日本人初のラジャダムナン・ルンピニー統一王者に輝き、RIZINでも圧倒的な実力を見せつける吉成名高インタビュー! ベビーフェイスアサシンは何を考えているのか?(聞き手/ジャン斉藤)
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吉成 ……すいません、遅れてしまって!
――全然大丈夫です! 別件が被った感じですか?
吉成 いや……取材をすっかり忘れて眼科に行ってました!本当にすいません!!
――眼科だけにガーン!(笑)。ボクは選手の遅刻ネタが大好きだったりするので問題ないです! 吉成選手は目があまりよくないんですか。
吉成 じつは眼科でレーシックの検診があって。いままでは試合でコンタクトをつけていたんですけど……。
――試合中のコンタクトレンズってどうなんですか。
吉成 首相撲のときに取れちゃうことがあるので、それが不便で。
――外れた場合もそのまま試合を続けるんですか?
吉成 そのままやります。こっちは見えるのに、こっちは見えないみたいな。いままで4回くらい外れちゃいました。
――それってけっこうピンチですよね。
吉成 そうですね。タイで試合をするときは首相撲の攻防が多いので、ポロッと外れちゃって。これからはノビノビと試合ができます(笑)。
吉成 ハハハハハハ。SNSで自分を発信することがあんまり得意じゃなくて。 それは昔からですね。
――若い格闘家ってそのへんが上手じゃないですか。
吉成 うまく使う人が多いんですけど…… 苦手というか得意じゃないです。
――プライベートを覗かせるようなこともしないで。
吉成 プライベート……家にいるか、ジムにいるかなんで。おしゃれな投稿とかできないなって。
吉成 ああ、焼肉とかはよく連れてってもらったりするんですけど、食べることに集中しちゃって撮り忘れちゃいます(笑)。 そういう投稿したほうが見てる人は喜ぶんだろうなって思うんですが、なかなか……。
――自分をさらけ出すことの恥ずかしさってあります?
吉成 はい。恥ずかしいですね。でも、もっとそのへんをやっていかなきゃなって。
――それだとトラッシュトークなんかはもう無理というか。
吉成 それはできなくて……にらみ合いともかもできなくて…… 前回RIZINで初めて公開計量やって対戦相手と目を合わせたんですけど。盛り上げるために気合いを入れた顔しなきゃいけないのに、いざ自分でそういう顔をしたつもりでいたんですけど、 全然いつもどおりだったので。
――ハハハハハ。睨んでやろうという気持ちはあるわけですね。
――ボコボコどころじゃない勝ち方をしてるのに!
吉成 「KOで勝ちます」は言えるんですけど、「ボコボコにしてやります」はちょっと……
――それは相手に失礼って感じですか。
吉成 そうですねぇ。もし相手にそう言われたら、どうなっちゃうんだろうなぁと思ってます。
――ボクは性格どおりにやるべき派で。無理してキャラを演じると変なことになるんじゃないかなと。 吉成選手がサングラスをかけて「ダンボールに詰めてルンピニーに送り返してやる」とか言い出したらそれはそれでおかしいじゃないですか(笑)。
吉成 たしかに(笑)。
――学生時代にケンカしたことはないんですか?
吉成 怖いですね。
吉成 嬉しいです(ニコニコ)。
吉成 そうですね。 RIZIN ってキックボクシングファン以外も注目しているイベントなので、そこでいい結果が出せてることで周りの反響も違ってきてますね。
――自分でも凄いものを見せてるっていう感覚はあるんですか?
吉成 いやあ、そこはあんまりないですね。小学生の頃からムエタイをずっとやってきてるんですが、タイ人との試合って勝つことが大前提で。どんな面白いを試合をしても勝たないと意味がない。勝てば評価が上がるみたいなところがあるので。 RIZIN のときは“わかりやすい試合”をしようと考えてるんですが……。
吉成 KOとかって見てる人にも伝わりやすい試合じゃないですか。やっぱり判定決着よりも常にKO系を狙って、攻めるところは攻める試合を心がけてます。
――そこはムエタイと違ってギアチェンジしてるんですか?
吉成 してますね、やっぱり。相手が怯んだり、効いたりしたら一気に詰めて勝負をかけようと。でも、ムエタイではそこで相手の反撃をもらっちゃうと相手のペースになる。ムエタイはひとつひとつの攻防で変わっちゃうスポーツなので。言い方は悪いですけども、安全な試合をします。
――それってムエタイの判定基準が特殊なところもあるんですよね。
吉成 特殊ですね。あんまりムエタイを見たことない人だと「これは青が勝った」と思ったのに赤が勝ったりすることが多いと思います。
吉成 そうですね。 ムエタイにはいろんな選手のスタイルがいて、自分の試合をした選手が勝ちます。たとえば首相撲が得意な選手には、組ませないように距離を取ってミドルを当てるとか。
――そのためには自分のスタイルを知ってもらうことが重要ということですね。
――本場はやっぱりすごいですねぇ。
吉成 すごいです(笑)。ボクはタイでは「首相撲は弱い」と思われていて。相手が中間距離で勝てないとなると、3ラウンド以降は絶対に組んできます。
――なるほど。そこで首相撲で優勢のイメージをつければ判定で勝てると。
吉成 なので、ボクは中間距離では強いけど、近距離だと弱いよねっていう風に思われてますね。
吉成 ムエタイでは、いけないんですよね。
――いやあ、ムエタイって奥深いですね。
吉成 ホントそうなんですよね(笑)。
吉成 いや、ちょっと前まで倒すということのイメージができてなくて。
――えっ。
吉成 勝てるは勝てるんだけど、倒せるシーンがなかなかイメージできなくて。それはずっとタイ人と試合をしていたこともあるんですけど。コロナでタイに行けなくなってしまって、日本で日本人選手と試合することになって。最初の試合は判定勝ちだったんですよ。で、その次の試合からずっとKOで勝ってるんですけど。最初の試合で日本人とタイ人の感覚の違いというか、そこは把握できるようになってから倒せるようになりましたね。
――コロナが図らずも覚醒のきっかけになったわけですね。
吉成 でも、いまの感覚でタイ人とやったら逆に攻撃をもらっちゃうかもしれないですね。
――どっちの感覚を大事にしたいんですか?
吉成 うーん、いまは日本で試合をしてるので、この感覚をどんどん研ぎ澄ましていきたいと思ってるんですけど。でも、それによってムエタイで勝てなくなるんじゃないか、っていう不安もありますね。
――そう考えるとキックとムエタイって違うものなんですね。
吉成 立ち技は大会によっても少しずつルールも変わっているので。
――一番やりたいのはムエタイなんですよね?
――ムエタイの魅力に気づいたのは、どういうきっかけなんですか?
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コメント
コメントを書く鬼強でベビーフェイスでドジっ子・・・売れないわけがない!w
面白かったです!
文中の「ティームー」、原語ではフィームーと同じ意味でしょうか?
ぼんやり層なので間違えていたらすみません。
「54キロだったらやりたいです」
「天心選手の条件は55キロですよね」
う~ん…。
吉成名高選手は、ムエタイのチャンピオンという、
当たり前の事を思い出させてくれる良いインタビューでした
吉成選手のムエタイへの愛と誇りを感じました
キックって蹴りからのスリップからのアクションとかクリンチ多くて好きじゃないんだけど
名高の試合は全部おもしろい
天才的な選手ってどこか欠落してる部分があると思うので吉成選手は天才だと思います。