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齋藤彰俊インタビュー第5弾は伝説のバー『ココナッツリゾート』です!(聞き手/ジャン斉藤)
①「名古屋の街の風紀を正していた高校時代」
――平成維震軍をやめられたあとは地元の名古屋に戻られましたけど、ノアで復帰するまでのあいだの彰俊さんはかなり謎が多いんですよね。
齋藤 たしかにそうですね(笑)。
――名古屋で『ココナッツリゾート』というバーをやっていたことは知ってるんですが、バー経営は離脱前から計画されていたことなんですか?
齋藤 いや、やめたときはまったく何も決まっていなかったですね。あのときはですね、やめたときの長州さんから「いまのおまえだったら何でもできるかもしれないな」って言われたんですよ。その言葉に後押しされたところもあって、いままでやったことないことに挑戦しようと思ったんですね。
――それはプロレス以外の“何か”をやろうと?
齋藤 はい。プロレス以外のことですね。もともと平成維震軍をやめた理由がハングリー精神を取り戻すためだったので、同じ分野で何かやるのはつまらない。はじめは何をしようかとパッと思いつかなかったんですけど、もともとバーで働いたこともあって、お酒も好きなので「バーをやってみようかな」と。
――当時からプロレスラーの居酒屋はボチボチありましたけど、バー経営は女子プロレスラーのOGでは聞いたことありますけど……。
齋藤 当時は聞かなかったですね。木村健悟さんは時代を先取りしすぎた斬新なビジネスをやってましたけど(笑)。当時にしては珍しいデリバリーのお寿司さんとか。
――平成維震軍が新巻き鮭のビジネスをやろうとしていた話は最高ですよ!(笑)。
齋藤 そこまでチャレンジはしないんですが(笑)、とりあえずバーができる場所をいろいろ探してですね。最終的に決めたんですけど、集客しやすい立地ではつまらないじゃないですか。何か新しいことで成功したらプロレスに戻ろうと考えていたので、そのときにハードルがあまりにも低いと成し遂げた感じがしないなと思ったんですね。借りた物件は名古屋市内にあったんですけど、繁華街から離れた場所で。国道沿いのちょっと細い道を入ったところの事務所みたいな建物があって。鉄の扉を開けると目の前に階段があって、2階がお店です。
――なかなか入りづらそうですね(笑)。
齋藤 もともと美容院でして。不動産屋の方に「ここで何をやるんですか」って聞かれたので「バーをやろうと思ってます」って言ったら、「立地的にちょっと難しいですね」と(苦笑)。いちばん近くの駅まで徒歩30分ですし、車社会とはいえ飲み屋ですので。ちょっと近くにバス停ぐらいはありましたけど、
――車でバーに来るわけには行かないですし、バスに乗ってバーにやって来る人はいないですよね(笑)。
齋藤 いないですよね(笑)。だから集客のハードルは上がりました。もともと美容院でしたので、店の作り的にバー向きではなかったですし。でも、どうせやるんであれば難しいって言われてるところでやったほうが面白いって思ったんです。
――木村健悟さんばりに充分チャレンジしてますよ(笑)。従業員はいらっしゃったんですか?
齋藤 最初は従業員を雇えるほどお客は来なかったので、自分が……。
――じゃあ彰俊さんが毎日出勤して。
齋藤 夜だけでは経営が成り立たないのでランチもやりました。近くに銀行や会社があったりしたので。
――ランチは彰俊さんが作るんですか?
齋藤 はい、作りました。出来合いのプレートみたいな感じで、揚げたりちょっとお肉を焼いたりしてまして。
――当時のボクはプロレスファンでしたけど、彰俊さんのバーって全然宣伝されてなかった記憶があるんですよね。
齋藤 宣伝はまったくしてないですね。そこでプロレスのプの字も出したらチャレンジする意味がないので……。お店の地域にはポスティングしたんですけど、自分の名前は使わずに「ハワイが名古屋に引っ越してきた」と。
――だから店名は『ココナッツリゾート』なんですね(笑)。
齋藤 もともとヤシの木とかハワイアンな雰囲気が好きだったし、ワイキキのロイヤルハワイアンというホテルで作ってもらったカクテルのチチがすごくおいしかったこともあるんですよね。素人なりにいろいろと考えて、店の中をハワイの雰囲気にしようと。天井や壁に絵を描いて、店内の3分の1はヤシの木の造花を置いて、小さいながらちょっとした砂浜も……。
――ホントに「ハワイが名古屋に引っ越してきた」(笑)。
齋藤 街灯まで付けて、外にいるような感じの雰囲気を作ったんです。
齋藤 店内は30畳ぐらいあったんですけど、そのせいで客席数はかなり少なくて……(笑)。
――ハハハハハハ! てっきり渋い感じのバーを想像していたんですけど。
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