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小樽ダークツーリズム紀行 一泊二日で150年の歴史を体感する

小樽運河、北一硝子、金融資料館、小樽オルゴール堂、石原裕次郎記念館─ 全国にその名が知れた小樽を代表する観光スポットだ。 しかし、小樽という街の奥深さは、決してそれら〝定番観光〟だけにとどまらない。 ちょいと足を伸ばせば、近代の裏面史が1泊2日で体験できてしまう街なのだ。 小樽はまぎれもない観光先進地であり、毎年700万人を超える集客力がある。ただし、観光客の滞留時間は平均して4時間ほどと言われ、メインの観光コンテンツである運河通りの散策を済ませると、そそくさと札幌に向かう旅客が多い。夕方4時を過ぎると、人影がまばらになる。果たして、小樽には4時間ほどの滞在価値しかないのだろうか。筆者は多くの共同研究者が小樽にいるため、1年に何度も小樽と関西を往復する。繰り返し訪問すればするほど、小樽の底知れぬ魅力に引きずり込まれる。それは単に名産のガラス工芸品が綺麗だとか寿司が旨いではなく、小樽が持つ近代の悲しみの記憶に核心的価値を感じるからである。 今回は、ダークツーリズムの視点から小樽の旅を楽しみつつ、読者に街の新たな魅力を紹介してみたい。文=井出明/写真=中筋純  

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ダークツーリズム・ジャパン

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ダークツーリズム編集部

明治から大正、昭和、平成へと移りゆく近代化の歴史の流れのなかで、日本は敗戦、自然災害、公害、差別、交通災害などなど、あらゆる悲しみを体験してきた。何気なくあなたの町にある古い建物、路傍の慰霊碑、枯れた裏路地─。そこには、歴史に埋もれた悲しい記憶が宿っているかもしれない。いままではガイドブックが教えるまま、表通りしか歩かなかった観光の道。だけど、今日からは知らなかった別の道を歩いてみよう。「ダークツーリズム」という旅は、あなたに哲学的な思索を与えるとともに、人生に大いなる深みをもたらすだろう。 文=井出明

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