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・【RIZIN狂った季節】斎藤裕「朝倉未来選手とは一緒に船を作っていたんだよなあ……」
――水垣さん、どうやったら世界に勝てるんですか? RTUで日本人選手たちが2勝8敗、1回戦突破が1名のみという歴史的惨敗です……。
――水垣さんが痛い目に遭ったのはUFCの本戦だし、ドミニク・クルーズやアルジャメイン・スターリングとかのランカー相手じゃないですか。嫌味です!(笑)。
水垣 すいません(笑)。RTUは今年で4回目になりますけど、最も厳しい1回戦の結果になりましたね。
――戦前はどういう予想をされてました?
――日本人が活躍できる階級が軽い方に下がってきてるんですけど、とうとうフライ級でも簡単には勝てなくなってきたと。
水垣 そうですね。今回のRTUはいちおう各団体のトップクラスの選手が出たわけですからね。その選手が負けてしまったことに危機を感じます。1回目のRTUで優勝した中村倫也選手のように突出してないと勝ち抜けない。日本のヒエラルキーの中でも特別な存在じゃないと、RTUでは厳しいのかなっていう感じがしますねぇ。
――要は日本でそこそこ勝ってるようなレベルではなくて、無双するくらいじゃないとRTUでは勝ちきれない。
水垣 そうなんですよ。今回出場した選手は国内の日本人対決で勝ったり負けたりするレベルの選手ではない。その選手たちがこういう結果だから、さらに突出している逸材じゃないと難しいのかなって。
――選手たちのレコードは悪くはないんですよね。
水垣 その選手たちがRTUでふるいにかけられますよね。
――昨シーズンからRTUのレベルが上がったというか、正直1回目2回目の1回戦は「えっ、こんなレベルの選手出れるの?」って感じだったんですけど。
水垣 枠を埋めるためだけの選手が少なくなってますよね。まず何よりも中国人選手は1回目からヤバイなって思ってたんですけど、それに加えてベトナムとかMMAが浸透してなかった地域から、強い選手が出てきちゃってるんで。そこはMMAの裾野が広がっていることだから、ジャンルとしてはすごくいいことですけど。アジア予選から厳しい戦いになりますよね。
水垣 噛ませ犬みたいな扱いですよね。「UFCは世界的にやってますよ!」ってところを見せるために、とりあえずいろんな国から適当な選手を連れてきたわけじゃなくなってます。
――となると国内のレコードがキレイなだけでは、確実に勝ち上がっていける保証はないという。
水垣 日本でいえばRIZINを除いた修斗・DEEP・パンクラスのチャンピオンクラス同士で削り合って、そこで生き残った選手じゃないとなかなか……いう感じがします。
――でも、そういう選手ってRIZINに行っちゃうケースもありますよね(笑)。
水垣 そうなんですよ(笑)。なんとかして「UFCに出たい!」という日本人の選手がどれだけいるのか。いまはどの国の選手も基本的にUFCを目指すわけじゃないですか。でも、日本にはRIZINという大舞台があるんで、UFCを目指す選手の数がまた減ってくると思うんですよね。世界的にはUFCの契約を狙うライバルが増えてるのに。
――「RIZIN男祭り」で戦った秋元強真選手と高木凌選手って他の国だったらRTUに出てますよね。
――RIZINの存在がじゃまだって話じゃなくて、格闘技で食える場所がいくつかある日本はいい環境なんですけどね。
水垣 それに朝倉海選手みたいにRIZINでチャンピオンになったことを評価されて、いい契約を結んだりできるわけじゃないですか。ある意味日本のMMAの歴史が長くて、大きな舞台があるからこそですよね。基本的にMMA新興国にはそれなりに大会があるんでしょうけど、RIZINのような大きなイベントはない。そうなると地元の大会で勝ち進んで最終的にUFCという目標になるし、そこはハングリーな気持ちが強いと思うんですよ。UFCに行かないと格闘技で食えないわけですから。
――モチベーションがまた違ってくるわけですね。
水垣 この競技をやるうえで、そういうハングリー精神ってすごく大事ですね。
――日本の場合、ちょっと前までONEという選択もあったし、RIZINがあるから「何がなんでもUFC!」という姿勢ではないという。
水垣 RIZINもUFCも基本的にやってることは一緒なんですけど、海外で戦うことって精神的な強さが求められるんですよね。ボクもしばらく海外で試合をしてて、ひさしぶりにUFCジャパンやRIZINで試合をやったときは、すごい楽だったんですよ。
――やっぱりホームは戦いやすい、と。
水垣 自分の国だからどこに何があるかわかる。本当にストレスなく試合に臨めましたね。逆にいえば、勝手が違う異国の地ではホントに気持ちが強い選手じゃないと、生き残れない気がしますよね。
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