屋公演で飲みに行ったとき、
あまりにかっこよく身ぎれいにしているので、
だれか付き合っている人いるの、と聞いたら、います、ってきっぱり言い切られた。
彼女のおかげで稼げない役者続けられています、
売れてきてその彼女をポイするなんてことしないでね、
しません、が僕との会話。
その後、東宝系の大舞台にも出演しだしたころ、
三軒茶屋のパブリックシアターの楽屋で、
彼から、結婚しました、子供もできました、って聞いたとき、
奥さんって前から付き合っている人と聞いたら、
そうです、と誇らしげに胸を張った伊礼くん。
いいですね、こういうの聞くのがプロデューサーの役得です。でパチリ。
大山くん、テニス以来あっていなかったので、
太った、って聞いたら、
太りました、でもこれでも少し体重減らしたんです、
って全然そん風に見えなかった。
すでにこの体形でキャラクターが出来上がっている。
ダンスの名手が増えた体重でどういうダンス踊るのか見てみたいですね。パチリ。
味方くん、念願だったミュージカルに出演できて、
楽屋でもいつものエネルギー満載だった。
熱演は客席にも伝わったよ、とほめても、
当然ですって顔で喜んでもくれなかった。
また飲みに行こうねとパチリ。