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「皇治は俺たちのスーパースター♪」と熱唱するアーティスト「強」インタビュー!! この名曲はどうやって生まれたのか?(聞き手/松下ミワ)「Ⓒcu-t」
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――以前から、皇治選手の入場曲『スーパースター』には非常に注目していたんですが、RIZIN.32では不意に強さんの生歌が聞けたので感激しました!
強 ああ、うれしいです。ありがとうございます。
――強さんとしては格闘技の生観戦は今回が初めてだったんですか?
強 いやいや、RIZINは皇治が出たキックトーナメントの大会も観に行ったことがありますね。あとK-1やHEATも観に行ったことがありますし、生歌も何度か会場で歌ったことがあるんで。呼んでいただいたときは行くようにしてますね。
――そうだったんですね。では、沖縄では満を持してRIZIN初披露という。
強 たぶんね、皇治は普段から生歌でやってほしいタイプなんですよ。
――え! 常に生歌を(笑)。
強 彼はクレバーというか、けっこう自分で演出も考えますから。でも、RIZINでは「ツヨ兄、RIZINはなかなかうるさいんですよお」と。ただ、RIZINでも誰か生歌を歌っている人がいたらしくて「あ、いけるんやん」という。なので、今回は「それやったらお願いします」ということなんやと思います。
――皇治選手としては、できるだけ強さんにそばで歌ってほしいんですね。
強 まあ、自分で言うのもんなんですけど、「背中を押してもらえました」とは言ってもらえますね。で、彼はボクのライブにも来てくれたりするんで、持ちつ持たれつというか、ここ最近は呼んだり呼ばれたりというのを繰り返してます。
――普段のライブと違う格闘技会場で歌うのはどういうテンションなんですか?
強 最初は痺れたというか、K-1の武尊戦のときなんかは皇治からも「ツヨ兄が一番緊張してますよ!」と言われましたよ(笑)。
――ハハハハハ!
強 というのも、自分のライブやったらミスしてもMCで取り返せるんでいいんですけど、彼の入場曲って3分、長くても5分とかなんですけど、途中で「やめた」とかは無理なんでね。やっぱり歌詞も含めて、みんなが求めているものをちゃんとしたパッケージで出すというのはなかなか緊張するんですよ。
――凝縮されたものを出さなきゃいけないから、ミュージシャンとしても緊張の演出なんですね。
強 ボクらは失敗が演出になることも多々あるんですけど、とくに武尊戦なんかは「今日、どっちかの人生が変わるんだ」という瞬間に立ち会わせてもらってるんでね。この花道を絶対に汚したらあかんという覚悟と決意はありますね。
――ちなみに、皇治選手のこれまでの入場曲は『スーパースター(皇治ver.)』でしたけど、沖縄大会で歌われていたのは書き下ろしの『ダークヒーロー』でした!
強 皇治はいつも違うことをしたがるんですよねえ。K-1のときはまた違う『やんちゃ坊主』という曲をつけたりしたこともあって。
――『スーパースター』、『やんちゃ坊主』、『ダークヒーロー』の皇治三部作ですか!
強 今回の会場演出も「ここで、こういうMC入れてください」とかあったんですけど、やっぱり演出や音楽のことはボクらのほうが考えてやってますし、「ここに隙間があったほうがいい」という美学もありますからね。
――そこはプロとして譲れないですよね。
強 途中で名前をコールされる方はレニー(・ハート)さんでしたっけ? あの方がシャウトされる隙間もつくっとかなあかんので。だから「わかった、わかった」という感じで皇治の要求は話半分で聞いているところもあります(笑)。
――もう、おふたりの信頼関係が伝わってきます。
強 それに、試合の映像はYouTubeなんかでも残るじゃないですか。だから、その瞬間は会場の人は高まるんですけど、映像として繰り返し観ると、ちょっと滑稽にうつる部分もあるんでね。
――というか、そんな細かいところまで考えてらっしゃるんですか!
強 もちろんですよ! 音楽としてどっちが正しいのかな、と。だから、皇治には「わかった、一番いいようにするから」と言っておいて、本番で答えを出すという感じですね。と言いつつも、じつは振り返る瞬間とかも全部決まってたんですけどね(笑)。
――こだわりますねえ。でも、入場時の皇治選手はそっけないというか、おふたりの絡みはなかったですよね?
強 そこは彼が主役なんで、あんまりシャシャラんようにしてます。ボクがカメラを独占しようもんなら、今度はボクにアンチのコメントが届きますから(笑)。だから、すれ違う瞬間だけ一緒に映ればいいかな、と。
――ああ、そっちのほうがオシャレです。
強 ちなみに、今回の『ダークヒーロー』は全部ボクが考えてつくった曲なんですけど、『スーパースター(皇治ver.)』は、歌詞もけっこう彼が考えて、それをボクが添削した感じなんですよ。
――えええ! 皇治選手が自ら作詞を(笑)。皇治ver.は本来の『スーパースター』と比べても、ちょっと短いですよね。
強 言うたら、入場の尺に合わせた短いバージョンなんで。入場というのはどうなるかわからないんで、皇治ver.は5分ぐらいずーっとサビを連呼しているという(笑)。
――「皇治は俺たちのスーパースター~~♪」というのが耳から離れない理由はそれだった(笑)。
強 皇治が入ったら音響を下げてくださいということで、皇治が「ここまでにリングインせなあかんな」とか頭を使わんでもいい感じになるようにしているというか。本来『スーパースター』という曲は皇治に書いた曲ではないのでね。
――それでいうと、『スーパースター』はもともとプロ野球の西岡剛選手が使っていたんですよね?
強 そうです。もう一個説明すると、ボクがケガした友達に向けて書いた『カーテンコール』という曲があったんですけど、10年ぐらい前にたまたま西岡選手がケガをしたときに、なんかの拍子で聴いてくれたらしくて。それを西岡選手がアメリカ時代から入場曲として使ってくれてたんです。それボクは知らなかったんですけど、彼が日本に帰ってきたタイミングで知り合うことになって。ただ、会う回数を重ねるうちに『カーテンコール』を歌うタイミングも多くなったんで、「これは西岡選手も飽きてくるやろな」と。だから『スーパースター』という曲を書いて彼に届けたんです。
――となると、もともとは西岡選手のための曲だった。
強 それから3~4年経ったときに皇治が聴いてくれたみたいで。当時はまだK-1にも上がってない頃やったんですけど、彼がHEATに参戦しているときに「入場演出で来てください」と。それで生歌を歌いに行ったのが8年前かな?
――皇治選手がHEATのライト級ワンデートーナメントで優勝したのが2013年なので、まさに8年前ですね。
強 そこから、ある意味でアントニオ猪木の『INOKI BOM-BA-YE』のような感じで、皇治の入場曲といえば『スーパースター』というので浸透してくれたのはありがたいんですけど、まあ彼も欲深い人間というか、今年の春ぐらいに「ボクの曲がほしいです」と。
――貪欲すぎる(笑)。
強 でも、まあ曲をつくるというのはそんな簡単なことじゃないから。それに、いろんな大人な事情も絡んでくるんですけど、ボクと彼との関係性もあるんで、「降りてきたら、つくるわ」と。でも、1週間ぐらいしたらブワーッと書けたんでね。で、やっぱり書けたぶんは世の中に届いてほしいんで、でき上がったものを彼のジムに持っていって最高のプレゼンをしたという感じでしたね。
強 でも、映像は皇治側の映像チームにやってもらったんですよ。皇治をずっと追っかけている映像チームがあるんで。けっこう彼もこだわりがあるんで、そこをふたりですり合わせたというか、だいたいは映像監督が「こんなんどうですか?」という提案に乗っかったかたちですね。
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コメント
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皇治という格闘家が立体的に理解できる素晴らしいインタビューでした!ありがとうございます!
このインタビュー読んで皇治の魅力を理解できた人も多そう。
強さんもいいキャラクターしてるなあ。
大晦日の楽しみがまたひとつ。
ネタ枠だと、色眼鏡をかけて読み出したのですが、
読み進めるうちに色眼鏡は、溶けて無くなっていましたw
純粋で真っ直ぐな選手であればある程、周りの方へのインタビューで、ファンが実像として捉え易くなる事もあるんですね
感動した。