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北米MMAを知り尽くした男・水垣偉弥が語るRIZIN神戸のあれこれ
です(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)


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・大晦日の大混乱を締められる朝倉海は“持っている”■水垣偉弥

 


――
今日はまず水垣さんに謝らなきゃならないことがありまして……。

水垣 はい、何かありましたっけ?

――
ボクがさんざん騒いでいた、UFC独占禁止集団訴訟で水垣さんたち元UFCファイターがお金持ちになるという件ですけども。最新情報からすると、どうもそこまでお金持ちになるわけではなくなってきて、ぬか喜びさせてしまったなと。

水垣
 ああ、本当ですよ! どうやら和解の話が小さくまとまったような感じになってますよね。ボクもまだネットでしか情報が入ってきてないので何もわからないんですけど。

――
まだ弁護団から連絡はないんですね。

水垣
 たまーにメールは来ますね。このあいだは「この裁判から降りますか? 降りるなら連絡ください」みたいな内容だったり。

――
へえ~、一応確認は取ってきてるわけですか。

水垣
 だから、何かあればまた連絡があると待ってるんですが。でも、思ったより賠償金が少なかったら、ボクはジャンさんに請求してようかと思ってます。

――
えっ、ボクにですか?(笑)。

水垣
 ボクの気持ちを踏みにじったということで、ジャンさんに対して訴訟を起こしてみようかなと。ガッカリしたぶんの弁償ですよね!(笑)。

――
ただボクが騒がなかったら水垣さんが賠償金をもらえることを知らなかったという可能性もありますよ! メールが来たけど、よくわかんないけど捨てちゃってたという。

水垣 ……ああ(笑)。

――
ということは、ボクが賠償金の1割くらいもらっても罰は当たらないと思います!

水垣
 ……ひとまず、この話はなかったことにしておきましょう!

――
ハハハハハ。というわけで本題ですが、まず何よりビックリしたのはRIZIN神戸大会前後の水垣さんのスケジュールですよ。RIZINの日、ベラトールの解説をやってませんでした?

水垣
 午前中U-NEXTでベラトールの解説をしてました。前日の22日金曜日はジムの指導を23時半くらいに終えて、そこからU-NEXTの撮影現場で朝までベラトールの解説をやったんですよね。RIZIN神戸大会はその足で向かうというスケジュールですね。

――
ということは、寝てないんですか?

水垣
 いや、新幹線で2時間くらい寝ました。ちなみに、ベラトールの解説ってボクと川尻(達也)さんと金原(正徳)さんの3人でだいたい回してるんですよ。で、金原さんはRIZINのタイトルマッチ前でタイに行ってたし、川尻さんはRIZINの解説が入っていたので、もうボクがやるしかないという使命感のもと(笑)。

――
まさに激動の一日だったということですよね。

水垣
 こういった激動の週末の最後に必ずジャンさんとの配信があるんですよね。これで週末が終わるというのがいつものパターンですね!

――
その締めくくりにいろいろと聞いていきます! まずは水垣さんがセコンドについた井上直樹選手の佐藤将光戦です。井上直樹選手の判定勝ちでしたが、戦前のプランと比べて実際どうだったんでしょう?

水垣
 予定どおりのところと、予定外のところがあったなあという感じですね。まず予定どおりというのは、3ラウンドの中でフィニッシュできたらしようという作戦だったんですよ。1ラウンド目はじっくり自分の距離を把握して戦うということで、あんまり組みにいく必要もない。そこは予定どおりだったかなと思ってます。

――いままで井上直樹選手って前半飛ばして、ちょっと後半は追い込まれてしまう……みたいな傾向はありましたね。

水垣 そうなんですよ。1ラウンド目からフィニッシュしにいく姿勢がめちゃくちゃ強かったので、そこは今回は冷静にというか。まあ、RIZINのジャッジはラウンドマストじゃないので、とくに1ラウンド様子を見るというのは凄くやりやすいですよね。だから、今回は「1ラウンドをどっちから取ったかわからない」という状況でもかまわないぐらいの作戦は立ててました。

――逆に予定外なのはどこだったんですか?

水垣
 これ、試合のあと聞いたんですけど、途中でボク、直樹くんの構えがちょっとおかしくなったのに気づいて「構え、しっかり!」と言ってたんですよね。試合後に聞いたら直樹くんは「途中で相手が分身したんですよ……」と言い出して。途中から相手が二重に見えてたらしくて。2ラウンドはそれでどこかおかしかったらしいですね。

――
何か目にアクシデントが起きたんですね。

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水垣
 彼の場合は本当に精密機械なんでね。やっぱりちょっと何かがあると狂うのかもしれないです。あとは、これも試合後に言ってたんですけど「マットがいつもより滑る」と。ステップがうまくいかなかったと言ってました。なので、そこもちょっと彼にとっては痛かったのかなと。

――
井上直樹選手はステップが生命線みたいなところもありますね。

水垣
 だから、うしろに戻るステップがやりにくかったと言ってました。滑って踏ん張りがきかなかったと。

――
そういえば直樹選手はRIZIN LANDMARKのケージは初めてでしたっけ?

水垣
 初めてだと思います。あと、これは本人はとくに何も言ってなかったんですけど、ケージを見たときに「なんか凄くちっちゃいな」と思ったんですよね。いつもあのサイズでしたっけ?

――
いつものサイズです。

水垣
 なんか凄く狭く感じたんですよねえ。ボク自身、LANDMARKのケージを生で見るのは初めてだったんでアレだったかもしれないですけど。ただまあ、試合前にあんまりネガティブなこと言わないほうがいいかなと思って、本人には「ケージ狭いね」とも言わなかったんですけどね。

――
ちなみに、UFCのケージにも大小ありますよね。

水垣
 昔はバカデカいケージがありましたけど、いまはほぼ統一で。たぶん、UFC APEXでやるときだけ一回り小っちゃいケージだった気がします。

――
じゃあ、ケージが初めてだったり、マットが滑ったり、そういうところが精密機械である直樹選手を狂わせるところがあったと。

水垣
 なんか今回はそういうのがあったっぽいです。

――
1ラウンドは直樹選手のペースだったと思うんですけど、やっぱり2ラウンドはそういった要因で佐藤将光選手に押されて気味になったんですね。

水垣
 佐藤選手の打撃もやりづらかったと思います。常にプレッシャーをかけてくるし、こっちの打撃に対してあんまりイヤがった素振りもしないですし。それでガンガン前に出てくるんで。それに目の問題もあって、構えもなんかおかしいから「構え戻せ、構え戻せ」と。その修正ができてからはよくなった気がしたんですけど、片目をつぶったりすると相手に何かアクシデントがバレちゃうので、手で目を隠すような構えをして片目で見るみたいにしていたらしいです。

――
目に違和感があることがバレちゃったら、相手は戦いやすいですもんね。

水垣
 でも、ラウンドインターバルで戻ってきても、目のことを何も言わないんで。

――
なんで言わないんですかね。井上直樹らしいですけど!(笑)。

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