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RISE2021ブレイクファイターのYA-MANがRIZIN大晦日に参戦!対戦相手は皇治だ!(聞き手/ジャン斉藤)


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――YA-MAN選手はRIZIN初参戦ですが、主戦場のRISEの記者会見とは何か違いがありましたか?


YA-MAN RISEの会見では最初にフェイス・トゥ・フェイスから始まって、そのあとにお互いのコメントという感じですけど、今回は両者一緒に入場だったので。そこはいつもと違うなあというのはありました。

――
その違いぐらいで、とくに緊張もしなかったと。

YA-MAN
 緊張って、自分はあんまりしたことがないですから。試合のときも緊張はしないですし。唯一緊張するのは計量のときですね。体重計に乗る前が一番緊張します。

――
「計量オーバーしたらどうしよう……」と。

YA-MAN
 そうそう。でも、そこが終わったらもう全然。

――
今回の試合は大晦日に行なわれるということで、注目度がかなり高い試合になりますね。

YA-MAN
 まあ、そこもあんまり気にしないっす。本当に自分が自分の仕事をやるだけなので。いい試合をしさえすれば盛り上がってくれるじゃないですか。だから、自分はただ面白い試合をするだけですね。たぶん、緊張する人ってみんな勝ちたいからじゃないですか?

――
たしかにそうですけど、YA-MAN選手は勝ちたくないんですか?

YA-MAN
 自分の場合は関係ないっすね。みんな「負けたらどうしよう」「いままでやってきたことが全部崩されちゃう」とか、そういう不安を抱えながら戦うから緊張すると思うんですけど。自分は勝ち負けよりも面白い試合をしたいというのが一番なんで。負けても派手に散ればいいや!みたいな。

――もとからそういう考え方なんですかね。

YA-MAN
 いや、最初からじゃないですよ。そう思うようになったのは、今年の2月にRISEの横浜アリーナ大会で戦ったのがきっかけですね。

――
つい最近じゃないですか!

YA-MAN
 そうですね(笑)。ああいう大きい舞台は初めてだったんですけど、そこで負けて3敗目を喫してしまったんですよ。自分はプロデビューをしたときに「3敗したら引退しよう」と決めていたんですけど。それでも「キックは楽しいから続けたいなあ……」と思っていたら、RISEのオープンフィンガーマッチの話がきたんですよね。

――
RISE初の試みとなった、山口侑馬とのオープンフィンガーマッチですね。 

YA-MAN
 そこで「もう、ここで結果を残せなかったらやめよう」と。ただ、その結果というのは勝ち負けではなくて。面白い試合をしようと思って戦ったら、そこでいい試合ができたんですよね。

――
何かが吹っ切れたうえにKO勝ちしたという。

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©RISE

YA-MAN だから、やっぱり負けにビビったらダメだな、と。そこからです。負けてもいいから倒しにいく、というのを意識するようになったのは。

――そこからの躍進が凄いですもんね。北井智大を1RKO、そして大方の予想を覆して中村寛に判定勝ち。半年足らずで大晦日に抜擢されるほどの存在になりましたけど、本人としてもそういう飛躍の実感はあります?

YA-MAN
 まあ……、あります(笑)。というか、自分はそんなにないんですけど、周りが変わったっすよね。

――
それはチヤホヤしてくれるから?

YA-MAN
 それもありますし、渋谷とか歩いてたら「この前の試合観ました」とか。

――
ああ、知らない人からも声をかけられるように。

YA-MAN
 後楽園の会場に試合を観に行っても「一緒に写真撮ってください」とか。だから、自分はそんなに変わったつもりはないんですけど、周りですよね。

――
本人が浮き足立ってるわけでもなく。

YA-MAN
 浮き足立ってる……? 浮き足立ってはないと思うんですけど……会長、どう思いますか?

宮城大樹TARGET SHIBUYA会長) まあ、ちょっとね(笑)。

YA-MAN
 浮き足立ってるみたいです(笑)。

――いや、天狗になるぐらいじゃないと面白くないですよ(笑)。でも、こうやって一気にブレイクしていくというのは面白いですよね。RIZINの榊原さんも会見で「キックの試合を観ても食指が動く選手は全然いないけど、YA-MAN選手は自信を持って送り込める」という感じでしたし。

YA-MAN
 そこは本当にRISEのおかげです。RISEが新しい取り組みをスタートして、そこにピックアップしていただいたからこそ“いま”があるので。

――
そんな中で、今回RIZIN参戦のオファーが来たときはどう思いました?

YA-MAN
 皇治が沖縄大会のときに自分の名前を出してたんで、「これはあるかもしれない」とは思っていましたけど。それからオファーはなかったので……。

――もう試合はないだろうと。

YA-MAN
 さすがに2週間前にオファーがなかったら試合はないかなと思っていたんですけど……実際は大会まで2週間を切りそうだったので「もうないわ」と思ってめっちゃラーメン食ってたら、急遽オファーが来たんですよね(笑)。

――ハハハハハハ! 対戦が決まった皇治選手は、シバター戦のことでゴチャゴチャしていたじゃないですか。あの劇場はどうご覧になってたんですか?

YA-MAN
 まあオファーがあったわけではないので、全然気にしてなかったです。実際に今回の話が来たときに「じつは、皇治選手はシバター戦のことでいろいろあって……」という話を聞いても「あ、そうなんだ」というぐらいですね。

――
じゃあ、話がきたときは即答というか。

YA-MAN
 はい。そこは会長からはいつでも戦える姿勢を作っておくように言われているんですよ。一度、3週間前にオファーをもらったことがあったんですけど「体重が無理です」ということで断ったんですよね。そこでけっこう怒られて(苦笑)。

――プロとはいつなんどき戦うべきだと。

YA-MAN
 そうですね。この前、RISEの宮﨑小雪選手が急遽参戦したことがあったんですけど、会長からは「オマエ、あれがプロってヤツだよ。2週間前のオファーでも試合ができるのがプロだから」と。なので、急なオファーでも試合ができるように準備はしています。そうしたら、こういうオファーがきたので、それはもうやるしかないですよね。

――
ちなみに、12月17日にもRIZINのカード発表記者会見がありましたけど、じつは皇治vsYA-MANもそのタイミングで発表されるとうかがっていました。それが皇治選手とシバターの騒動の余波を受けて延期になって、12月21日の発表になりましたけど、それについてはどう思われました?

YA-MAN いやマジ、ムカつきました!

――
というか、17日は会見場にも来られていたんですよね?

YA-MAN
 来てましたよ! 朝10時半集合だったんで、朝めっちゃ早く起きて髪の毛を切りに行って。

――
あ、そういう準備も。

YA-MAN
 試合が決まったのがその前日で、次の日が会見だったんですよね。だから、専属のスタイリストさんに連絡して無理やり「明日、朝からお願いできないですか?」と。それで髪も切ってもらったのに……。だから、周りの人たちにマジで申し訳なくて。だから、本当にムカつきました。

――
そのあとに「コウジもシバターも格闘家じゃないからしょうがないか」とツイートしていたのは、その怒りもあって。

YA-MAN
 なんだろう、本当にあの人たちは全部自分ら都合じゃないですか。それに関してマジでムカつきましたから。

――
でも、そんな裏事情をバラすこともないギリギリのツイートだったんで、凄く大人だなと思いました(笑)。

YA-MAN ああ。そこは、ふたりの件があったばっかりだったし、皇治戦がなくなったわけではないので、変に公開しないでくれと言われてたんで。だから、ギリギリというか、自分が思っていることを遠回しに伝えたという感じですかね。

――
よけいなことを言うと、試合が壊れちゃうかもしれないですからね。

YA-MAN
 本当にそういう可能性もあったので。そこを回避するために試合のことは触れないように発言をしていこうかなと思ってました。

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――
そういう怒りもありながら、会見では皇治選手をリスペクトする姿勢も垣間見えた気がします。

YA-MAN
 まあ、皇治がキックボクシング業界を盛り上げたというのは間違いないと思っていて。そこに関してはスゲえなと思ってますから。昔、武尊選手と試合したときなんかは、強者に立ち向かう勇気とか、挑戦する気持ちとか、たしかに試合で感じるものがあったので。でも、最近はもう成り上がっちゃったのかなって。これ以上、上を目指さなくていいのかなというのを感じたので、本当に自分が思ったことを言っただけですね。

――
最近は大げさに煽る選手が多いですけど、YA-MAN選手の発言は素直な煽りでいいなあ、と。

YA-MAN
 それって、ファンのみんなが思っていることを言ったからだと思うんですよ。「皇治ちょっとおかしいんじゃないの?」と。もともとの皇治ファンもそうですし、最近皇治のファンになった人も思ってると思いますし。自分はみんなが思っていることを代弁しただけですね。

――……YA-MAN選手、凄く真面目ですね!

YA-MAN ハハハハハ! そうですか?

――
もうちょっとオラオラした雰囲気を想像していたんですけど、全然そんなこともないですし。

YA-MAN
 まあ、そうですね。自分はお母さんに「義理人情を大事にしろ」ということで育てられたんで。

――
ああ、その話もぜひうかがいたかったんですよ。RISEでの中村寛戦後のマイクで、自分が育った家庭環境のことを話されていたので。「自分の家庭は複雑で、お父さんはポン中で刑務所行ったりしてて、おじいちゃんとおばあちゃんも養育費持ってどっか行っちゃうし」というマイクは非常に衝撃的でした。それは物心がついたときからそうだったんですか?
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