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北米MMAを知り尽くした男・水垣偉弥が語るUFCシンガポールです(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)
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・朝倉未来の“焦り”が生まれた瞬間■水垣偉弥
・朝倉未来の“焦り”が生まれた瞬間■水垣偉弥
――水垣さん、今日もよろしくお願いします!
水垣 よろしくお願いしま~す!
――では、さっそくですね、「なぜアルバート・クラウスがブレイキングダウンで負けたのか」からお願いします!
水垣 えっ、アルバート・クラウスが出たんですか?
――知らないんですか? それは問題ありますよ。時代に取り残されていいんですか!(笑)。
水垣 アルバート・クラウス大好きだったんですけど、負けたのなら見なくてよかったです(笑)。
――アルバート・クラウスの出場を知らなかったということは「所沢のタイソン」もわからないということですね?
水垣 ……「所沢のタイソン」という人がいるんですね。UFCで“ジャパニーズ”ボー・ニカッルと呼ばれてる日本人は知ってますけど(笑)。
――それは中村倫也選手のことですね。日本にはマイク・タイソンもボー・ニカッルもいる(笑)。
水垣 今回のUFCシンガポールで一番印象的だった日本人は中村倫也選手ですかね。いい試合だったと思います。本人はフィニッシュできなくて悔しそうでしたけど、UFCでフルラウンドを経験することはすごく大事だと思います。
――中村倫也はUFCから期待されてる感じがものすごく伝わってきますね。
水垣 いやあ、ビンビンに伝わってきますね。元UFC王者でコメンテーターのマイケル・ビスピンが中村選手のことを“ジャパニーズ”ボー・ニカッルと言っていたってことは、UFCの中でもそういう評価になってるんだと思うんですよ。
――あらためて説明すると、ボー・ニカッルは2022年にUFCと契約したエリートレスラーです。ジョン・ジョーンズ級のトッププロスペクトというか。そもそも今回はナンバーシリーズよりはグレードが落ちるファイトナイトとはいえ、中村選手はデビュー戦からメインカード。しかも女子のランキング戦より後ろ。相手がUFC常連ファイターではなく2戦2敗の相手でこの扱いって相当すごいことですよ。
水垣 中村倫也だからメインカードって感じですよね。
――いまのUFCのバンタム級は全階級の中でいちばん選手数が多いので、いきなりランカー戦は絶対にありえないんですけど、次はそこそこの相手とやってもおかしくないですね。
水垣 UFCがどう育てるのか、どう考えているのかですよね。中村選手本人も「数年後には……」という話をしてたと思うので、ひとつひとつ課題をクリアしていく感じだといいですよね。
――3ラウンド通してゲームを支配していたとはいえ、フィニッシュできなかったことは気になりました?
水垣 いやー、ボクはそんなにでもないですね。中村選手はグラウンドのコントロール力がすごくあるので、UFCでも最低限こういう判定勝ちができるのは強みですよね。あとは殴ってKOするのか、一本を取るのか。ここからスタイルが分かれていくと思うんですけど、星を落とす可能性がけっこう低いなって見えてます。
――安定して勝ち続けるんじゃないかと。すごい日本人が現れた!
水垣 もちろん勝負事なので、何が起こるかはわからないですけど、かなりの確率で判定勝ちができるタイプ。「ホームランか、三振か」みたいなタイプではないですよね。ヒットの延長でホームランが打てるので、今後UFCでやっていくうえで好感触はあったんじゃないかと。
――UFCで生き残るのは昔のパ・リーグでいえば、ブライアントタイプではないってことですねぇ。
水垣 そうですね(笑)。危険なのは打撃に自信がついて、ストライカー相手にテイクダウンすればいけるのに打撃で勝負しちゃうことですね。今回の戦い方はミニマムラインとして持っておくことがすごく大事だと思います。
――基本はテイクダウンだと。中村倫也選手はまだ自分の方向性に迷う相手とやってないというか、壁にぶつかっていない状態ではありますね。
水垣 本当に順調すぎるぐらいじゃないですかね。だからって楽な道を歩んでるわけじゃなくて、並の選手だったら壁にぶつかりまくりの対戦相手とやってるんですけど。
――試合後の英語のスピーチも完璧でした。
水垣 ボクなんて全然ダメでしたよ(苦笑)。なんだかんだ英語の勉強はずっとしてたんですけど、まだ披露するのは早いなって思ってるうちに終わっちゃうので。
――披露するのも勇気もいるけど、雑でも喋ってほうがいいってことですかね(笑)。他の日本人UFCファイターの風間敏臣、木下憂朔の2人は共に1ラウンドTKO負け。まずは風間選手ですが、打撃が課題というところでしょうか。
水垣 そうですね。打撃が穴、プラス戦い方ですね。風間選手の中では意識してないのかもしれないですけど、打撃をもらったあとに自分の強気な部分が先行しちゃって、そこでまた打ちに行っちゃってるのがもったいないなという感じです。打撃が勝負どころの選手であれば、もう1回打ち合うのは作戦としてありだと思うんですけど、ダメージを負ったグラップラーがあそこで打ち合うと、ほとんど結末が見えてしまっているので。でも、倒れた後の行動は自分の本質が出るのですごく難しいんですよ。
――ある種のパニック状態ですから、無意識の反応なんでしょうね。
水垣 たとえばボクの場合は打撃を効かされてダウンしたあとはタックルをやるパターンが多かったんです。足にしがみつく、いつのまにかレフェリーの足にタックルしてしまう(笑)。それって練習しているものが出るのかもしれないです。そういう意味では風間選手は打撃の練習に取り組んでいる最中なのかな、という気もします。
・木下憂朔は練習で死ぬほど腹を叩かれるしかない
・鶴屋怜のセコンド・岡田遼の素晴らしさ
・原口伸の安定感、判定の怖さ
・賛否を呼ぶ神田コウヤの戦術
・優勝候補・上久保周哉まさかの敗戦……まだまだ続く
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コメント
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最終的に五味さんが面白い話になってて流石だなっていう。
上久保選手は引き出しがなかった分、神田選手よりも良いところを感じませんでしたね。
鶴屋選手の次の相手は打撃で来そうですから是非対応して極めて勝ってほしいです!