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RIZIN.14に出場した堀口恭司のセコンドとして、おなじみアメリカントップチーム(以下ATT)から、コーチのマイク・ブラウン氏が来日した。そこで、日本人ファイターとしては今や世界で1人勝ち状態の堀口を育て上げてきたブラウンコーチに、米MMAトップジムであるATTの強さの背景を伺ってみた(聞き手/高橋テツヤ)
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――ブラウンさん! じつはですね、2018年にUFCでは日本人選手の試合が19試合行われたのですが、わずか3勝しかできなかったのですよ。
ブラウン へえ、面白いデータだね。やはりキョウジ・ホリグチが必要だということだね(笑)。
――日本人ファンとしては、なんとも厳しい現実を突きつけられているのですが、その点、ATTはチャンピオンやトップコンテンダーを次から次へと輩出していますし、専門誌でMMAジム・オブ・ザ・イヤーに2年連続で選ばれるなど、米MMA業界でも最先端を走っておられます。今日はATTがどんなふうに強さを発揮しているのか、その秘訣を日本のファンに少しでもご紹介いただけないかと思っています。
ブラウン オーケー。
――まず、ブラウンさんがATTのコーチになられた経緯を教えてください。ちなみに、現役はもう引退なさったのですよね。
ブラウン 現役はもう引退しているよ。ATTには選手時代の2005年から所属している。そして現役時代から、いつかはここでコーチをやることになると思っていたし、またそう希望していたんだ。ボクはMMAの大ファンであり、情熱を持っており、この競技の学徒だからね。2012年に首の手術をして長期欠場した頃から、選手兼任でコーチを始めた。そして38歳の時、手術からの復帰戦で敗れて、現役選手としての引退を決意したんだ。
――現役選手からコーチになって、一番変わったことは何ですか。
ブラウン 出張が増えたね。増えすぎかもしれない。チームが大きくなって、サポートすべき選手が増えたからね。
――この年末にも、日本での堀口選手の試合だけでなく、ロサンゼルスでアマンダ・ヌネス選手の試合もあります。
ブラウン そうなんだよ。加えてPFLにも私が指導している選手が出場する(日本時間1月1日、Professional Fighters League 11ニューヨーク大会)。ちょっと問題だね。とてもカバーしきれないよ。今回は指導歴が一番長いキョウジのサポートにつくことにしたんだけどね。
――出張が多いビジネスマンの中には、くたびれて燃え尽きてしまったりする人も少なからずいると思うのですが、ブラウンさんはその点は大丈夫ですか。
ブラウン 出張中にうまく休むようにしているから大丈夫だよ。ジムにいるときには、複数の選手を指導しないといけないけれど、出張先では1人の選手のケアをしていればいいからね。肉体的には出張の方が楽なくらいだ。
――さて、ここで具体的に伺ってみたいのですが、例えば堀口の試合が決まったとします。試合の準備はどんなふうに始めるのですか。
ブラウン ボクとスティーブ・モッコ(レスリングコーチ)に、キョウジのマネージャーさんも交えてゲームプランを練る。そこから、どのコーチに何を指導させるか、どのスパーリングパートナーをつけるかを決める。特別なスパーリングパートナーを外部から招聘(しょうへい)することもある。
――まずはゲームプランなのですね。
ブラウン もちろんだ。試合によって毎回ゲームプランは違う。前回のキョウジの対戦相手はキックボクサー(那須川選手)だったが、今回のコールドウェルはハイレベルなレスラーだろ。全然違うからね。ゲームプランは対戦相手の映像をよく見えて分析することで、相手の強みや穴を明らかにし、相手の技術を無力化するように作っていく。しかし、相手のことばかりにとらわれるのも良くない。自分の強みを生かして、自分のゲームを押しつけることも考えないといけない。なにしろキョウジは並の選手ではない。こんなにスピーディに距離を詰められる選手はボクは見えたことがないからね。ディフェンシブになりすぎず、強みを生かすようにしないと。
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コメント
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読み応えありました。しゅごい貴重なインタビューなのでわ。
WECで一番好きだったチャンピオンだなあ。
今も姿を見れてうれしいし、
優秀なコーチなのもうれしいな。
オマスキさんが聞き手か
アスリートを育成するコーチとしては、最近のエンタメ重視のマッチメークは懸念材料だよね。