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  • アナ雪「Let It Go」イントロのしくみと、日本語の好きなとこ。

    2014-07-16 11:382
    本当に今更だけど、ディズニー映画「アナと雪の女王」である。今日はブルーレイ、DVDとかの発売日みたいで、再び盛り上がっている。その内容だけでなく、ヒットの仕方(YouTube等で歌ってみた動画がどんどんあがったり)も今の時代を感じさせて、気持ちがいい。要するに、好きである。映画館でも観たし、先日iTunesでも買った。エルサ役がイディナ・メンゼルなのも(RENTファンとして)燃える所だ。

    主題歌「Let It Go」は、イントロで既に「ええがなー」と思わされる。一小節目(Fm/DbM7)はピアノのメロディーの半音移動で不安定(かつ美しく)に響かせ、二小節目(Eb/ Bbsus4→Bbm)ではメロディーが全音移動になって、マイナーコード(悲しい響きのコード)に帰結する。三小節目は一小節目とほぼ同じなんだけど、メロディーの上行と下行が交互になってるのが芸が細かい。行こか戻ろかという感じである。そして四小節(Eb/ Bbsus4→Bb)も二小節目とほぼ同じだけど、最後のコードをメジャーコード(明るい響き)にして、希望あるサビへの伏線になっている。

    ピアノのアルペジオが半音(と全音)で行ったり来たりする細かな動きと、コード進行の解決が二小節ごとにマイナーとメジャーで交互に変わる大きな動きの、二段構えでヒロインの揺れる心を表現しているわけである(と思う)。シンプルだけど、効果的だ。※1

    また、原曲と日本語の歌を聴き比べて、改めて「日本語もええなー」と思わされた。特にサビのラストは日本語の「少しも寒くないわ」の方がメロディーに合っていると思う。英語は「The cold never bothered me anyway」ざっくりカタカナで書くと「ザ(ルド)ヴァザ(ード)ミエニウェイ」で、「言葉多っ!」と思っちゃう。特にBotheredのB、「バッ!」っていう破裂音が違和感ある。なんか、強そうである。※2

    あと大サビにあたる部分、映画だと氷の城がどんどん完成していく所なんだけど、日本語の歌詞だと「冷たく大地を包み込み→高く舞い上がる想い描いて→花咲く氷の結晶のように」という風に、文を終わらせずに次のフレーズに繋げられるので、高揚感をより演出出来ていると思う。聴いていて「ふんふん、それでそれで!?」となる。英語版は文がフレーズごとに終わっちゃうので、その効果は薄い。その代わりにMy power〜 My soul〜 と最初に似た主語を持ってくる事によって、畳み掛けるような効果を出してる。まあ、その代わりにというか、なんといっても英語がオリジナルなんだけど^^; オリジナルあっての、日本語版なんですけどね。

    しかしこれまで吹き替えや和訳というと「んーやっぱ全然オリジナルの方がいい!」と思う事が多かったので、日本語のええとこもあるなーと思えた事が嬉しかった訳です。日本以外の事情は分からないけど、ローカライズがうまく行ってるのも、世界的なヒットの要因かと。みんな違ってみんな良いわけですな。

    ちなみにご存知の方も多いと思いますが、アナと雪の女王の原題は「FROZEN」で、これも随分違う。レミーのおいしいレストラン(原題:Ratatouille)もかなりだったけど。 

    さて、「Let It Go」というとまずLOUDNESSを連想する私Cu++は毎週水曜夜10時にお送りしているネット生放送「ビバ!モダンライフ」 今週の放送(7/16夜10時から)はニコ生ではなく、YouTube Live https://www.youtube.com/user/cuttube01
    でお送りしてみます。観てね。では!



    ※1 常套句として、こういうコード進行の中でsus4をやられると、体が勝手にメジャーで解決するのを期待しちゃう。だから最初に聴いた時はマイナーで解決した時におや?と思った。ダイアトニック的にはマイナー解決の方が普通なんだけど。

    ※2 ちなみに「The cold never bothered me anyway」っていうのはbotherが過去形(または過去分詞形)になってるので、「The cold (has) never bothered me anyway」のhasが省略されてるみたいな、現在完了みたいな解釈でいいのかな? 直訳すると「どちらにせよ寒さはこれまで私を困らせた事などなかったのだから」みたいな事でいいのかな? 分かる人教えて!




  • エアコンクリーニング

    2014-06-17 13:53
    まだそこまで暑い日はないけれど、6月も半ば、そろそろ本格的な夏の到来である。僕の部屋には畳二畳分位の大きな窓があるんだけど、入居してすぐに防音材で塞いでしまったので、天然の風通しは全くない。夏場はかなりエアコンのお世話になるので、今朝は業者さんにクリーニングに来てもらった。


    いつも思うんだけど、こういういつも生活している部屋に入ってもらっての作業って、クライアントである僕はどうしていたらいいのか困る。ずっと見ているのも子供みたいだし、かといって100パーセント自分の仕事に没頭するというのも難しい。結果「宜しくお願いします。何かあったら言って下さいね」と中途半端な間合いを保ちつつ、何か他の事をしているふりをして、でも呼んでくれたらすぐ応えられる状態ではありますよという空気を保ち続ける事になる。先方は慣れているだろうけど、こちらはそうでもないので、エレベーターで知らない人と二人きり的な気詰まりを(勝手に)感じてしまう。



    これはやはり、プライベートな場にプロフェッショナルな職能が侵入する事によっての気圧差に起因すると思う。仮にこれが会社のオフィスで、こちらも職能的に装備されている状態であれば二人きりでいても「お互いお仕事がんばりましょう」的な、ある種同志的な空気の中気持ちよく時間が流れるんだろうけど、自室だとなんというかこっちは丸腰である。それに業者さんは「仕事・業務を遂行する」というドライでクールな役割を果たせばよい訳だが、こっちとしては部屋に入ってもらっている以上「うちに来たお客さん」という観点もある。飲み物だって出さなきゃだけど、なんか忙しそうだし、好みだってあるだろうし、考えた末数種類のペットボトルを「良かったら飲んで下さいね」と邪魔にならない距離にそっと置く事になる。気分はまるでナーバスな受験生の母親である。ふぃー(勝手に)疲れる。



    なんて書いているうちに作業が完了したみたいで、呼ばれました。玄関先でニコニコした業者さん(いい人だったんです)にバケツ一杯の黒い水を見せられ、心なしか誇らしげに「こちら今回の汚れになります」と言われる。そう言われても「わあ!こんなに!?」と大げさに驚けるほど僕のサービス精神は常時稼働しているわけではない(だいたいその黒さがエアコンクリーニング常識的にどの程度なのかわからないし)。しかし「ほう、そうですか」とぶっきらぼうに返せるほど鋼の心を持っているわけでもないので「わあ、えらいことになってますね」と半笑いで言うのが関の山である。

    ともあれ、エアコンも綺麗になって、仕事するぞー!という気分の今日この頃です。明日6/18夜10時からは、またまたニコ生チャンネル放送。毎週やるので
    宜しく!







  • 二日酔いに人類補完計画。

    2014-06-13 14:011
    昨夜はDJ浅井博章さんカルメラ西崎ゴウシ伝説くんと、6/22大阪ロフトプラスワン・ウエストにて行われるトークライブ「爆発寸前CUTT伝説」の打ち合わせでした。生粋のXファンを自認する我々がXについて熱く語るこのイベント、打ち合わせもそれは盛り上がるわけである。下北沢の居酒屋さんで散々盛り上がり、その後練習という名目でカラオケに行って(もちろんX縛り)「We are? We are? You are! You are!」のくだりも勿論やって、それでは当日お願いしますと気持ちよくニコニコで別れたわけである。きっと楽しいイベントになる。ぜひ皆さんにも来て頂きたいと思う。


    …で、二日酔いである。正確には寝た後3時間後に気持ち悪くて起きだしたので、一日半酔いという感じか。猛烈に頭が痛いので、眠れない。そんなに飲んだつもりはないんだけどな。湯船に浸かってみたり色々やってみても、良くならない。首回りも凝ってて、だるい。変なため息が出る。ドラクエならHPは真っ赤、バイオハザードなら足を引きずりまくっている状態か。レベル表示が「しに」になりそうだ。なんとかしなくては。


    強がっているみたいだけど、最近まではこうではなかった。いくら酒量を重ねても、平然としていられた。翌日にも残らない。僕は肉体的に長じている部分が多い方ではないけど、アルコール分解にかけてはなかなかのものなのだと思っていた。そう、最近までは。


    痛む頭で投げやりに「二日酔い」とwikipediaを調べてみたりする。ほう、肝臓でのアルコール分解には糖分が必要なのか、最近炭水化物の摂取を控えてるのも一因なのかな…等と考えても、症状が軽くなるわけではない。慰みにKindleで昔買った「ブラックジャック創作秘話」を読んでみたりする。面白い。頭痛を忘れられる気がする。しかし読み終えればまた頭痛に気づかされる。はかない。どうせ読むなら三国志とか、ゴルゴ13とかにすれば良かった。持ってないけど。


    こういう状態に陥ると、どこも痛くない普通の状態というのが、どんなに素晴らしいかと思う。昔なにかで読んだ健康の定義のひとつに「一体感」というのがあった。頭が痛いだとか、胃が重いだとか、体の一部一部を分けて認識することなく、自分の体を一体として認識する(または意識すらしない)という事だそうである。なるほどと思う。


    音楽でも、ミックス(各楽器のバランス)が良くできている曲は音楽が一体となっていて、あの楽器が…など細部は気にならないものだ。逆にまずいミックスだとドラムのクラッシュがうるさくて(例えばですよ)内容が入ってこないというものもある。ミックスとは単なる楽音の集まりを、一個の音楽へ昇華させるバランスなのだ。


    そう思えば、人類にとって「俺が」「お前が」と個人を意識しすぎるというのは健康的ではないのかもしれない。「俺もお前も、ないやんかー」というのが理想である気がする。敵味方に分かれて戦っても、試合が終わればユニフォームを交換しちゃう感じがいいのだ(ワールドカップ開幕しましたね)。ラブアンドピース。人類補完計画。悟り。エトセトラ…。


    なんて壮大ぶってみたところで、もちろん今僕を苛んでいる頭痛が治まる訳ではない。人類の心配よりも己の節制である。すみません。もうしません。もうお酒いや。明日から牛乳飲む…って前にも誓った! いやだー、こんな大人いやだー。


    …あ、毎週水曜夜10時から、生放送始めました。来週6/18もニコ生を予定してます。観てね…。